毎年暮れにかけて発表される「日本カー・オブ・ザ・イヤー」は、自動車の雑誌やメディアなどの媒体「日本カーオブザイヤー実行委員会」により、年間を通して最も優れているモデルに与えられる称号です。ついに2020年10月30日今年の10車種のノミネート車が出そろい、「今年のイヤーカー」が12月7日に発表されます。
「日本カー・オブ・ザ・イヤー」は、元々1980年に雑誌の企画によって始まりました。前年の11月1日から当年の10月31日まで日本国内で販売された最新モデルやデザインに優れているモデルなどを、第一選考によって10車種選ばれます。それら、10車種の中選考委員の投票によって1台を「今年のイヤーカー」として選出することになります。
実施規約によると、
選考委員は対象車についてコンセプト、デザイン、性能、品質、安全性、環境負荷、コストパフォーマンス等を総合的に評価して選考する
と定められています。
ちなみに、公平な投票をするため、日本で発売されたモデルであれば、国内外モデル問わず選ばれますが、投票にあたり、国産車に方が有利にならざるをえないという理由のため、最高得点の輸入車には「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」が授与されます。
今年ノミネートされた注目の車はこれ!
今年は45車種がら10台に絞られ、国産5台輸入車5台と、綺麗に半数ずつノミネートされた結果となりました。
- スバル レヴォーグ
- トヨタ ヤリス/ヤリスクロス/GRヤリス
- ニッサン キックス
- ホンダ フィット
- マツダ MX-30
- アウディ e-tron Sportback
- BMW 2シリーズグランクーペ
- BMW ALPINA B3
- ランドローバー ディフェンダー
- プジョー 208/e-208
減速や衝突安全機能を搭載したスバルの進化型高度運転支援システム「アイサイトX」が搭載されているレヴォーグも有力候補です。スポーツグレード「STI Sport」が全体販売台数の半分を占めているため、ハッチバックでここまでスポーティな車はなかなかありません。
お馴染みの「ついてくいく技術」や、自動ブレーキの先駆けとして国産車で先行してきたスバルとしては気合の入った1台であることは間違いないでしょう。
また、ヤリスも長年トヨタのコンパクトカーを牽引してきた「ヴィッツ」から名を変え、新たなコンパクトラインナップの主軸となっているのも見逃せません。
従来までのヴィッツは使い勝手や乗りやすさなど、万人受けするコンパクトカーとしての要素を詰め込まれて開発されていましたが、ヤリスとなったことで、現代のトヨタ車っぽくスタイリッシュなデザインが採用。スポーティな仕上がりとなったことも人気上昇の理由の一つでしょう。
そこに、ハイブリッド人気が高いホンダのフィットと、電動化コンパクトSUVのニッサン キックスのHV陣営がどう票取りに絡んでくるのかも見どころです。
ここ最近はコンパクトSUV人気が高まってきており、ニッサンはノートe-POWERの好調から一気に電動化を先駆ける攻勢に出ているような気がします。SUV初のシリーズハイブリッド方式が採用され、モーターの高トルクにより、新次元の走りを実現しています。
フィットは2月の新型となった際に、5つのタイプから好きなモデルが選択できるようになり、さらに幅広いユーザー層を満足させられるような展開をしています。
例えば、スポーティな「NESS(ネス)」やSUVのような「CROSSTAR(クロスター)」がラインナップされており、コンパクトカーの領域から、さらに一歩外踏み出したジャンル展開しているのがわかります。
そして、今回ノミネートされた日本車のなかでも圧倒的に大人の雰囲気を醸し出しているのがマツダ MX-30です。
マイルドハイブリッドエンジンの「e-SKYACTIV G」を搭載し、最近のマツダ車に採用されている「魂動デザイン」であるものの、ほかのCXシリーズよりも穏やかな顔つきなのも特徴的です。
女性主査による陣頭指揮で開発されたため、このような落ち着いたデザインになったといえるでしょうか。RX-8以来の、観音開きのドアが採用されたことも話題を呼びました。
ノミネートされた車種の中には、すでにレンタカーやカーシェアにおいてメジャーなモデルもあります。
また、少し上級車種ではあるものの、レヴォーグは、レンタカーで借りられるモデルもあります。新型の配車も近日中と思われます。ドライブで気分あがること間違いなしなしですね!
輸入車のノミネート車種を見てみても、BMW 2シリーズやアウディ e-tronが選ばれたのは、順当といったところでしょうか。
アウディe-Tronは、前後輪それぞれ独立した電気モーターが搭載されています。
アウディは、2025年までにプラグインハイブリッドを含む電動化モデルの販売台数を全体の約40%にすることを目指しているため、 e-tronを皮切りに、アウディらしい上質さと先進技術を掛け合わせられた、新たなモデルレンジが続々と日本に上陸することになるでしょう。
BMW 2シリーズグランクーペは、最も「クルマらしいかたち」をしているともいえるのではないでしょうか。
最近の日本車は、実用性の高さから、ハッチバックモデルの人気が高まっていますが、2シリーズグランクーペのようにデザインが優れた4ドアモデルの存在をみると、まだまだクーペスタイルも捨てがたいところです。
さてさて、ALPINA B3が選ばれているのには驚きを隠せません。
調べによると、日本でALPINA車の販売台数は、19年度ロールスロイスよりも少なく約200台程。メーカーとしての位置づけでもあるALPINA社が今回のノミネートに絡んでくるとは誰も予想できなかったのではないでしょうか。
ヘリで裏磐梯へジャーナリストを招待しての試乗会を開催されていたようで、豪華な試乗会も高評価の原因の一つなのか⁉︎ と考えてしまいますね。
輸入車全体にも言えることですが、インプレッションを見ていると、乗り心地の評価が高い印象を受けますが、それだけではなく、デザイン力の高さがあげられます。
プジョー208のデザインは、国産コンパクトカーではなかなかマネできない斬新なスタイルとなっています。
デザイン開発者によると「現代のレギュレーションをクリアするためには難を極めた」と言われています。日本では賛否両論があるかもしれませんが、和製ではない、輸入車らしいカタチとデザインを追求しているコンパクトカーですね。
ディフェンダーも、並いる国産SUVを押さえてのランク入りですから、相当魅力的なクルマであることは間違いないでしょう。
70年あまりの歴史を持つクルマですが、現代のディフェンダーは街中にしっかり溶け込むような先進的なデザインやしなやかな足回りが特徴的な「プレミアムSUV」となっています。スペアタイヤがリアハッチに備えつけられるのは、ディフェンダーの伝統をしっかり継承している証拠ですね。
ちなみに、古いディフェンダーであればエニカにも登録されていますので、カーシェアリングで乗ることも可能です。中古車価格は爆騰している様子ですので、こちらも要注目であります。
ノミネートされたクルマは、新車として登場したばかりのモデルですので、配車まではしばらくかかりそう。輸入車や最新モデルをレンタカーで借りられるのは、個人間のカーシェアリングサービス「エニカ」で取り扱われているが多いですのでチェックしてみることをお勧めします。
また、旧モデルであればドライブゴーサーチでも取り扱っている車種がございますので、この機会に、今年のカーオブザイヤーにノミネートされたクルマを運転してみてはいかがでしょうか。
ドライブゴーサーチで取り扱っている車種