気象予報士とは違う渋滞予報士とは
「渋滞予報士」と聞くと、テレビニュースでお馴染みの「気象予報士」と同じく国家資格なの?と考えてしまいますが、渋滞予報士とはNEXCO東日本社内の愛称のことで、渋滞発生の予測を専門とする担当官のことです。
ということで、渋滞予報士とはNEXCO東日本の社員さんのことですが、最近女性初の渋滞予報士が誕生したことで話題になったりしています。
渋滞予報士の4つの役割
さて、NEXCO東日本の担当官である渋滞予報士さんですが、実は高速道路を走行する際には大変お世話になることになるのです。
渋滞予報士には主に4つの役割があります。
渋滞の予測
渋滞予報士は、過去3年程度に発生した渋滞データから、渋滞が発生する時間帯や長さについて予測を行っています。
渋滞が発生する要因としては、例えば、地域の地形などによる自然渋滞、道路工事や交通事故によって引き起こされるもの、新規路線開通により発生するもの、特定の場所でイベントが行われる場合や料金割引制度により発生するなど様々です。
このような様々な要因を、過去3年ほどの渋滞データと合わせて検討し、高速道路を渋滞せずに走行できるクルマの台数と比較することで、渋滞予測を行います。
交通量の統計の作成
高速道路には、交通量の計測装置である「トラフィックカウンター」が埋め込まれています。
このトラフィックカウンターから計測される交通量のデータを分析することも渋滞予報士の役割です。
路線や区間、時間帯などをもとに分析を行ったデータは渋滞予測に活用されたり、道路工事の通行規制の時間帯を決める際にも考慮されます。
渋滞予測情報の公開
渋滞予報士の行った渋滞予測は、Webで見れるNEXCO東日本の「渋滞予報カレンダー」や無料の小冊子「渋滞予報ガイド」に反映され、ドライバーへの情報として提供されます。
特に、無料の「渋滞予報ガイド」は渋滞が予想されるゴールデンウィーク、お盆・正月などの1か月前から各サービスエリアで配布されます。
ドライバーに対するサポート
このように渋滞予測は様々な機会を設定し、ドライバーへフィードバックされています。
これにより混雑のピークを避けて高速道路を利用してもらうように促し、それぞれのドライバーが快適に高速道路を走行できるようにしっかりとサポートします。
渋滞が発生するメカニズムとは
渋滞というと、交通事故や道路工事を思い浮かべる人も多いでしょうが、実は渋滞の約8割は交通の集中することによる、いわゆる自然渋滞が原因であり、さらに自然渋滞の中でも7割前後が上り坂や「サグ」と呼ばれるポイントで発生しています。
「サグ」とは、英語で「たるみ」や「たわみ」という意味で下り坂から上り坂に差し掛かる場所のことを指します。
渋滞の先頭となりやすい「サグ」では、下り坂から登り坂に変わったことにきずかずに、無意識のうちに速度(スピード)が低下してしまっていることが多くあります。
速度が低下してしまっているために、後続車は車間距離を保とうとしてブレーキを踏みます。
これが次々と後続車に連鎖していくことで渋滞が発生すると考えられます。
「サグ」以外でも合流部分やトンネルなどで渋滞は発生しやすくなりますが、こちらも先頭車両の速度低下による後続車のブレーキの連鎖が要因と考えられます。
高速道路では、このような変化に気づかずに速度が落ちてしまうことがよくあり、安全運転しているつもりが逆に渋滞の原因になっているケースがあります。
渋滞予報士が教える渋滞回避法
渋滞の大部分を占める自然渋滞の要因は、速度低下の連鎖によって引き起こされていることになりますが、それでは、うまく渋滞を回避する方法はあるのでしょうか?
連休などあらかじめ渋滞が予想されるような際には、多くのドライバーが渋滞予測を調べるでしょうが、渋滞予測は毎日公開されていますので、できるだけこまめにチェックしたいものです。
NEXCO東日本の場合には、公式サイトの「ドラぷら」やスマホアプリの「ドラぷらあぷり」でいつでも調べることができます。
運転中であっても、同乗者がいる場合にはすぐにスマホでチェックしてもらうこともできます。
また、NEXCO東日本の提唱する渋滞回避法には下記のようなポイントがあります。
無意識な速度低下に注意すること
よく高速道路などでは流れに乗って走行することが安全運転に繋がるといわれますが、このことは無意識に速度低下することなく、渋滞を回避する方法にもなります。
安全な車間距離を保つこと
高速道路で安全な車間距離を取っていると割り込みされやすくなりますが、車間距離はクッションの役割を果たしますので後続車へのブレーキが伝わるのを防ぐことにもなります。
むやみな車線変更は控える
上記の割り込みをするクルマがあると後続車にブレーキの連鎖が起こる場合があります。
むやみな車線変更はなるべく控えて、後続車のブレーキの連鎖の要因とならないようにしなければなりません。
キープレフト
渋滞の多くは追越し車線から発生するといわれています。無理な追越しをせずにキープレフトで走行車線をスムーズに走るほうが渋滞になりにくくなります。
すみやかな速度回復を心がける
渋滞の終わりが近づいてきたら、速度を回復させる準備をすることが重要です。渋滞を長引かせないためには、ドライバーひとりひとりの意識が大切です。
カーシェアで高速道路を利用する人が増えている
短時間利用さに最大のメリットのあるカーシェアリングサービスですが、最近では、高速道路を走行する人も少なくはありません。
筆者もその一人ですが、高速道路を走行する場合には余裕を持って、渋滞予測情報をあらかじめチェックし、渋滞回避法を守って快適なドライブを楽しみたいものです。
とりわけ、カーシェアユーザーの中にはたまにしか運転しないというユーザーも多いですから、キープレフトで十分な車間距離を取って走行しましょう。
まとめ
新型コロナウイルス騒動で、今年のゴールデンウィークはどうなるものやら心配されますが、自粛がうまくいかなかった場合には従来通りの大渋滞が予測されます。
この数日は、都心部でもびっくりするほどクルマの通行量が減っているように思われます。特に、夜のタクシーが大幅に減少しているように感じます。
いずれにせよ、カーシェアやレンタカーを利用してドライブする際にも渋滞予報士の渋滞予測や渋滞回避法を利用したいものです。
そんなカーシェアリングを、あなたのお近くのカーステーションを探したり、レンタカーや他のカーシェアリング会社との料金比較ができる『カーシェアリング・レンタカー比較のDRIVE go SEARCH』で探してみることをおすすめします!