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アイドリングストップとは
アイドリングストップとは、信号待ちなどでクルマが停止している際に、エンジンのアイドリング(無負荷で最低限の回転)状態を停止させることを言います。
アイドリングの「アイドル」には活動していないという意味があり、ここからアイドリングストップと呼ばれるようになりました。
低燃費というと、ハイブリッド(HV)やプラグインハイブリッド(PHV)、EVなどを思い出しますが、それ以外にも燃費向上に役立つ最新テクノロジーがどんどん登場しており、アイドリングストップも低燃費化に非常に効果が大きいと言われています。
カーシェアリングサービスのクルマなどにも、アイドリングストップが搭載されており、赤信号や渋滞でクルマが停止している際に、一定の条件下で自動的にエンジンが停止する仕組みになっています。
アイドリングストップの歴史
排ガス規制や省エネが叫ばれている時代、クルマの運転の際にもアイドリングストップの励行が勧められました。
当時は、今のように自動的にエンジンが止まる機能はありませんでしたので、停止中に手動でエンジンを止める必要がありました。
その後、自動的にエンジンを止めるアイドリングストップ機能を標準搭載したクルマが登場、今では低燃費車には欠かせない存在となっています。
アイドリングストップ自体は、1970年代にはすでに開発されていましたが、2001年に「グリーン化税制」が施行されて以来、急速に普及することになります。
赤信号や渋滞などで停止する際には、アイドリングストップ機能が一定の条件下で働き、エンジンが自動的に停止するというのはお馴染みの光景となりましたが、近年では、このアイドリングストップ機能が本当に有効なのかという議論も出てきています。
アイドリングストップのメリット
アイドリングストップがもたらすメリット、効果について見てみます。
燃費向上・ガソリンの節約
アイドリングストップの第1のメリットとして言われるのは、赤信号や渋滞で停止中にエンジンも自動的に停止するので、無駄な燃料を節約できるという点です。
一般社団法人省エネルギーセンターによると、仮に、毎日1時間アイドリングストップを実行した場合には、1年間でおよそ3万円前後のガソリン代節約が可能といわれています。
昨今のガソリン価格の高騰で、節約効果はより大きくなっています。
排出ガスの抑制
アイドリングストップの際に排出される排気ガスも抑えることができます。アイドリングで排出される排気ガスが10分間で約70~100g削減することができます。
停止中にエンジン音がしない
自動的にエンジンが切れるので、停止中にエンジン音がしなくなり静かになります。
税金が安くなるケースもあり
環境に配慮したエンジンとなるため、各種自動車の税金が安くなることがあります。
アイドリングストップのデメリット
次に、アイドリングストップのデメリットを見ていきます。
エアコンが停止する
アイドリングストップが作動している間は、エンジンが切れている状態となり、エアコン機能も停止してしまいます。近年の猛暑時には、冷房が切れると不快になりますが、最近ではエンジンがオフとなった際に自動送風に切り替えるクルマもあります。
アイドリングストップが短いと逆に燃費が悪くなる
アイドリングストップのメリットとして、毎日1時間の実行で月間3万円前後の節約効果が期待されますが、一般的なドライバーの場合には、毎日1時間アイドリングストップする人はほぼいないでしょう。
逆に、アイドリングストップの時間が5秒以下の場合には、燃費の消費が節約を上回ってしまうといわれています。
つまり、5秒以下の場合にはアイドリングストップを行わないほうがよいということになります。
タイミングベルトの劣化が激しい
アイドリングストップで燃費向上やガソリン節約効果は期待できますが、こまめに停めることでエンジン始動時の振動がタイミングベルトに伝わり、寿命を縮めてしまうというデメリットもあります。
バッテリーの消耗が早い
近年、アイドリングストップの効果に疑問を呈する人の多くが、この問題を指摘しています。
1日に何度もアイドリングストップを機能させると、その分だけ何度もエンジンを始動するのでバッテリーも大きく消耗します。
そのためアイドリングストップ機能が搭載されたクルマには、高性能大容量のバッテリーを搭載する必要があります。
アイドリング用のバッテリーは、通常のバッテリーよりも1.5倍から2倍ほど効果であり、交換の際にも1万数千円程度がかかります。
アイドリングストップをキャンセルする方法
アイドリングストップのメリット面よりもむしろデメリット面が気になる場合には、アイドリングストップ機能を解除することができます。
アイドリングストップを解除するには以下の2つの方法があります。
アイドリングストップを解除するボタンを押す
こちらは簡単です。アイドリングストップを解除するボタンが運転席にありますので、取説などで調べて解除ボタンを押せば解除できます。
ただし、解除できるのはその時だけで、一度エンジンを切ると再びアイドリングストップが機能するので、その都度解除ボタンを押す必要があり、なかなか面倒です。
都度アイドリング解除ボタンを押すのは面倒という方には、次の方法があります。
アイドリングストップキャンセラーを使用する
アイドリングストップキャンセラーという専用機器を使用することで、エンジンをかけるたびに都度アイドリング解除ボタンを押す必要がなくなります。
やはりアイドリングストップを利用したいという際には、いつでももとに戻すこともできます。
ネット通販などで数千円程度で購入でき、取り付けも30分ほどで可能です。
必要に応じてアイドリングストップ機能を使い分ける
アイドリングストップには、多くのメリットとともにデメリットも共存しています。
メリットだけ享受することができれば理想的なのですが、同時に多くのケースでデメリットも受けることになります。
買い物や旅行でクルマを利用する際には、アイドリングストップ解除ボタンを使って、使い分けるという選択肢もあるのかもしれません。
まとめ
アイドリングストップってメリットばかりだと考えていたら、意外に多くのデメリットもあったのですね。
昔のように、燃費、排ガス等の理由からアイドリングストップを利用するというのは、時代に合わなくなってきているのかもしれません。
もちろん、カーシェアユーザーの場合には、アイドリングストップのことを気にする必要はありません。
アイドリングストップを解除したほうがよいのであれば、カーシェア事業者のほうで解除してくれますので。
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