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ワイドショーのレギュラーテーマとなった「あおり運転」「高齢者による交通事故」
最近のワイドショーでは、芸能人ネタが尽きると幕間つなぎのように自動車関連のネタが流されるようです。自動運転の話題や次世代モビリティサービスのネタなら大歓迎なのですが、視聴率が取れるせいでしょうか、流されるのは、「あおり運転」と「高齢者による交通事故」と相場は決まっているようです。
最近も、新手の「あおり運転」が登場したことが話題となり、連日のように流されていますが、YouTubeでも同様の「あおり運転」行為の動画がこれでもかというくらいに流されています。
確かに、まれに普通でないあおり運転行為をしかけてくるドライバーもいますが、YouTubeで見られるような「あおり運転」を体験した人は一体どのくらいいるのかは疑問です。
チューリッヒ保険による「あおり運転」アンケート調査
チューリッヒ保険会社が2,230人のドライバーに対して実施した「あおり運転」の調査から、面白い状況が見て取れます。
チューリッヒ保険の調査では、実に70.4%もの人が「あおり運転」されたことがあると回答しているのですが、問題なのはその中身です。私たちは、「あおり運転」と聞くとワイドショーやYouTubeの動画で見るようなものを想定していますが、実際はどうなのでしょう。
チューリッヒ保険の調査では、あおり運転を受けたと回答した人は、以下のような「あおり運転」を受けたと回答しています。(回答者400名、複数回答含む)
- 車体を接近させて、もっと早く走るように挑発された(5%)
- 車体を接近させて、幅寄せされた(21%)
- 必要のないハイビームをされた(8%)
- 必要にクラクションを鳴らされた(5%)
- 前方を走るクルマに、不必要な急ブレーキをかけられた(3%)
これらの行為は確かに危険な行為であることは間違いありませんが、これを見る限りは、ワイドショーやYouTubeでみる「あおり運転」とは少しばかり状況が違うようにも思われます。
あおるクルマとあおられるクルマのタイプとは
この調査では、あおるクルマの車種としては、3割がセダンとなっており、それ以外で多いのはバン、トラックなど大きめのクルマが多いとなっています。
また、あおられたクルマは、実は、半数以上が軽自動車となっており、それ以外では、最近人気のコンパクトカー、ハッチバックなどとなっています。
これは非常に面白い結果だと思うのですが、確かに、筆者は以前は大きめのセダンに乗っており、あおられた経験がほとんどなかったのですが、カーシェアやレンタカーでコンパクトカーを運転している際に、あおられたことがあるからです。
軽自動車や小さめのクルマがあおられるケースが多いということは、なるべく反撃されないようなクルマ、反撃されてもリスクの小さなクルマを狙っているということかもしれません。
「あおり運転」を異常なものとして考えると、自分にもリスクがあるのによくこんな危ないことをするな、と思っていましたが、この調査結果を見ると納得できます。一応、リスク回避しているわけですね。
「あおり運転」には狙われにくいクルマがあるようです
メルセデスベンツ、レクサスなどの高級車
特に、ブラックもしくは白色の車体は狙われにくいといわれます。理由は、2つ、まず、自分よりも怖い人が運転している可能性があるということです。そんな人をあおってしまったら大変なことになります。
また、仮にぶつけたりした場合に、損害賠償で多額の費用が発生する可能性がありますので、コスト感覚も働かせているようです。
ワイドショーやYouTubeに登場する「あおり運転」の場合には違うのかもしれませんが、実は大半の「あおり運転」と呼ばれているのは、このレベルである可能性が高いのではないでしょうか。
セダン
メルセデスベンツ、レクサスほどではないにしても、一定の大きさのあるセダンも狙われにくいようです。特に、高速道路でのクラウン、スカイラインなどは狙われません。理由は、自分自身のことを考えるとわかりますが、覆面パトである可能性を考えてしまうからです。
ただし、覆面パトの場合には、2人組(2人体制)であることや制服を着ていることがほとんどですから、違うと判断されると狙われるかもしれません。
スポーツカー
スポーツカーが狙われにくいのは、あおりを仕掛けるクルマよりもスピードが出るクルマが多いからです。スピード出されると追いつけないですし、逆にあおり返される可能性もあります。
ポルシェ、GTRなどはまずあおられないでしょうね。
SUV
車体の大きなSUVも狙われにくいといわれます。やはり、車体が大きいと簡単にはあおりかけられないということでしょうし、大きいということは、運転の際の視界も狭められてしまいますから、リスク感覚が働くのでしょう。
あおり運転に遭遇しないために
もちろん、どんなクルマに乗っていようとも、あおられることはあるでしょう。これは、単純にクルマの車種を変えればよいというものではなく、比較的大きなクルマでも追越し車線を長時間走行すると、あおられる可能性は出てきますし、逆に、軽自動車でも安全運転を心がけていれば、そうそうあおられるわけでもないでしょう。
チューリッヒ保険の調査では、約70%の人があおられた経験があると回答していますが、ワイドショーやYouTubeで紹介されているような「あおり運転」に遭遇した人というアンケートだと、大きく数字は減少するのではないでしょうか。
加えて、追越し車線を長時間走る通行帯などの法令をしっかりと守って走行していれば、「あおり運転」に遭遇する可能性は格段に減少するはずです。
世の中の風潮とは怖いもので、「あおり運転」とはすべて危険極まりない行為であるかのように思われていますが、私たちが経験する「あおり運転」とワイドショーやYouTubeの「あおり運転」は違う種類のものであると考えられます。
ワイドショーやYouTubeの「あおり運転」であれば、すべてのクルマにドラレコを取り付けたほうがよいでしょうが、私たちの経験する「あおり運転」対策には、その前に交通ルールをきちんと理解して実践することで大半は防げそうです。
まとめ
現状のカーシェアリングサービスで提供されている車種の中心は、コンパクトカーですから、軽自動車ほどではないにせよ、「あおり運転」に遭遇する可能性は高くなります。
ただし、コンパクトカーが狙われやすいというのは、マイカーでのお話しでしょうね、短時間利用にメリットがあるということは、その分、カーシェア利用で「あおり運転」に遭遇する可能性は低くなります。
クルマ自体も事故って傷をつけた場合には、個人ではなくカーシェア事業者が相手となりますので、これはあおる側からすると避けたい相手ということになります。
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