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マンション地下駐車場に置いていたクルマが水没した
台風15号、19号は、日本列島に甚大な被害を及ぼすことになり、あらためて自然災害の恐ろしさを知るとともに、事前の対策が重要であることを思い知らされました。
今回、今までとは少し違っていたと感じたことに、特に台風19号前のときですが、気象庁から今回の台風は史上最大規模のものであり、事前に十分な対策を取るようにと、テレビなどを通して何度も警鐘が鳴らされていました。
地下駐車場のあるマンションでは、今回の台風の前には、地下駐車場が浸水する恐れがあるため、事前にクルマを安全な場所に移動することを勧めたところも多いと聞きます。
まさか、と思っていた方も多いでしょうが、武蔵小杉のタワーマンションの例を見ても、地下駐車場が浸水して水没したクルマも少なくなかったようです。
今回のケースでは、果たして自動車保険は適用されるのでしょうか?
東日本大震災では自動車保険は適用外だった
2011年3月の東日本大震災時には、500年に1度といわれる大地震により、多くのクルマが被害に遭うことになりましたが、地震による被害であるということから、通常の自動車保険が適用されることはありませんでした。
東日本大震災時のクルマの被害の特徴としては、地震そのものの被害もありますが、多くは地震後に発生した津波によってクルマが流され水没してしまったりしました。
テレビやネット動画を通して、クルマが津波に流される映像を見た人も多いでしょう。大規模なクルマの被害でしたが、車両保険では原則として補償を受けることはできませんでした。
自動車保険の場合には、地震を原因とした津波による被害は、補償の対象外となってしまうからです。
同じ自然災害でも台風では車両保険が補償される
結論から言うと、今回の台風15号、19号により被害に遭ったクルマには自動車保険(車両保険)が適用されます。
これは、一般車両保険(自損事故にも適用されるオールリスクタイプ)はもちろん、エコノミータイプの保険(クルマと車の事故などリスク限定型)であっても基本的に保険金が支払われます。
同じ自然災害でも、地震や噴火は自動車保険の適用外となりますが、台風には適用されるのです。台風が原因となる災害にはどのようなものがあるのでしょうか?
・マンションの地下駐車場や機械式駐車場が浸水し、クルマが水没した
・一般の駐車場に置いてあったクルマが冠水・水没した
・冠水した道路にきずかず進入し水没
・強い横風にあおられてクルマが横転した
・土砂崩れでクルマが飲み込まれた
・強風で屋根瓦などが飛んできてクルマに傷がついた
・暴風でカーポートが倒壊してクルマが傷ついた(カーポートは補償適用外です。この場合、火災保険に加入していれば保険が適用されます)
このように、台風による損害は、車両保険さえつけていれば一般車両保険でもエコノミータイプでもほぼカバーされることになります。
ただし、その傷が本当に台風による損害なのかどうなのかは、保険会社から結構厳しく調べられます。
台風による車両保険の適用で等級はどうなるの?
一般的なドライバーに責任がある場合に車両保険を利用すると、翌年の投球は3等級ダウンすることになります。それでは、今回のような自然災害(台風)により車両保険を適用して場合には翌年の等級はどうなるのでしょう。
自然災害による自動車保険の適用は、「不可抗力」によるものとみなされ、従って一般的な事故の場合とは異なる対応がなされます。このケースでは、翌年の等級が1等級ダウンするだけとなります。翌年は「事故あり係数期間」となり、その年の保険料が少し高割増価格となります。
気を付けたいのは、1等級とは言えダウンすることで翌年の保険料がどの程度割増しになるかということで、等級によってはバカにならない金額となります。
災害によってどの程度の損害を受けたのかにもよりますが、少しの損害で修理費も少額の場合には、あえて保険を利用しないという選択もあるでしょう。
地震や津波を想定した保険はないのか
自動車保険では、台風の際の水没や冠水の被害には保険が適用されますが、東日本大震災時のように地震による津波による水没や冠水には保険は適用されません。
津波による災害に自動車保険が適用されないのは、津波の場合には一度にきわめて大きな損害を発生させる可能性があるからで、適切な保険料の設定が難しいからと言われています。
現状では、地震などによる水没や冠水の被害にも適用される自動車保険はないのでしょうか?
探してみたところ、保険金が適用されるというわけではありませんが、特約を結ぶことにより、地震・噴火・津波によりクルマが全損となった場合に、一時金を支払うという自動車保険があります。
チューリッヒ自動車保険と三井海上保険から提供されていますが、ただし、様々な条件が付いていますので、加入を検討する際にはよく注意する必要があります。
チューリッヒの場合を見てみると、全損した場合に、一時金として50万円を上限とした額が支払われます。つまり、クルマが津波で流されて買い替えなければならない場合でも上限は50万円ということです。
そもそも全損って何!ということにもなりますが、これについても各社で規定がありますので、事前に確認しておかなければなりません。
また、チューリッヒ自動車保険の車両保険には、ワイドカバー型と限定カーバー型の2種類がありますが、地震・噴火・津波の特約が付けられるのはワイドカバー型に限定されます。
カーシェアの保険はどうなっているの?
カーシェアの自動車保険はどうなっているのでしょうか?
事業者の提供するカーシェアリングサービスでは、ご存知のように自動車保険料が利用料金に含まれますので、今回の台風15号や19号規模の大型台風による被害を受けた場合でも、一般の自動車保険同様に車両保険が適用されます。
ただし、これも同じですが、台風や大雨(最近多いゲリラ豪雨も含む)などとは異なり、地震・噴火・津波による損害の場合には保険が適用されません。
今回の台風時にも予約を入れていた方も多かったと思われますが、事前に注意喚起や警告が出ている場合には、保険の意味からというよりも、安全面から利用しないことが大切です。
ちなみに、タイムズカーシェアの場合には、10月11日(金)に12日から13日12時59分までの新規予約受付を停止していました。すでに予約していた方については、貸出・返却ともに受け付けるということでしたが、状況に変化がある場合には事前予告なしに休業することとしていました。
まとめ
猛暑からのゲリラ豪雨というパターンが過ぎたと思ったら、今度は台風による大雨でクルマが水没・冠水するという被害が多発しています。
自動車保険では、地震による津波でクルマが流されたり水没した利した場合には、保険は適用されません。ただし、台風やゲリラ豪雨などによる水没・冠水については自動車保険(車両保険)の適用が受けられます。
自動車保険といっても車両保険を付けていない人というも多いでしょうから、その場合には保険適用外ということになりますね。
カーシェアリングサービスなら、利用料金の中に自動車保険(車両保険)料が含まれていますので、今回のような大型台風による損害を受けた場合でも保険が適用されます。
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