高齢者による交通事故が多発?
ここ数年でしょうか、テレビや新聞報道では高齢者による交通事故が報道されることが多くなりましたが、事故の原因は高齢者による考えられないようなミスが原因であり、団塊の世代といわれる方々が高齢者となる少子高齢化社会では、高齢者の交通事故問題が社会問題となるというものです。
確かに、高齢者による事故は増えているでしょうし、高齢者の事故ですから原因も煽りとかスピードの出しすぎとか言うものではなく、駐車場での操作ミスなどが目立ちます。もちろん、交通事故を無くしていくためには、高齢者問題は改善の余地の大きな部分であるかもしれません。
ただし、現実には、若者のクルマ離れが顕著であるのに対して、高齢者の運転は減るばかりか増える傾向であり、70代では当たり前、80歳以上でも運転している人も多いと思われます。これは少子高齢化社会では当然のことでもあり、高齢者人口の割合が増えているわけですから、今後も増えることはあっても減ることは当分ないでしょう。
免許の自主返納制度もありますが、何十年も無事故で来ている人に免許を返納せよともいえないでしょうし、事故を減少させる目的だけなら、煽り運転をする連中の免許を取り上げるほうが効果的かもしれません。何より、選挙の際には大票田となる高齢者の免許に口出しするような勇気ある政治家も少ないでしょう。
高齢者の運転に対する警察の対応
70歳以上の方がつけることになっているもみじマーク(高齢者マーク)ですが、このマークは初心者マーク(若葉マーク)同様に、高齢者が運転していますということを周囲のクルマや通行者に知らせるものであり、このマークの効果は非常に大きいものがあると思われています。
ところが、もみじマークの場合には初心者マークとは異なり、道路交通法による表示義務があるわけではなく、あくまで本人による表示の努力義務となっており、表示しなない場合でも何らの罰則対象となるものではありません。つまり、実際には70歳以上でも表示していない人も多いと思われます。
ちなみに、もみじマークの表示対象者とは「70歳以上の方で、高齢によって生じる、反射神経の鈍化、視力や聴力の低下といった身体機能の低下がクルマを運転する際に影響を及ぼす恐れのある人」となっています。
それでは、もみじマークには何らメリットがないのかというとそうでもなく、もみじマークを付けているクルマに危険な幅寄せや割込みした場合には、道路交通法違反となります。高齢者ドライバーとしては、万が一の際には付けていたほうが何かとメリットは多いかもしれません。
高齢者でもカーシェアリングを利用できるのか?
団塊の世代といわれている人たちは、生活習慣から言ってクルマを所有している世帯が多いと思われますが、年齢を重ねるごとに通常はクルマの利用も少なくなってくるでしょう。つまり、クルマを維持すること自体が年々割高状態となっていくことになります。
この年代の方々は、クルマを所有することがステータスという時代を過ごされた世代ですから、そう簡単にはクルマを手放すこともないかもしれません。しかし、そんな世代の方々でも、普通にインターネットを利用できる人であるならばカーシェアリングの優位性や利便性の高さに気が付かないはずもなく、今後は高齢者によるカーシェア利用が増えてくるものと予想されます。
ここで気になるのは、冒頭部分で紹介した高齢者による交通事故多発という問題ですが、カーシェアリング事業者は申し込み条件に年齢制限を設けているのでしょうか?カーシェアリング事業者は高齢者に対しても積極的な姿勢なのでしょうか?
結論から言うと、大手カーシェアリング事業者には年齢制限は存在しません。原則として、運転免許証取得者=運転できる人という認識ですから、高齢者であっても運転免許証を持っている人であれば利用することができます。
大手カーシェア事業者の場合には、初心者ドライバーやペーパードライバーにも積極的にカーシェアの利用を促しているというか、むしろ煽っている感があるほどですから、今後急増することが予想される団塊の世代の方々の加入を拒否する姿勢は微塵も感じられません。
レンタカーの場合はどう?
カーシェアリング業界では、テレビ・新聞報道で事故を多発しているとされる高齢者にも、むしろ積極的に利用してもらいたがっているように見えますが、レンタカー業界はどうでしょう。目先の利益だけ考えても、事故が多発することで結局はマイナスになるとは考えないのでしょうか。
こちらも結論から言うと、大手レンタカー事業者では、申し込みの際の年齢制限は設けられておらず、原則として免許を所有している人であれば利用することができます。レンタカー業界でも、団塊の世代の方々を有望なマーケットと考えているのかもしれません。
モビリティライフの変化は高齢者には有利な時代へ
確かに、様々なメディアが指摘しているように高齢者による交通事故は増えてきていますが、同時にモビリティ産業の高齢者マーケットが拡大してきていることも事実で、クルマ関連の次世代テクノロジーである安全装置や自動運転化などは、いずれも高齢者にとっては非常にありがたいテクノロジーで、完全自動運転化が実現すれば高齢者の交通事故もほぼ無くなることになります。
現在、わが国では東京オリンピックを目指しての自動運転化、そして2025年をめどにした完全自動運転化を官民一体となって推し進めており、団塊の世代といわれている方々が、ちょうど70~80代になったころを目途に次世代モビリティテクノロジーは進められているのです。
もちろん、これは偶然でもなんでもなく、ここに間違いなく巨大なマーケットが待ち構えているからであり、モビリティライフの変化や革新は、間違いなく高齢者には有利な時代を実現させることになるでしょう。
そうやって考えると、テレビニュースや新聞でたびたび話題となる高齢者の交通事故問題も、官民一体なのかと疑いたくもなります。
まとめ
高齢者による交通事故が多発しているという事実がありますが、団塊の世代と呼ばれる方々が高齢化していくわが国では、高齢者ドライバーが急増することが予想されます。
少しでも高齢者による交通事故が少なくなるように、安全運転装置や自動運転化などの次世代テクノロジーが急ピッチで開発されており、モビリティライフの変化は高齢者にとっては有利な時代を実現させ、高齢者の交通事故も激減するのではと期待されます。
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