個人間カーシェアの2020年市場動向
2015年にDeNAグループのAnyca、2017年にはドコモグループのdカーシェアがスタートした個人間カーシェアとは、タイムズカーシェアなどが提供する通常の事業主が貸出サービスを提供するBtoCのカーシェアではなく、貸したい個人と借りたい個人を繋ぐプラットフォームとしての役割となるCtoCのサービスとなります。
そんなCtoC大手企業の市場参入により、既存のカーシェア同様に日本でも急成長するかと期待されました。現状では、期待されたほどの伸びは見せていないものの、一部のユーザーには人気のサービスというところです。
一部のユーザーに人気というのは、車種によって大きな違いがあるということで、コンパクトカーが中心となっているBtoCカーシェアに対して、CtoCカーシェアでは、ミニバンや高級輸入車が人気となっており、その傾向は2020年もますます強まるものと思われます。
2020年、猛威を振るう新型コロナウィルス感染の影響による外出自粛の影響もあり、CtoCカーシェアも一定の影響は受けていたでしょうが、コロナ鎮静化後には再び特徴のあるカーシェアとして成長するものと思われます。
2019年Anycaの人気車種ランキング
DeNAグループとSONPOホールディングスの合弁会社DeNA SONPO Mobilityが提供するAnycaは、2019年Anyca内での人気車種ランキングを公開しました。
人気車種ランキングは、東京23区内を主要な受け渡し場所としたクルマを車種別に2019年1月1日から12月31日までのシェア回数で集計されたものです。(同一車種で複数台のクルマのシェア回数は合算)
それでは早速ランキングを見てみましょう。
2019年、東京都内で貸出されたAnycaの人気車種ランキングで第1位となったのは、昨年3位であったトヨタのアルファードです。
日本の自動車市場では大人気となっているアルファードですから、意外という感じはないのですが、それにしても少子高齢化が進み、とりわけ核家族化が進んでいる都心部でミニバンが第1位というのも面白い傾向とみることもできそうです。
シェア回数は713回となっており、決して少ない数字ではなさそうです。
コンパクトカー中心のBtoCカーシェアでは、ミニバンはそれほど多くは提供されていませんし、レンタカーで借りると高額料金が発生することから、比較的廉価な個人間カーシェアに需要が集中している可能性もありそうです。
事実、トップ10にアルファード以外にも、5位にセレナ、10位にヴェルファイアが入っていることから、個人間カーシェアでのミニバン人気は確実であると考えてもよいでしょう。
第2位となったのは、2年連続でポルシェのカイエンです。
もはや個人間カーシェアというとポルシェのカイエンというイメージもあるくらいの安定の人気車種です。
個人間カーシェアといえば高級輸入車と呼ばれるのは、一般人ではなかなか購入は難しい高額なクルマに格安料金で利用できるというところにありますが、その象徴となっているのがポルシェのカイエンでしょう。
第3位は昨年1位のBMW3シリーズです。
こちらも安定の人気車種となりますが、昨年、BMW3シリーズはマイナーモデルチェンジで高速道路での手放し運転可能なタイプが登場しており、このタイプが個人間カーシェアに登場してくると再び人気化することは間違いなさそうです。
1~3位については、昨年の順位が逆になったというだけで、個人間カーシェアでの上位3車種の人気の高さがうかがえますが、2019年の特徴として、この人気上位3車種の牙城にせまる勢いのクルマが新たに登場しています。
ランキング急上昇のテスラのモデルS
Anycaの人気車種ランキングの特徴として、昨年同様にミニバン、高級輸入車にプリウスというレギュラーメンバーの中に割って入ってきたのが、いよいよ日本にも上陸したテスラのモデル3です。
同じEVでも国産のリーフであれば、提供している事業者も多くありますが、テスラのモデル3となると数が少なく高額利用料金が必要となりますので、個人間カーシェアで人気化したのも頷けます。
Anycaによると、2019年のテスラのモデル3シェア回数は582回と上位3車に肉薄するシェア回数となっており、さらに、オーナーにとって重要となる24時間あたりのシェア利用料金は平均10,600円、月間平均受取金額が71,000円と人気上位3車種を大きく上回っています。
つまり、2019年に限って言えば、テスラのモデル3オーナーは個人間カーシェアを利用することで、その高額な維持費の大きな部分を賄えたことになります。
収益性からみた個人間カーシェア
CtoCの個人間カーシェアでは、利用するユーザーばかりではなく、クルマを提供するオーナーの収益性も重要となります。
言い方を変えると、個人間カーシェアを前提でクルマを購入する場合には、少しでも収益性の高い車種を購入するほうがよい結果が出ています。
特質すべきは、前述のテスラモデル3です。テスラモデル3は国内販売価格は500万円台~となりますので、月額平均受取金額が5万円以上というのは魅力的です。
もちろん、他車種と比べて価格が高い理由には中古車が出回っていないということもありますが、新車で購入しても十分に魅力的な収益力です。
例えば、金利2.55%で500万円を6年ローンで借りた場合の毎月の返済額は約75,000円となりますが、仮に毎月の純収益が50,000円以上であれば、25,000円前後の毎月支払い費用でテスラモデル3のオーナーとなることができることになります。
もちろん、税金やバッテリー問題、外車ならではの維持コストの問題はありますが、今後デフォルトとなるEVの人気車種であるテスラモデル3であれば、2~3年で売却してもそこそこ高値で売れそうですし、リスクはそれほど高くはないと思われます。
同じことは、アルファード、ポルシェカイエン、BMW3シリーズについても言えますが、車種の希少性を考えると今のタイミングではテスラモデル3でが最も魅力の高い車種といえそうです。
個人間カーシェアについてまとめ
2019年の個人間カーシェアAnycaの人気車種ランキングが公開されました。
アルファード、ポルシェカイエン、BMW3シリーズの3強は今年も順当にトップ3を形成しましたが、2019年の大きな特徴として、昨年17位のテスラモデル3が4位となり上位3車種に肉薄しています。
Anycaでは、この人気車種ランキングなども参考にした0円カーシェアも登場しており、今後もますますカーシェアの多様化が進んでいきそうです。
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