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交通死亡事故大幅減少の立役者シートベルト
警察庁によると、令和元年(2019年:平成32年)の交通事故による24時間以内の死者数は、統計開始以来の最少数を更新する3,215人(前年比-317人、-9.0%)となりました。
高度成長期の時代には、当たり前のように毎年1万人を大きく超えるような交通事故による死傷者が出ていましたので、本当に喜ばしい限りです。
この大幅減少の要因には、多くのことが指摘されています。
もちろん、警察をはじめとする関係各位の努力、自動車テクノロジーの向上など多くの要因がありますが、それとともにシートベルト着用の義務化も無視できないでしょう。
シートベルト着用率の上昇は、エアバックやABS(アンチロックブレーキシステム)などとともに交通事故による死亡者数を大きく減少させています。
さて、このシートベルト、運転席と助手席では着用しているケースがほとんどですが、後部座席の場合にはどうでしょう。
2008年の改正道路交通法により、後部座席のシートベルト着用も義務化に
ご承知のように、2008年(平成20年)に道路交通法が改正され。一部の例外を除いて全席でシートベルトの装着が義務付けられました。
これにより、全席でシートベルトを装着していないと「座席ベルト着用義務違反」という交通違反となります。
しかも、違反となるのは、シートベルトを着用しなかった人ではなく、どの座席であろうともその責任は運転手となり、運転手の交通違反となります。
つまり、運転手は、自分の運転するクルマに乗車する人がシートベルトを着用させる責任を有していることになります。
タクシー運転手さんがシートベルトの着用を促さないのは
シートベルト着用が運転手の責任になるというのは、乗用車だけの話ではなく、タクシードライバーの場合にも例外ではありません。
筆者は仕事の関係でタクシーに乗ることも多いのですが、記憶にある限り、タクシーの運転手さんからシートネルとを着用するように促されたことは2~3度くらいです。
しかも、地方に出張に行った際にタクシーで高速道路を走った時を含めてで、夜間にお酒を飲んでタクシーを利用した際にはほとんど促された記憶はありません。
それでは、運転手の責任となるシートベルトの着用を、なぜタクシーの運転手さんは乗客にはっきりと促さないのでしょうか?
罰則が緩いから?
タクシーを利用する場合でも、3人以上で乗る際に助手席にも乗るケースでは、誰もが当たり前のようにタクシーの運転手さんから促されることなく、自らシートベルトを締めるでしょう。
助手席でのシートベルト着用が大切な命を守ることになるということを知っているからということもありますが、助手席でシートベルトを直用していない場合には、ほぼ確実に警察から検挙されてしまいます。
これに対して、後部座席でシートベルトを着用していない場合はどうでしょう?
後部座席シートベルト着用義務違反には次のような罰金・減点が課せられています。
・高速道路での後部座席シートベルト着用義務違反:ドライバーの運転免許証から減点1点、罰金はなし
・一般道路での後部座席シートベルト着用義務違反:ドライバーの運転免許証からの減点はなし、罰金もなし
2008年(平成20年)の後部座席シートベルト着用義務違反に関する道路交通法の改正は、上記のように、主に高速道路での規制がメインとなっており、一般道路では「口頭注意」に留められているのです。
客とのトラブルを避ける理由から
さすがに、高速道路を走る際には、タクシーの運転手さんからシートベルトの着用を促されますが、一般道路を走るだけであれば、最悪のケースでも「口頭注意」ということですから、タクシーの運転手さんからすれば、顧客とのトラブルを避けるためにあえて促していないということでしょう。
とりわけ、夜間に泥酔状態の客を乗せる場合など、過去に酔った客と運転手さんのトラブルが多く発生していることもあり、シートベルトの着用も促さないのでしょう。
もちろん、これがすべてではなく、運転手さんによってはしっかりとシートベルトを締めるように注意喚起されます。
タクシーの運転手さんからシートベルトの着用を促されたら
高速道路では当然ですが、一般道路でタクシーに乗る場合でも、数は少ないでしょうが運転手さんからシートベルトの着用をやんわりとでも促された場合、客の安全をおもんばかっていっているわけですから、有難いという気持ちで素直に従うようにしましょう。
人から何かを指摘されるということは、あまり気持ちの良いものではありませんが、そもそも罰則が緩いとは言っても道路交通法違反であることは間違いありませんし、何より安全面ということでいえば、運転手さんから促される前に自らシートベルトを着用するのが道理といえそうです。
後部座席シートベルトとチャイルドシート
後部座席シートベルト着用義務違反については、道路交通法の第71条の3第1項および第2項(シートベルト)で、「自動車の運転者は、座席ベルトを装着しないで自動車を運転してはならない。自動車の運転者は、座席ベルトを装着しないものを運転者席以外の乗車装置に乗車させて運転してはならない」となっています。
また、道路交通法第71条の3の第3項では、チャイルドシートに関しても記載されています。
「自動車の運転者は、幼児用補助装置を使用しない幼児を乗せて自動車を運転してはならない。」
正直言って、後部座席のシートベルト着用とは違い、こちらのほうはかなり守られているといってよいでしょう。
面倒でも、子供の安全のためとなりますので、ここを省こうとする人はほとんどいません。
カーシェアを利用する場合チャイルドシートは借りられるのか?
タイムズカーシェア、オリックスカーシェア、カレコ、自動車メーカー系カーシェアなど、ほとんどのカーシェアリングサービスでは、トランクなどにジュニアシート(年齢の目安:4歳から10歳)が常備されています。
しかし、チャイルドシートとなると、原則的には、自分で用意して利用するということになります。
ただし、カレコのみ、数は少ないもののチャイルドシートが常備してあるクルマがあるステーションを利用するか、もしくは、事前予約の上で営業時間内に三井のリハウス店舗など関東・関西エリア47店舗で無料貸し出しされていますので、こちらを利用することが可能です。
まとめ
確か、後部座席でもシートベルトの着用が義務付けられているはずなのに、ほとんどの人は着用していないし、タクシーに乗っても何も言われないことのほうが多い、大丈夫なの?
こう思っていた人のほうが多いのかもしれません。
厳密には、自分の安全なのだから、個人の意思にゆだねられているということになっています。
確かに面倒ではありますが、昔は運転席でさえ、シートベルトをしていなかった人のほうが多かったわけですから、安全性という面から意識してシートベルトを着用するようにしたいものです。
短時間利用に大きなメリットのあるカーシェアは、利用料金に自動車保険料まで含まれていますが、自分の安全ははやり自分で守る必要があります。カーシェア利用時には後部座席でもシートベルトを着用するとよいですね。
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