2019年は国内カーシェアの転換点になる可能性が
2019年という年は、平成から令和にかわるというに日本という国にとっては、大きな転換点になった年といえます。
そして、この転換点とは国内のカーシェアリング市場にとっても当てはまる可能性があります。
大手3社時代の終焉か
国内のカーシェア市場とは、タイムズカーシェア、カレコ、オリックスカーシェアの大手3社のほぼ寡占状態ともいえ、もっと言えば、タイムズ駐車場という強力な武器を持っていたタイムズカーシェアの1強多弱時代であったといえるのかもしれません。
国内カーシェアリングサービスがこの数年で急成長した要因とは、時間貸し駐車場というキラーコンテンツがあったことが大きな要因と考えられ、それはすなわち、時間貸し駐車場最大手のタイムズグループにとって非常に優位な状況でした。
もちろん、このチャンスを見事に活かしたタイムズグループの大勝利といえるわけですが、この状況は当面は継続するだろうと考えられていましたし、事実、現時点ではタイムズカーシェアを脅かすようなサービスは提供されていません。
しかし、遂にあの巨人が動き出しました。
トヨタシェアの誕生
タイムズカーシェアの1強時代は、まだまだ続くとの見方もあるでしょうが、2019年には日本最大の企業であるトヨタが満を持してカーシェアリングサービス市場に参入してきました。
これは、まさにタイムズカーシェア、カレコ、オリックスカーシェアなど既存の事業者にとっては、まさに「令和の黒船来襲」というところでしょう!
すでに、自動車メーカーとしては、ホンダの「EveryGo」や日産の「e-シェアモビ」がカーシェア市場に参入していますが、自動車メーカーからモビリティカンパニーへの転身を宣言したトヨタの参入により、国内カーシェア市場は大きな変革期を迎えた可能性が出てきています。
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自動車メーカーのカーシェアリングサービスとは
自動車メーカーといえば、以前は販売のトヨタ、技術の日産などと言われたように、自動車の製造・販売がその主な業務でした。
ところが、次世代型のモビリティライフでは、「クルマは所有するものから、利用して楽しむ時代」へ移行するものとなり、自動車メーカーは100年に1度の大変革期を迎えているといわれています。
このことは、自動車メーカーの販売の部分を、これまでのディラー依存型からサービス型に変化させていく必要性があります。そのサービス型の一つとして期待されるのがカーシェアリングサービスとなります。
もちろん、国内カーシェアリング市場は、カーステーションとセットで考えていかなければなりませんので、さすがにトヨタといえどもそう簡単に多くのシェアを獲得することはできないでしょう。
しかしながら、ひょっとすると数年後には、国内カーシェア市場にトヨタの超小型EVが走りまくっているという状況があるかもしれませんし、あるいは、日産のリーフがカーシェア専用車となっていたりするかもしれません。
まだ、その全貌をあらわしているわけではありませんが、とりあえずという状況で出そろった自動車メーカー大手3社のカーシェアリングサービスというところです。
自動車メーカー3社のカーシェアリングサービス比較
タイムズカーシェア、カレコの2社は、グループ企業に時間貸し駐車場を所有するステーション型の強いカーシェアといえ、同じくオリックスカーシェアも時間貸し駐車場はないものの、ステーション型の事業を進めています。
この3社以外で目立つところとしては、ドコモのdカーシェアがあり、こちらはサービスとしてはオリックスカーシェア・カレコなどを利用するプラットフォーム型のカーシェア事業者となります。
ここに、新たに自動車メーカーのカーシェアサービスが参入することになります。各社の特徴やサービス内容を比較してみましょう。
ホンダのEveryGo
国内自動車メーカーとしては、最初にカーシェア市場に参入しているのはホンダです。
提供されている車両は、軽自動車/福祉車両、コンパクトカー、ミニバン/SUV、セダン/CRV/スポーツの4種類に分かれています。
利用料金は、他車とは異なる独自体系となっていますが、コンパクトカーの場合で説明します。
基本料金は、平日利用の場合で200円/15分+距離料金17円/1kmとなります。
