パーク24グループのモビリティサービス
パーク24は、株式会社ニシカワ商会の駐車場の保守および運営管理部門を独立分離させ、1985年東京都品川区西五反田に創業されました。1985年といえば、バブル時代の真っただ中というところで、首都圏では地上げが社会問題となりましたが、この影響から首都圏のあちこちに狭いスペースの空き地が誕生することになり、ここを有効利用する時間貸し駐車場が大人気となります。
今では、時間貸しのタイムズ駐車場といえば、知らない人はほとんどいないでしょうが、いわゆる首都圏などの駅前の狭いスペースが時間貸し駐車場として利用されるようになったのはこの30年ほどの話で、つまり、パーク24グループはおよそ30年でモビリティサービスの大企業となるに至っているのです。
時間貸し駐車場で大成功を収めたパーク24の次なるモビリティサービスこそが、カーシェアリングサービスであり、さらにレンタカービジネスでした。
今や、時間貸し駐車場とカーシェア部門では敵なしという状況ですが、ここにきて自動車産業が100年に1度の大変革期と呼ばれる時代を迎えており、時間貸し駐車場とカーシェア部門で大成功を収めたパーク24も、さらに新しいサービスを開発する必要性に迫られています。
そして、まずタイムズグループから、来るべき次世代型のモビリティサービスの一手として登場したのがタイムズカーというサービスです。
タイムズカーシェア、タイムズカーレンタル、タイムズカーについてそれぞれ見ていきましょう。
タイムズカープラスからタイムズカーシェアへの変更
2019年5月、タイムズカープラスとして大成功を収めたカーシェアリングサービスは、タイムズカーシェアへと名称変更されます。これは、来るべき次世代型のモビリティサービスへの並々ならむ意気込みを感じさせるものですが、もともとタイムズカーシェアとして覚えていた人も多そうですので、これは違和感なく受け入れられるでしょう。
タイムズカーシェアのスタートアップは、実は、2005年2月に自動車メーカーマツダの子会社マツダレンタカーが広島で始めたカーシェアサービスです。2009年時間貸し駐車場で大成功を収めたパーク24が、カーシェアリング参入を目的にマツダレンタカーを子会社化して、現在のタイムズカーシェアが始まります。
カーシェアリングサービスとしては「ステーション型」である日本型のカーシェアは、時間貸し駐車場をカーステーションとすることで大成長を遂げますが、これは言い換えれば、タイムズカーシェアの大成長そのもので、圧倒的なシェアを持つタイムズ駐車場をカーステーションとすることで、タイムズカーシェアは国内カーシェア市場においても圧倒的なシェアを獲得します。
現在、事業者の提供する「ステーション型」カーシェアリングサービスでは、タイムズカーシェア、オリックスカーシェア、カレコが大手3社と言われることもありますが、実情としては、タイムズカーシェアの独壇場というところです。
15分から利用できるタイムズカーシェアは、すでにカーステーション1万ヵ所・提供車両2万台を大きく超えています。
タイムズカーレンタル
タイムズカーレンタルは、パーク24グループのレンタカー会社で、前述のように前身はマツダレンタカーです。タイムズカーレンタルというとマツダ車が多いというイメージがありますが、未だにその傾向はみられるようです。
パーク24グループとしては、単純にレンタカー会社であれば傘下に入れる必要があったのかどうかは微妙なところでしょうが、例えカーシェア目的での買収であったとしても、現状、短時間利用にメリットのあるカーシェアリングサービスと、長時間利用が得意なレンタカーではしっかりとした棲み分けはできているようです。
しかし、カーシェアリングサービスのあまりの利便性の高さは、レンタカーにも応用できないのかというニーズも出てきています。例えば、カーシェアでは無人対応でカードで開錠(施錠)を行い、クルマを利用できます。ところが、レンタカーは旧態依然とした対応のままで、有人対応の上にクルマのチェックなど、カーシェアリングサービスと比較すると、利便性という面では大きく遅れているのが実情です。
もちろん、カーシェアがここ数年で急成長したという事情もありますが、レンタカー会社にも変化が求められており、カーシェア化したより利便性の高いレンタカーサービスが求められるようになっており、大手レンタカー会社であるニッポンレンタカーでは、カーシェア化したレンタカーサービスを提供するようになっています。
タイムズカー
パーク24グループでは、カーシェアはタイムズカーシェア、レンタカーはタイムズカーレンタル、となりますが、ここに及んでよりカーシェア化した利便性の高いレンタカーサービスへの需要の高まりを受けて登場したのが、タイムズカーです。
タイムズカーとは、一言で言うと、カーシェアリングサービスとレンタカーサービスのいいとこどりをしたようなサービスです。
タイムズカーは、最短15分から複数日数まで利用可能で、チャイルドサービスや洗車等のオプションサービスも用意され、車種はレンタカー並みで予約は1か月前から可能となっています。
すでに本年1月より、東京都千代田区のイトシアタイムズカーステーションおよびタイムズ東京ガーデンテラス紀尾井にてトライアルサービスがスタートされており、2019年10月には1万台規模でのサービス提供が予定されています。
タイムズカーは、新しい形態のモビリティサービスとなる可能性があり、その場合には、現状のタイムズカーシェアのサービスが、タイムズカーへと移行してくるのかもしれません。
サービス比較
タイムズカー、タイムズカーシェア、タイムズカーレンタル3つのサービスを比較してみます。
タイムズカー | タイムズカーシェア | タイムズカーレンタル | |
利用可能時間 | 15分間~30日間 | 15分間~72時間 | 6時間~30日間 |
車両クラス数 | 3 | 3(※1) | 44 |
予約開始 | 30日前 | 2週間前 | 6か月前 |
出発手続き | 無人(一部有人) | 無人(一部有人) | 有人(一部無人) |
営業時間 | 24時間 | 24時間 | 店舗営業時間 |
オプションサービス | 有り | 無し | 有り |
ワンウェイ(乗り捨て) | 一部可(※2) | 不可 | 可 |
※1 10月1日から3クラスに増えます
※2 一部の空港と指定ステーション間
レンタカー大手のニッポンレンタカーも「セルフレンタカーサービス」という、カーシェア化されたレンタカーサービスに切り替えようとしていますが、今後この動きはますます強まっていくようです。
まとめ
クルマといえば、マイカーもしくはレンタカーというものでしたが、新しいモビリティサービスでは、マイカーは減少し、カーシェアとレンタカーの融合型のサービス、トヨタ「KINTO」などのサブスクリプションサービス、ライドシェアサービスなどが伸びてきそうです。
最後に、パーク24グループのモビリティサービスをまとめておきます。
パーク24グループのタイムズモビリティネットワークス株式会社が提供するサービスとして、タイムズカー・タイムズカーシェア・タイムズカーレンタルの3つがあります。
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