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無断売買事件が教える個人間カーシェアの特徴とは
昨年発生した個人間カーシェアの無断売買事件では、個人間カーシェアのシステムの盲点を突いた犯罪として、ニュースなどでも大きく取り扱われていました。
特に、日本を代表するドコモグループのdカーシェアが狙われたことも、ニュースとしての価値をあげることになったようです。
しかし、この事件、逆のサイドから見てみると面白い事実があることに気づきます。
まず、一般の乗用車ではなく、なぜ個人間カーシェアの車両を狙ったのでしょうか?
犯人の目的は、お金です。
つまり、高く売れる車両を狙っていたのは間違いないでしょう。
個人間カーシェアでは、様々なタイプの車種が提供されていますが、輸入車をはじめとする高級車も多く提供されているのです。
こんな時に利用するとメリットが大きい個人間カーシェア
新しいモビリティサービスとして、カーシェアリングサービスやライドシェアなどとともに期待されていた個人間カーシェアですが、国内市場での伸びはいま一つというところです。
カーシェアの無人対応に比べると、借入時にオーナーと対面方式での有人対応となることも、普及を妨げていると考えられます。
しかし、それでも一定の需要はあるわけで、おそらく、このようなケースで個人間カーシェアを利用すると、他のサービスには戻れなくなるというケースもありそうです。
そんな、個人間カーシェアだからこそ大きいメリットを享受できる利用シーンを見ていきましょう。
輸入車を借りるなら個人間カーシェア
DeNAグループのAnycaでは、毎年人気の個人間カーシェア車種ランキングを発表していますが、例年上位に並んでいるのが高級輸入車です。
特に人気の高いのがBMW3シリーズとなります。
BMW3シリーズを個人間カーシェア、レンタカー、カーシェアで借りた場合で比較してみました。
個人間カーシェア:年式にもよりますが、10年落ちで5,000円前後から、最新型で12,000円前後で借りることが可能です。
レンタカー:オリックスレンタカーの場合、24時間利用で27,500円
カーシェアでは、現在、残念ながらBMW3シリーズは提供されていませんでした。ちなみに、カレコではメルセデスベンツが大量に提供されており、24時間利用で11,000円となります。
カレコでは、メルセデスベンツが100台導入されていますので、ベンツであればカレコという選択肢も出てきそうですが、BMW3シリーズなどとなると個人間カーシェアが非常にお得です。
ポルシェ911を借りるなら個人間カーシェア
BMWやメルセデスベンツであれば、良く見かけますが、ポルシェとなるとそうはいきません。
多くの人が憧れるスポーツカーポルシェ911の場合にはどうでしょう。
もちろん、カーシェアでは提供されていないでしょうから、個人間カーシェアとレンタカーで比較してみました。
個人間カーシェア:Anycaでは、ポルシェ911が合計25台登録されており、東京では7台が利用可能です。
年式もまちまちですが、5年落ち前後のポルシェ911カレラが24時間利用で30,000円前後で借りることができます。
レンタカー:オリックスレンタカーで、年式は不明ですが、恐らくは5年以上前のポルシェ911カレラが提供されています。
24時間借りると75,000円となります。
BMW3シリーズもそうですが、ポルシェとなるとさらに個人間カーシェアのほうがお得感が出てきます。
アルファードを借りるなら個人間カーシェア
Anycaの人気車種ランキングで輸入車の中に混じって上位に位置するのがワンボックスカーです。特に、トヨタのアルファード、ヴェルファイアが人気です。
個人間カーシェアと、トヨタレンタカーで新型アルファードを借りたケースで比較してみました。
人気車種とは言え国産車なので、個人間カーシェアでも東京都内で43台が提供されていました。
個人間カーシェア:トヨタレンタカーに合わせて、2018年以降のアルファードを見たところ、24時間利用で10,000円前後というところです。
10年前後落ちの場合には5,000円前後で借りることができます。
トヨタレンタカー:トヨタのアルファードですから、トヨタレンタカーで調べてみました。
24時間利用の場合で、一般価格31,900円、会員価格で25,960円(ゴールド会員の場合)から28,930円となります。
ワンボックスカーの車種を指定しない場合(アルファード、ヴェルファイア、エステマの中から割り振られる)、2,000円引きとなります。
アルファードの場合でも、個人間カーシェアの割安感が際立っています。
普通に現行型プリウスを24時間借りる場合
ちなみに、普通に燃費重視で現行型プリウスを借りる場合にはどうなるのでしょう?
こちらも、トヨタレンタカーと個人間カーシェアで比較してみました。
個人間カーシェア:意外と現行型プリウスの提供が少なく、第一世代、第二世代のプリウスが中心となっており、こちらは3,000~5,000円ほどで借りられます。
数は少ないものの現行型のプリウスの場合でも、24時間利用で6,000円前後と大変お得な価格設定となっています。
トヨタレンタカー:トヨタレンタカーで現行型プリウスを借りた場合には、24時間までで12,000円となります。
ちなみに、格安レンタカーの場合には24時間利用でも8,000円前後で現行型プリウスを提供しているところもありますが、地域が限定されてしまいます。
輸入車やワンボックスカーを24時間以上利用するなら個人間カーシェア
大手レンタカー会社の資金力をもってすれば、高級輸入車を扱うことはそれほど難しい話ではありません。
しかし、広告用として利用する場合を除けば、収益をあげるためには利用料は高額に設定せざるを得なくなります。
この点、ワンオーナーが貸し出す高級輸入車の場合には、余分なコストが発生しない分、レンタカー会社よりも格安料金で設定することが可能です。
Anycaの人気車種ランキングで、高級輸入車やワンボックスカーが毎年ランキング上位を占めているのは、単純に人気が高いからではなく、レンタカー会社と比較した場合に格安料金で利用できるからでしょうね。
棲み分けが図られているモビリティサービス
普通の買い物で数時間利用したいという時には、短時間利用に最大のメリットがあるカーシェアが良いでしょうし、24時間以上の長時間利用となるとレンタカーのほうがお得感が出てきます。
当初考えられていた、カーシェアリングサービスがレンタカーのシェアを奪うのではという心配は杞憂に終わっており、カーシェア業界もレンタカー業界もどちらも業績は好調です。
さらに、24時間以上利用の場合でも、高級輸入車やワンボックスカーのようにレンタカー会社での利用料金が高額なクルマとなると、個人間カーシェアが有利になってきます。
まとめ
ビジネスモデルとしては非常に面白い個人間カーシェアですが、期待されたほどの伸びは今のところ見せていません。
しかし、高級輸入車やワンボックスカーなど特定の分野では強い商品力があり、今後も伸びていくと予想されます。
現在、急成長したカーシェアとレンタカーのいいとこどりをしたレンタカーのカーシェア化が進んでいます。
今後は、個人間カーシェアと通常のカーシェア、レンタカーの融合したようなサービスが提供されるのかもしれませんね。
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