2020年はカーシェア元年となるのか
2017年12月、日本第2位の収益力を持つNTTドコモがカーシェア市場に新規参入しました。
ドコモのdカーシェアは、従来型のカーシェアリングサービスとは異なり、自らはクルマやサービスを提供することはなく、プラットフォームとしてカーシェアサービスを提供するというものでした。
そして、2019年にはわが国最大の企業といえるトヨタ自動車がカーシェア市場に参入してきました。
トヨタ、NTTドコモという日本を代表する2社がカーシェア市場に参入してきたわけです。
100年に1度の大変革期と言われるモビリティ産業、その中でも著しく成長を見せているカーシェアマーケット、2020年の動向は今後を占ううえでも重要な1年になりそうです。
このカーシェア元年ともいえそうな2020年を迎え、現状の業界ナンバー1、2のタイムズカーシェアとカレコを新料金体系も含めて徹底比較してみました。
タイムズカーシェアとカレコの新料金体系比較
2019年10月1日の消費増税に伴い、カーシェア各社は新しい料金体系を発表しています。
単純に8%から10%への消費増税分が上乗せられるのかと思ったら、どうやらカーシェア各社によって値上がり率などは異なっているようです。
消費増税後に変更になった両社の代表的なサービスである、タイムズカーシェアのベーシック、カレコのベーシックプランおよび平日プランの3つを比較してみました。(カレコには、割高料金となりますが、月額無料プランもあります。)
タイムズカーシェア | カレコ | カレコ平日プラン | |
初期費用 | 1,650円(キャンペーン時無料) | 0円 | 0円 |
月会費(利用料金に充当可能) | 880円(キャンペーン時最大2か月無料) | 980円(入会初月は最大1か月無料) | 980円(入会初月は最大1か月無料) |
時間料金 | 220円/15分 (距離料金なし) | 140円/10分 (距離料金なし) | 90円/10分 |
6時間パック | 4,290円 (距離料金なし) | 4,080円 (距離料金なし) | 2,980円 (距離料金なし) |
12時間パック | 6,490円 | 5,700円 | 4,900円 |
24時間パック | 8,690円 | 7,300円 | 8,400円 |
36時間パック | 11,990円 | ― | ― |
48時間パック | 14,190円 | ― | ― |
72時間パック | 20,240円 | ― | ― |
夜間パック (18:00~翌9:00) | 2,640円 | 2,700円(6時間以内の利用は距離料金なし) | 2,700円(6時間以内の利用は距離料金なし) |
距離料金 | 16円/1km(ショート、6時間パックは距離料金なし) | 16円/1km(6時間以内の利用は距離料金なし) | 16円/1km(6時間以内の利用は距離料金なし) |
安心補償サービス(全免責/任意加入) | 330円/1予約 | 330円/24時間ごと | 330円/24時間ごと― |
何日先まで予約可能か | 2週間(一定の条件を満たすと3週間) | 2か月(月額無料プランは2週間) | 2か月(月額無料プランは2週間) |
ステーション数(※) | 11,745か所 | 2,102か所 | 2,102か所 |
車両数(※) | 24,491台 | 3,629台 | 3,629台 |
会員数(※) | 1,175,048人 | 118,623人 | 118,623人 |
都道府県 | 47都道府県 | 11都府県 | 11都府県 |
※ 公益財団法人 交通エコロジー モビリティ財団 2019年6月公表資料)
初期費用についての比較
初期費用については、カレコは無料、タイムズカーシェアは1,650円となっていますが、キャンペーンが続いており実質無料となります。
月額基本料金
毎月の基本料金は、タイムズカーシェア880円(キャンペーン最大2か月無料)、カレコ980円(入会月最大1か月無料)となっていますが、どちらも無料利用分となり、基本料金以上利用すれば実質無料となります。
時間料金
タイムズカーシェアは15分単位220円、カレコは10分単位で140円(平日プラン90円)となり、どちらも6時間までは距離料金も発生しません。
カーシェアが短時間利用にメリットが大きいといわれるのは、このサービスがあるからで、いずれもお安い料金でクルマを利用することができます。
平日しか利用しないという人の場合、カレコの平日プランの料金は魅力的です。(平日プランは休日も利用できますが割高料金となります。)
長時間パック
長時間パックもカレコのほうが安い料金に設定してあります。特に、平日プランの6時間パック、12時間パックは安さが際立っています。
カレコは24時間パックまでで、タイムズカーシェアのように36時間パック、48時間パック、72時間パックは提供していません。この分野については、レンタカーのほうに優位性があるため、サービスを提供していないと思われます。
また、タイムズカーシェアでは、9月まで提供していたアーリーナイトパック(18~24時まで2,060円+距離料金)が廃止され、ナイトパック(18~翌9時、2,640円+距離料金)に変更となりました。
アーリーナイトパックは、タイムズカーシェアだけが提供していたサービスで、筆者も毎週のように利用していただけに残念です。こうなると、カレコの2,700円で距離料金が発生しないナイトパックのほうが非常に魅力的なサービスとなりました。
ステーション数
タイムズカーシェアもカレコもグループ企業に時間貸し駐車場運営企業があるという他社にはない優位性も持ちますが、ステーション数に関しては、タイムズカーシェア11,745か所、カレコ2,101か所とおよそ6倍弱の差があります。(2019年6月に公表された数字で、確認は2019年3月)
この差がある限りは、多少タイムズカーシェアはカレコよりも高い利用料金に設定していたとしても、ほぼ大勢に影響はないでしょう。
ただし、都道府県別に見ると、カーステーションが設置されているのは、タイムズカーシェアは47都道府県、カレコは11都道府県となり、カレコは首都圏などに集中してステーションを設置していることになります。
また会員数を見ても、タイムズカーシェアはカレコの10倍近い会員数を誇ります。逆に言うと、首都圏のエリアではステーション数の差ほどは、利便性の差はないのかもしれません。
まとめ
国内カーシェア市場でほぼ独占体制となっているタイムズカーシェア、そのタイムズカーシェアを追う一番手となった三井不動産グループのカレコ、そんな両社を料金体系を中心に調査してみました。
言わずもがなかもしれませんが、圧倒的なステーション数を誇るタイムズカーシェアに対して、利用料金ではタイムズカーシェアを強烈に意識して、すべてのサービスでタイムズカーシェアを上回る割安料金を提供するカレコという図式が見えてきます。
2020年、国内カーシェアは第2ステージに入った可能性を指摘されています。タイムズカーシェアとカレコが、100年に1度と言われるモビリティ産業の変革期にどう対応していくのか大注目です。
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