15分利用なら200円+距離料金、1時間利用なら800円+距離料金となり、5時間までは4,000円+距離料金となります。5時間を超えると8時間までは4,780円+距離料金となり、8時間を超えて16時間までは5,780円+距離料金となり、16時間以降は15分/75円となります。
また、パック料金としては、ナイトパック(21:00~翌7:00)が1,500円+距離料金で利用可能です。
日産e-シェアモビ
現時点では、国内カーシェア事業者としてカーステーション以外の分野では、最高のサービスを提供しているのではと思われるのが日産のe-シェアモビです。
その理由としては、タイムズカーシェアがタイムズ駐車場という強力な武器を持っているように、日産にはEVリーフというカーシェアリングサービスに適した武器があります。
e-シェアモビ最大の特徴は、提供されている車両が、EVリーフとe-powerシリーズに限定されているということです。これにより、燃料コストを大きく抑えることができますので、国内では唯一距離料金の発生しないサービスを展開しており、消費増税後にも唯一値上していないカーシェア事業者です。
EVを利用したいという人には一押しのカーシェア事業者となります。
利用料金は、タイムズカーシェア発足時を思い出させるような魅力的な体系になっています。
料金/プラン | ベーシックプラン | 月額無料プラン |
時間料金 | 時間料金 | |
コンパクト(リーフ/ノート) | コンパクト(リーフ/ノート) | |
月額基本料金 | 1,000円 | 0円 |
距離料金 | なし | なし |
ショート利用 | 200円/15分 | 200円/15分 |
6時間パック | 3,500円 | 4,100円 |
12時間パック | 7,000円 | 7,600円 |
24時間パック | 9,000円 | 9,600円 |
アーリーナイトパック (18時から24時) | 2,000円 | 2,600円 |
レイトナイトパック (24時から翌6時) | 2,400円 | 3,000円 |
ダブルナイトパック (18時から翌6時) | 3,200円 | 3,800円 |
ビジネスライトパック (17時から翌10時) | 3,700円 | 4,300円 |
トヨタシェア
2019年10月から本格的にサービスが開始さ得れたのがトヨタシェアです。
2018年12月に、トヨタは自動車メーカーからモビリティカンパニーへと変化すると宣言していますが、サブスクリプションサービスに次ぐ、カーシェアリングサービスのリリースです。
トヨタシェアは、自動車メーカらしい特徴があるというよりは、完全に既存の大手3社(タイムズカーシェア、カレコ、オリックスカーシェア)を意識したサービス内容となっており、トヨタの本気度が窺えます。
トヨタシェアを利用するためには、同社が開発したアプリをダウンロードする必要があります。
提供される車両は、コンパクトクラス、スタンダードクラス、ミドルクラスの3つに分かれており、利用料金も既存の大手3社より大分お安くなっています。
コンパクトクラスの基本料金
Casual | Basic | |
ショート料金 | 150円/15分 | 200円.15分 |
6時間パック | 3,080円 | 3,800円 |
12時間パック | 4,270円 | 5,300円 |
24時間パック | 5,511円 | 6,800円 |
距離料金 | 11円/1km |
Basicとは、現行モデルの新しい車両に、衝突回避支援パッケージ(Toyota Safety Sense)が搭載されたクルマとなります。(一部車両を除く)
まとめ
2019年10月に、トヨタシェアが本格的にサービスを開始したことで、大手自動車メーカー3社がすべてカーシェア市場に参入したことになりました。
3社のサービスを比較してみたところ、3社ともサービス内容が大きく異なっており、横並びというよりは独自の路線を出していくようなサービス内容となっています。
カーシェアユーザーとしては、今後はますます選択肢が増えることになり、大変楽しみな展開となってきました。
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