激変するのか!国内カーシェアリングマーケット
大手3社とは言いながら事実上タイムズカーシェアの1強時代が続く国内カーシェアリングマーケットに、モバイル最大手のドコモ、自動車メーカーのホンダ、日産、そして昨年10月には大本命のトヨタが新規参入しています。
とりわけ世界最大の自動車メーカーであり、国内ナンバー1企業でもあるトヨタの参入により、タイムズカーシェアの1強時代が終焉する可能性もあるのではとささやかれています。
さらに、2020年以降には、EV専用カーシェア、あるいはガソリンスタンド発の超小型EVカーシェアなど新たなサービスも控えています。
まさに、クルマは所有する時代から利用する時代へという変化を感じさせますが、本当にタイムズカーシェアの1強時代は終わりを迎えることになるのでしょうか。
タイムズカーシェアの実力とは
筆者のように長いことカーシェアユーザーをやっていると、カーシェアの車両はすぐに見分けがつきますが、そうでない方にはまず見分けはつかないでしょうし、見分けられたとしてもレンタカーかカーシェアかまでの判断は難しいでしょう。
そんなカーシェアはよくわからないという方でも、首都圏の駅前にある時間貸し駐車場で展開されているカーシェアについては良く見かけることでしょう。
そして、そのカーシェアリングサービスの大半が、黄色い旗のタイムズカーシェアであり、たまに白い旗のカレコ、紺色の旗のオリックスカーシェアを見かけるというところです。
駅前を見るだけでも、タイムズカーシェアがこのマーケットで圧倒的なシェアを持っているということを知ることができますが、実際のところはどうなのでしょうか?
直近の数字でタイムズカーシェアのこのマーケットにおけるおおよそのシェアを見てみました。
すでに絶対的なシェを有しているタイムズカーシェア
まずは、国内カーシェアリングサービスの現状を見てみましょう。
公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団よると、2019年3月末の国内カーシェアリングサービし市場は以下のようになっています。
会員数(ユーザー数):1,626,618人(前年比23.2%増)
ステーション数:17,245か所(15.4%増)
車両台数:34,984台(19.8%増)
この中で、タイムズカーシェアはどのくらいのシェアを獲得しているのでしょうか?
タイムズモビリティネットワークスの決算短信では2019年9月末時点での実績は以下のように報告されています。
会員数(ユーザー数):1,305,324人(前年比11.8%増)
ステーション数:12,643か所(15.6%増)
車両台数:27,096台(18.8%増)
調査時期に6か月のずれがありますので、前年比の半分の増加率を加えて、2019年9月末時点でのタイムズカーシェアのマーケットシェアを出してみたところ、以下のようになりました。
会員数シェア:約72%
ステーション数:約68%
車両台数:約70%
国内カーシェアリングマーケットのシェア70%を有していたタイムズカーシェア
概算ではありますが、それほど大きな誤差もないと考えられますので、タイムズカーシェアのシェアはほぼ70%前後と考えて間違いないでしょう。
このシェア70%という数字はとんでもない数字であり、稀に二ッチ市場で発見されるほどの珍しい数字です。有名なところでは、ハンバーガー市場のマック、あるいは、お茶漬けの素の永谷園など数えるほどしかありません。
もちろん、国内カーシェアリング市場も現時点では二ッチ市場であることに間違いはありませんが、そんな二ッチ市場にモバイル最大手のドコモや世界的な自動車メーカーが参入してきているのです。
シェア70%の優位性とは
一般的には、マーケットシェア40%を超えると安定期に入ったとみられますが、70%(正確には74%)を超えてくると1強時代などと揶揄されるようになり、そのマーケットでは圧倒的な影響力を持つようになります。
まさに、国内カーシェア市場でのタイムズカーシェアのの立ち位置とは、そのような状況であり、それは駅前に設置されているカーステーション数を見ても簡単に理解できます。
つまり、マーケットシェア70%以上を有するようになると、ハンバーガー市場のマックやお茶漬けの素の永谷園などのように、圧倒的な影響力を持つようになり、そう簡単には他の追随を許さなくなります。
そういえば、近年何かと世間を騒がせている仮想通貨(暗号通貨)市場でも、仮想通貨を知らなくてもビットコインは知っているといわれるビットコインのシェアが現在68%となっています。
ただし、この70%(正確には74%)を超えるようになると注意すべき問題も指摘されています。とりわけニット市場の場合には、70%越えのシェアを有する強力な存在がでてくると、市場の成長力が無くなるといわれます。
本来マーケットは競争により正しく成長していきますが、あまりに強すぎる存在があるためにライバルがいなくなると競争社会が成立しなくなり、マーケットそのものが成長せずに衰退していくことになります。
拡大成長が予想される国内カーシェア市場
現在の国内カーシェア市場は実はまだ始まったばかりの二ッチ市場と考えてよいでしょう。
シェア70%を超えるタイムズカーシェアですが、このような二ッチ市場にトヨタや日産、ホンダ、さらにドコモと日本を代表するような大企業が参入してきており、国内カーシェア市場は、強すぎるタイムズカーシェアがいるために衰退するのではなく、今後はますます競争が激化して拡大性成長していくものと思われます。
国内カーシェア市場の伸び率のほうがタイムズカーシェアの伸び率より高くなっているように、おそらくは、現時点での国内カーシェア市場は、タイムズカーシェアの独占の状態が緩和しつつあり、第2段目の成長期に入ろうとしているのではと予想されます。
現状でさえ非常に利便性の高いサービスが提供されていますが、今後はTOYOTA SHAREのようなサービスや日産e-シェアモビのようなサービス、さらには海外で展開されているEV専用カーシェア、超小型EVカーシェアなど魅力的なサービスが目白押しという状況です。
国内カーシェア市場の今後は、タイムズカーシェアのシェア自体は徐々に低下していくでしょうが、市場規模が拡大していくことになり、売り上げ規模は大きくなっていくことになるのでしょう。
まとめ
未だ国内のカーシェア市場は二ッチ市場といってよいでしょうが、とは言え、タイムズカーシェアは70%前後のシェアを有しており、他社の追随を許さない確固とした地位を築き上げています。
そんなタイムズカーシェア1強時代も、2020年以降は変化してくると思われます。ドコモや大手自動車メーカなどの新規参入により、カーシェア市場が拡大成長していくことが予想され、タイムズカーシェアのシェアは低下するものの、売上自体は大きくなっていくというようになるのではないでしょうか?
私たちユーザーにとっては、本当に楽しみな時代になってきそうですね!
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