遂に来たカーシェアユーザー200万人時代
警視庁によると、平成30年での運転免許取得者数はおよそ8231.5万人となっており、過去最高の数字を記録しています。少子高齢化が進む中、伸び率は次第に鈍化しているものの、この傾向は引き続き続くものと思われます。
そんな中で、首都圏を中心に急成長を続けるカーシェアユーザー数も増加の一途をたどっており、ひょっとすると昨年中にカーシェアユーザー数は200万人を突破した可能性も指摘されています。
国内カーシェア急成長の背景には、シェア断トツのタイムズカーシェアなどのようにグループ企業の時間貸し駐車場をカーステーションとしたことが考えられ、物理的な問題もあり、そろそろユーザー数の増加にも勢いがなくなるのではとも囁かれました。
しかしながら、モバイル最大手のドコモの新規参入や、自動車大手3社の新規参入によりさらにユーザー数は増え続けており、2020年もこの傾向は続くものと予想されています。
国内カーシェア市場は、断トツのシェアを有するタイムズカーシェア、オリックスカーシェアを抜きシェア2位に浮上した三井系のカレコ、そして国内初のカーシェア事業者であるオリックスカーシェアの時代から、ドコモ、自動車メーカーなどの新規参入組を含めた新しい時代へと突入しています。
2020年、カーシェア新時代に向けて、8年ユーザーの筆者が独断と偏見で利用してみたいカーシェアリングサービスを選んでみました。
日産e-シェアモビ
新年早々に、日産の名前が新聞報道でとりだたされています。自動車メーカーとしての経営体制には何かと多くの問題を抱えているようですが、日産のカーシェア「e-シェアモビ」は今一番利用したいと思うサービスです。
欧州では、すでにEV専用のカーシェアリングサービスが展開されていますが、国内でこれに近いサービスを提供しているのが日産e-シェアモビです。
提供されている車両は、EVリーフとe-powerシリーズのみとなりますので、現時点では提供台数はさておき国内カーシェア事業者の中で最も走りの良いクルマばかりを提供しているサービスとなります。
EVリーフとノートe-power、セレナe-powerの提供ということで、他社のサービスと比較すると燃料コストが最もかかりませんので、利用料金も国内サービスとしては唯一距離料金が発生しない仕組みとなっており、国内最安値のカーシェアリングサービスが提供されています。
2019年10月の消費増税の際にも、国内で唯一値上していないカーシェア事業者でもあります。
残念ながら、ステーション数は少なく、現状では日産の販社などが中心となっていますが、このサービスが拡大されるようだと国内カーシェアリングサービスのマーケット地図は大きく変わることになりそうです。
タイムズカーシェア
カーシェアユーザー数は200万人を超えるところまで来ようとしていますが、このうち約130万人がタイムズカーシェアのユーザーとなり、おそよ65%の会員数のシェアを有します。
これを支える最も大きな要因が、タイムズ駐車場という時間貸し駐車場の存在ですが、これにより他社比で圧倒的なカーステーション数を確保しています。
首都圏では駅前などの至るところにカーシェアのカーステーションが設置されていますが、そのほとんどがタイムズカーシェアという状況です。
初めてカーシェアを利用しようという人が、自宅近くのステーションを探そうとすると、かなりの確率でタイムズカーシェアが見つかります。
筆者も首都圏でタイムズカーシェアを8年利用していますが、未だに自宅から一番近いステーションはタイムズカーシェアという状況です。
カーシェアリングサービスの高い利便性を享受するには、自宅から近いカーステーションが存在するということが絶対条件となります。
そうなると、やはりタイムズカーシェアは2020年も利用したいカーシェアリングサービスとなります。
TOYOTA SHARE
トヨタは「自動車メーカーからモビリティカンパニーへ変わる!」という文句とともに、矢継ぎ早に新サービスを提供するトヨタのカーシェアが「TOYOTA SHARE」です。
第1弾としてリリースされたサブスクリプションサービス「KINTO」が不振というニュースも流れていますが、そんなことはトヨタからすれば想定の範囲内で、痛くも痒くもないというところでしょう。
さて、「TOYOTA SHARE」のサービスですが、後発組のカーシェアだけあって非常に優れたサービス内容となっています。
利用料金は、入会金、月額基本料(キャンペーン中)ともに無料、ショート料金(時間料金)がCasualが150円/15分~、Basicが200円/15分と既存のカーシェアリングサービスと比較しても格安料金となっています。
しかも、Basicのほうは現行モデルの新しい車両で、衝突回避支援パッケージ(Toyota Safety Sense)が搭載されています。
TOYOTA SHAREで提供されるクルマの多くはHVでしょうから、日産e-シェアモビ同様に燃料費コストを抑えられますので、料金体系も他のカーシェアリングサービスよりも低く抑えることができそうです。
カーステーションという点では、タイムズカーシェアなどには遠く及びませんが、ステーションが増加するとともにシェアを獲得していきそうなサービスです。
カレコ
後発組ながら、オリックスカーシェアを抜いて業界2位のシェアを獲得したカレコの良さは、常にタイムズカーシェアを意識したサービスが提供され、タイムズカーシェアよりもお得感あるサービスが提供されています。
カーステーション数では遠く及ばないものの、業界トップのタイムズカーシェアを常に意識したサービスは、ユーザーにとっては非常にうれしいサービスとなります。
残念ながら、筆者の自宅近くにはいつまでたってもカレコのステーションができないのですが、仮に自宅近くにステーションが設置されれば会員登録するつもりです。
dカーシェア
こちらも鳴り物入りで登場したモバイル最大手ドコモのカーシェアリングサービス「dカーシェア」です。
dカーシェアは他のカーシェアリングサービスとは異なり、あくまで場を提供するというカーシェアのプラットフォームの役割を提供します。
従って、提供されるサービスは、今のところはオリックスカーシェア、カレコ、カリテコの月額基本料金無料のサービスとなります。
オリックスカーシェアのサービスのみ、dカーシェアで利用すると割高となりますが、たまにしか利用しないというカーシェア初心者の方にはお試し的なサービスとしても利用価値は高いと思われます。
まとめ
2020年は、カーシェアリングサービスにとって、第2ステージの始まりとなるかもしれません。
自動車メーカー系のカーシェアも登場していますし、今後は、EV専用のカーシェア、あるいは超小型EV車のカーシェアなど様々なサービスが登場してきそうです。
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