スマホがクルマの鍵の代わりに
この10年で世界で最も広まった商品といえば、スマホ(スマートフォン)と答える人が最も多いでしょう。もう、日本だけではなく世界中どこに行っても人々はスマホを見ています。
もはやスマホなしには、今の生活は成り立たないという人も少なくないかもしれません。すでに、スマホの2台持ち、3台持ちという人も珍しくないくらいです。
これほどまでに、私たちの生活の中に入り込んできているスマホですが、これまた既にモビリティライフの中にも深く入り込んできています。
クルマの中でこの10年で最も広まった商品といえば、まずはカーナビというところでしょうが、すでに、カーナビ代わりにスマホを利用するという人も相当数増えています。スマホだと、地図がいつでも最新のものが使えますし、情報も正確です。
そして、今後期待されているのが、スマホをクルマの鍵代わりとして利用しようというものです。お財布携帯を利用している人は多いでしょうが、差し込み式の自動車の鍵がスマートキーになって、スマートキーがスマホに代わろうとしているわけです。
スマホがカギになれば、もはやクルマの鍵を持ち歩く必要もなくなります。
スマホがモビリティライフのプラットフォームになる
何もスマホを鍵にしなくとも、これまでの差し込み式の鍵やスマートキーでも充分便利ではないか?と考える人もいるかもしれませんが、スマホがモビリティライフのプラットフォームとなることで、すべてのサービスなどをスマホを介して利用することができるようになるのです。
カーナビや鍵としての利用というのは、それらの中の一つにすぎず、スマホという情報端末にアプリ(アプリケーション)を介して、いろんなことができるようになります。
例えば、カーシェアリングサービスで考えてみましょう。すでに、スマートフォンでカーシェアのクルマの解錠ができるサービスを提供しているところも多くありますが、スマホアプリでカーシェアの予約をして、スマホでクルマを解錠し、利用が終わればスマホで施錠します。
また、ナビ代わりとして利用することも可能ですし、運転者以外なら、ドライブ中に動画を見たり音楽を聴くこともできます。もちろん、ネットに繋げることもできます。
つまり、カーシェア事業者のICカードで解錠し、鍵を取り出してエンジンをかける(スマホでエンジンをかける)。ナビを設定する。利用が終われば鍵を戻してICカードで施錠する。これらの作業が、すべてスマホからできるようになります。
言うまでもありませんが、スマホがあれば、カーシェアという選択肢のみならず、アプリからUberも利用できますし、タクシーをすぐに呼ぶことも可能です。
問題となるのはセキュリティ対策
コストをかけずに、これほど便利なサービスが利用できるようになれば、それに越したことはないわけですが、スマホを鍵として利用するということは、言い方を変えると、バーチャルな世界(サーバー)に鍵を保管して、必要な時だけスマホから鍵を取り出すというイメージになります。
今や、ネットバンキングやECサイトでネットショッピングする人も多いでしょうから、基本的な仕組みは簡単に理解できるでしょうが、この手のサービスの場合には必ず問題となるのがセキュリティです。
先日も、米国シカゴでベンツ50台を含むカーシェアのクルマ100台が行方不明になったという事件が発生しており、犯人はスマホを悪用して解錠したと考えられています。
この世界はご承知の通り「いたちごっこ」の世界で、新しいテクノロジーが開発されると、必ずそのテクノロジーを破る犯罪が登場します。つまり、スマホをクルマの鍵にするというテクノロジーも、悪用されるとクルマ盗難犯罪に利用される可能性があるわけです。
そして、ここにセキュリティ対策の決定版として登場したのが、次世代テクノロジー「ブロックチェーン」というわけです。
ブロックチェーンとは
ブロックチェーンとは、謎の日本人「ナカモト・サトシ」のインターネット上の論文から発生した次世代テクノロジーですが、そもそもの発想は、国際送金をもっと早く低料金でというところからスタートしています。
すでに、邦銀をはじめとする世界中の大銀行が仮想通貨リップル(XRP)などの実証実験を開始しており、そう遠くない時代に国際送金は現状のネットバンキング並みに、リアルタイムかつ低料金でできるようになるはずです。
ブロックチェーンというと、仮想通貨(暗号通貨)、投機商品や詐欺というイメージが強いのですが、ブロックチェーンというテクノロジー自体は分散型台帳と呼ばれるもので、改ざんや不正が行われないようにするテクノロジーのことです。
つまり、スマホをクルマの鍵代わりとして利用する際に、このブロックチェーンテクノロジーを採用することで、上記のような車盗難犯罪などを防げるようになるわけです。
商品化も近いブロックチェーンを利用したスマホの鍵利用
2019年5月に開催された「人とくるまのテクノロジー展2019横浜」では、ブロックチェーンを用いたクルマ向けののデジタルキーが展示され評判となりました。
前述のように、クルマの施錠・開錠やエンジン始動といった操作をスマホ端末から行えるサービスはすでに一部の自動車メーカーでは開始されています。スマホがクルマの鍵となるためには、自動車メーカーやサプライヤー、サービスプロバイダーが鍵としての情報を管理するサーバーを持つ必要があります。
この管理する際のセキュリティ対策が、各社の最も悩ましい問題であるわけですが、ここにきて登場した次世代テクノロジー「ブロックチェーン」を利用しることで、この頭の痛い問題から解放される可能性があるということになります。
今回は、スマホをクルマのキーとして利用するというサービスですが、今後大きな成長が期待されるIoT(モノのインターネット)サービスの時代には、様々な分野でセキュリティ対策として次世代テクノロジー「ブロックチェーン」が採用されることになりそうです。
モビリティサービスの世界では、最も早くこのブロックチェーンを利用しそうなのは、おそらくはカーシェアリングサービスやライドシェアサービスとなるのではないでしょうか?
もちろん、自動運転化時代にも重宝されることは間違いないでしょうね。
まとめ
様々なサービスなどのプラットフォームとして期待されるスマートフォンですが、新しいモビリティライフの中では、クルマの鍵となり、カーナビにもなりと多くのことがスマホを介してできるようになりそうです。
最も気になるのはセキュリティ対策ですが、これも次世代テクノロジー「ブロックチェーン」を利用することで、安心して利用できるようになります。
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