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他人ごとでは済まされなハッキング事件
ネットバンクを利用している方は多いと思われますが、毎年、どのくらいの金額がハッキングにより盗難されているかご存知でしょうか?
警察庁の発表によると、実は2019年9月から急増しており、
9月発生件数:441件、被害額:4億800万円
10月発生件数:397件、被害額:5億1900万円
11月発生件数:573件、被害額:7億7600万円
と驚くような金額が盗難被害に遭っています。12月はさらに増えていることが予想され、2019年(令和元年)は過去最大被害額となる可能性があります。
この要因としては、ネットバンクの二段階認証システムが悪用されており、ネットバンクなどが推奨する二段階認証さえ利用しておけばという預金者が被害にあっています。
記憶に新しいコインチェック巨額流出事件
また、記憶に新しいところでは、仮想通貨取引所のコインチェックのNEM流出事件があります。
2018年1月26日に判明したこのハッキング事件では、コインチェックの仮想通貨NEMがハッキング集団により狙われ、何と約580億円もの資産が一瞬のうちに盗まれるという大事件となりました。
この580億円は、すでに完全にマネーロンダリングされた状態で換金されており、完全犯罪が成立しています。
犯人はいまだ不明ですが、北朝鮮説やロシア説など、国家規模の犯罪の可能性が噂されています。
自動運転化時代に予想されるハッキング問題
ハッキング事件というと金融機関が狙われる、多くの人はそう持っているでしょうが、これから狙われやすいのが完全自動運転化時代のモビリティサービスです。
銀行預金も銀行窓口でお金をおろしたり、ATMから物理的に出金している間は良かったのですが、場所を選ばず自宅からでも簡単に利用できるネットバンキングではハッキング事件が発生してしまいます。
カーライフもアナログ的に自分で運転している分には、ハッカーに狙われる心配はないのですが、完全自動運転で自分で運転する必要はなくなりますが、その代わりといっては何ですが、ハッキングされるリスクは多少なりとも発生することになります。
自動運転車がハッキングされるとは
自動運転車がハッキングされるとはどういうことでしょう?
自動運転車は、さまざまな無線通信技術を駆使して、システムが安全に機能することで実現されます。
このシステムは、3次元デジタル地図情報、交通情報、信号情報等の運転に必要な情報に係る通信や、運行管理センターからの遠隔監視のための通信、ECU(※1)の制御プログラムや自動運転ソフトを無線通信によりアップデートするOTA(※2)など、最新のデータやプログラムを無線通信で取得することを前提としています。
クルマ同士が強調しあうための情報、道路の路面や環境に関する情報、目的地の設定などが相互に行きかうことで、より円滑な自動運転社会が実現されます。
ところが、もしこれらの通信に対して、ハッキングにより不正に介入したり、改ざんすることができたとしたらどうでしょう?
少し前の映画で、ニューヨーク州の信号機がすべてハッキングされるというのがありましたが、こんなことが発生したら大渋滞はもちろんのこと、大規模な事故が引き起こされることになります。
※1:ECUとは、エンジンコントロールユニットのことで、エンジンの運転制御を電気的な補助装置を用いて行う際、それらを総合的に制御するマイクロコントローラーのことで、エンジンコンピュータとも呼ばれます。
※2:OTAとは、Over The Airの略で「無線で」「電波で」という英語表現です。信号やデータの伝送を無線通信で行う際によく使われます。
コネクテッドカーの危険性とは
信号機のハッキングなどは、非常に大掛かりなものでもはやテロの世界となりそうですが、私たちの身近なところでは、まず自動運転車にはデフォルトとなるコネクテッドカーの危険性が考えられます。
警察庁によると、2017年の自動車盗難件数(認知件数)は1万213件で、1日28台のペースとなっています。
自動車盗難のピークは2003年の6万4223台で、交通事故同様にそこからは大きく減少傾向が続いており、2017年には6分の1まで減少していることになります。
ところが、この傾向が今後変化するのではと予想する向きもあり、その大きな要因がコネクテッドカーの登場です。
自動運転車時代のコネクテッドカーは、これまで以上にインターネットとつながる部分が増えることになり、自動車盗難についても、これまでのように1台づつピッキングしてという古典的なやり口から、ネットワークを介して1度に複数台を盗むこともできるようになるかもしれません。
次世代のモビリティライフの展望とは
自動運転時代の到来や、カーシェア・サブスクリプションサービスなどのMaaS(サービスとしてのモビリティ)は、今後もより一層私たちの生活を向上させていくことになるでしょう。
5G通信時代の到来は、否が応でも、より大容量の通信によってクルマの可能性は飛躍的に向上することになります。
その時代には、エアバックがついているのかどうか、盗難防止装置はついているのか、などを気にするのと同じような感覚でセキュリテ対策はどうなっているのか、個人情報は大丈夫なのか、ということを当たり前のように気にする時代になりそうです。
あたかも、黒電話の時代には何も気にする必要がなかったのに、飛躍的に向上したスマホ時代にはセキュリテ対策や個人情報を気にするのと同じように。
カーシェアとセキュリテ対策
マイカーを所有するということは、新たなセキュリテ対策などにも対応することが必要になってきます。
自動車メーカーのほうでも十分な対応が施されるでしょうが、すべてお任せというわけにもいかないでしょうし、盗難防止などクルマを所有するということに対する自己責任が発生してきます。
その点、カーシェアなどのMaaSでは、自動車メーカー、さらにカーシェア事業者のセキュリテ対策が施されますので、より安心に、そしてより簡単・便利にカーライフを楽しむことができそうです。
まとめ
自動運転化時代には、これまでのクルマ社会にはそれほど必要なかったセキュリテ対策が必要になってきます。
銀行もATMや窓口利用の際にはセキュリテ対策はほぼ必要ありませんでした。また黒電話時代には必要のなかったセキュリテ対策はスマホ時代には個人情報とともに重要な問題となっています。
同じことが、モビリティライフでもおこってくるのでしょうね。
ただし、これはマイカーとして所有する際には重い負担となりそうですが、クルマを所有しないカーシェアリングサービスなどではそれほどの負担とはならないでしょう。
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