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PHVやEVの購入後満足度が高い
PHVやEVは、燃費は良いし環境には優しいし、実際に運転してみると意外や意外走りも快適と、良いのは十分わかっているつもりだが、「充電がねぇ~」と考えている人が多いと思われます。
国内でも、充電できる場所は相当数増えており、特に設置が目立つ高速道路のSAなどではほぼ空いていますので、休日の混雑時間帯以外では、さほど待ち時間なく充電できるようにはなっています。問題となるのは充電時間で急速充電とは言っても、そこそこの時間を取られるのが現状です。
ワイヤレス給電などの技術革新を待ちたいという人がほとんどでしょうが、実は、満足度調査のJ.D.パワージャパンが発表した調査によると、ガソリン車と比べるとPHVやEVの購入後満足度が非常に高いことが分かりました。
J.D.パワージャパンの「自動車商品魅力度」
今回のJ.D.パワージャパンの調査は、新車購入後2か月から9か月経過したユーザーを対象としたもので、1,000ポイント満点で燃費、外装など77項目を採点し、メーカーごとやパワートレインなどに分類されています。
その結果、全体のスコア平均は638ポイントで、PHVやEVなどの電動パワートレイン車は673ポイント、内燃機関車(HVを含む)の633ポイントを40ポイントも上回りました。
このうち差が大きかったのは、「エンジン/トランスミッション」の107ポイント、「燃費」85ポイント、「運転性能」の44ポイントなどでした。
忘れてはならないHV(ハイブリッド)の購入満足度も高い
この調査では、電動パワートレイン車という位置づけから、HV(ハイブリッド)車は内燃機関車に入っており、補足説明として、HVから電動パワートレイン車に買い替えた人は必ずしも満足しているわけではないようです。
燃費性という側面からは、HVはPHVやEVの範疇に入ると思われますので、エコカーとガソリン車という区分けで調査したらさらに差が開いたことになるでしょう。従って、正確には、PHV、EV、HV車の満足度が一般のガソリン車よりは高いとみるほうが良いのかもしれません。
今回の顧客満足度調査から見えてくるものとは
HV車は毎年国内でのシェアが増加しており、現在は小型車で3割以上、軽自動車でも1割以上がHV車となっています。軽自動車以外の登録車ベースでは、約38%がHV車となっており、2018年後半には40%を超える勢いです。
今回の調査から、HV車は登録車シェアで40%を超えてくることになるでしょうし、同様にPHV、EV車もシェアを伸ばしていくことになりそうで、HV車を除いた一般のガソリン車はそのシェアがますます減少しそうです。
これまで燃費は良いとわかっていたPHV、EV車ですが、充電に難ありということで購入するまでは決心できないという人が大半でした。ところが、おそらくは近場に充電設備があったりするユーザーでしょうが、その心配のない購入者の満足度は非常に高いものでした。
2018年10月には、ガソリン価格は都心部のGSではレギュラーガソリンで160円前後まで上昇することもありました。予てより、クルマの維持費の高騰は若者を中心とするクルマ離れ現象を引き起こしています。
今回の「自動車商品魅力度」調査でも、この傾向ははっきりと現れていると考えても良いでしょう。
ノートe-powerが好調な理由
ここ数年、トヨタのプリウス、アクアなどのHV車が上位を占めていた新車販売事情に変化が生じています。言うまでもありませんが、日産のe-powerです。
一般社団法人「日本自動車販売協会連合会」が公表する新車販売数(軽自動車除く)で、2018年4~9月で最も売れたのが日産ノート、2位にはトヨタのアクア、3位には同じくプリウス、そして4位には日産セレナが入っています。
2016年の4~9月で見てみると、1位はプリウス、2位はアクア、ノートは8位でセレナに至ってはベスト10外の11位となっていました。e-power車発売とともに順位をどんどん上げているのが見て取れます。
リアルEVであるリーフには、鋭い走行性や燃費という面では他のクルマの追随を許さないものがありますが、残念ながら充電という今しばらくは問題解決には時間のかかるデメリットがあります。
このデメリットをなくしたのが、簡単に言ってしまえばe-powerなわけで、リアルEVのリーフの力強い方向性を実現して、かつ充電の心配もないというのがe-power人気の要因と考えられます。
まさに、「さりげない大人の走りを実現するクルマ」で、デザイン性などの見た目は、通常のノートとほとんど変わりませんが、リアドアにe-powerというプレートがあるだけで、全く違うクルマとして認識されることになります。
コンパクトカーとしてのノートe-powerは大成功しましたが、ミニバンであるセレナにもe-power車を発売し、こちらも「家族みんながワクワクする感動を!」というコンセプトのもと、他メーカーのミニバンに押され気味であったセレナを全く違うミニバンとして蘇らせることになります。
日産のカーシェアはリーフとe-power
首都圏を中心に急成長を続けるカーシェアリングですが、遂に、これまで沈黙を守ってきた国内最大自動車メーカーのトヨタもカーシェアリングをスタートさせることを表明していますが、すでに、日産とホンダはカーシェアリングサービスを提供しています。
もちろん、日本のカーシェアリングサービスには、カーステーションという絶対的な条件があり、これを持たない自動車メーカーがタイムズカープラスやカレコと同等にビジネスを展開できるわけではありません。
狙いはそれぞれ異なりますが、実際にクルマを利用してもらうという意味では、トヨタのように試乗サービスの代わりとして提供するという狙いもあります。
日産のカーシェアリングは、カーステーションこそ、日産の販売店や日産レンタカー営業所などに限られますが、提供されるクルマはすべてEVのリーフ、もしくはノートe-powerとなります。
儲けることが目的ではなく、むしろ、日産のEVやe-powerを体感してもらいたいというサービスですから、利用料金も非常にお安く、他のカーシェアよりもお得に利用することができます。
残念ながら、現時点では限られたエリアでしかサービスは提供されていませんが、EVやe-powerに関心がなくても利用したいようなサービスです。
まとめ
あのトヨタ自動車が、自動車会社の看板を捨ててモビリティカンパニーへの移行を宣言しているように、これまで世界経済をけん引してきたクルマ離れが確実に進んでいます。
今回の「自動車商品魅力度」調査でも、PHV、EVなどの購入後満足度が高くなっており、最新のテクノロジーを備えて燃費がよく、走行など楽しめるクルマが好まれていることが分かります。
日産カーシェアのように、カーシェアのクルマが電動パワートレイン車ばかりになったら、もはやクルマを購入しようと考える人もいなくなるのかもしれませんね。
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