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最近は見かけなくなったバッテリー上がり
近年は、バッテリーの性能も以前とは比較にならないほど向上しており、バッテリー上がりで立ち往生しているクルマを見かけることも少なくなりましたが、とは言え、忘れたころにやってくるということもあります。
バッテリーの性能が向上したことは良いことですが、以前は、多くの人がバッテリーが上がってもほぼ問題なく対処できたのに対して、最近のドライバーの場合にはバッテリー上がりを経験したことがないという人がほとんどかもしれません。
ここ数年急成長するカーシェアユーザーなどの場合には、マイカー所有者のように頻繁に運転しないというユーザーも多いですから、バッテリーが上がりの経験者はほとんどないでしょう。
ライトの消し忘れだけではない、バッテリー上がりの要因とは
性能が向上したことにより、しっかりと点検や検査をすることでバッテリー上がりが大きく減少しています。しかし、ライトの消し忘れなどのうっかりミスによるバッテリー上がりも少なくはありません。
最近は、ライトを消し忘れても自動制御がついているクルマでは自動的に消えますが、そうでないクルマも多くあります。
JAFの調べによると、バッテリー上がりの要因の51.7%が「ライト類の消し忘れ」で、31.4%が「バッテリーの劣化(寿命)」という結果も出ています。
とは言え、ライトの消し忘れによるバッテリー上がりは大幅に減っていることは間違いありませんが、これに代わり、以前はそれほど多くはなかった理由によるものも増えてきています。
暑さによるバッテリー上がり
寒さによるバッテリー上がりは、ライトの消し忘れや寿命によるものと同様に、バッテリー上がりの王道ともいえる要因で、スキーに行って翌日の朝起きたら上がっていたというのはよくあるケースです。
これに対して、バッテリーはもともと暑さには強いといわれていましたが、JAFの出動理由を見ても分かるように、最近では暑さによるバッテリー上がりも増えてきています。
これは、近年の酷暑が要因と考えられますが、内部のバッテリー液が蒸発しすぎたりして、一気にバッテリー上がりや寿命というケースに至るようです。
電装品の付けすぎ
電装品を付けすぎているクルマというのは以前にも存在しました。意外と知られていませんが、実は、バッテリーを使用するのは始動時だけであり、スターターを回すのに使用されるだけで、エンジンがかかってしまえば発電機から電気は賄われます。
ところが、最近燃費に役立ち、地球にも優しいというアイドリングストップが登場して多くのクルマにアイドリングストップが搭載されています。これにより、停止時にはバッテリーの電気を使用するようになっています。
アイドリングストップ搭載車には、一定の対策のとられたバッテリーが搭載されていることもありますが、完全に対策がとれているわけではないでしょう。
これに加えて、あまりにも多くの電装品を利用すると、発電だけでは電気が賄えなくなりバッテリーの電気も使うことになる。そうなると、バッテリーの電気はどんどんなくなり最悪の場合には上がってしまうことになります。
クルマを楽しむ時代には、多くの電装品を使用することもあるでしょうし、自動運転時代になると、基本的には運転時には運転以外のことをする時間が持てますので、電気を使用するケースも当然増えてくるでしょう。
モビリティライフの変革は、このような問題も実は内包しているということを知っておかなければなりません。
知っておきたいバッテリー上がりの対策
バッテリーの性能は年々向上していますので、しっかりとした点検や検査をすることで、比較的新しいクルマのバッテリー上がりの多くは未然に防ぐことができるでしょう。しかし、そうでないクルマもまた多く存在しています。
ただし、古い車の場合にも電装品を多く付けたりしない限りは、JAFの調査による80%以上のバッテリー上がりの要因となる「ライト類の消し忘れ」や「バッテリーの劣化(寿命)」の対策をとることで、多くのバッテリー上がりは防ぐことができるでしょう。
このうち、バッテリーの寿命を調べるのに役立つのがテスターの存在です。以前は、ガソリンスタンドなどで簡単にテスターで見てもらうということもありましたが、セルフが多くなった最近のガソリンスタンドでは見かけることもほとんどなくなりました。
カーシェアリングユーザーは特に気を付けたいバッテリー上がり
ここ数年、街中をクルマで走っていると、カーシェアリングのステッカーの貼られたクルマが非常に多いのに気づきますが、最大手のタイムズカープラスを利用してみると、クルマの返却の際に自動音声で必ずアナウンスされることがあります。
その内容とは、「駐車場内での事故にお気を付けください」と「ライトの消し忘れにご注意ください」というもので、逆に言うと、この2つの問題にタイムズカープラスとしては頭を痛めているのかもしれません。
「ライトの消し忘れにご注意ください。」という自動音声は、クルマの返却の際に流されますので非常に効果的であり、多くのカーシェアユーザーはライトの消し忘れには十分注意しているでしょう。
ところが、短時間利用に最大のメリットがあるカーシェアの場合には、タイムズカープラスの場合で15分単位で利用できます。つまり、チョイ乗りでの利用が増えることになるのですが、このチョイ乗りはバッテリーにとってはあまり有難くはないようです。
というのは、バッテリーは走行すれば充電されますが、短い距離しか走らずに充電不足のままクルマの使用を終わると悪いサイクルに陥ることになりかねません。
エンジンを停止しているクルマでも、暗電流といって時計などに微弱な電流は使っていますので、充電は減る一方なのです。このため、カーシェアなどの場合には、次の利用ユーザーがエンジンを掛けようと思ったらかからない、というケースもあり得るわけです。
カーシェア利用中にバッテリーが上がったらどうなるの?
上記の例のように、エンジンを掛けようと思ったらかからなかったというケースでは、明らかな整備不良となり、乗車前の点検での発覚となりますので、サポートセンターに連絡すれば、他のクルマを用意してもらえるか(最悪他のカーステーションのクルマ)、キャンセル扱いにしてもらえます。
ただし、走行中にバッテリーが上がってしまった場合には、タイムズカープラスの場合にはユーザーに実費が請求されてしまいます。(※)
カーシェアリングにはその利用料金に自動車保険料が含まれているという何ともありがたいサービスがあるのですが、例外もあり、走行中のバッテリー上がりはその一つとなります。
短時間利用でバッテリーが上がるというのは、何とも運の悪い話ということになりますが、ここは理解の上でのシェアードサービスの利用となります。
ただし、タイムズカープラスの場合には、TCP安心補償サービス(309円/利用)に加入すれば、バッテリー上がりの実費などは免除されます。
実際には、カーシェリング事業者の提供するカーシェアリングサービスは、頻繁に点検が行われていますので、マイカー利用に比べればかなり安心して利用することができるでしょう。
※ 大手3社の中では、オリックスカーシェアのみ、バッテリー上がり時のジャンピングなど30分程度の応急措置は無料(利用料金に含まれる)となります。
まとめ
以前に比べれば少なくはなりましたが、クルマに乗る以上は避けて通れないのがバッテリー上がりです。JAFの調査では、「ライト類の消し忘れ」と「バッテリーの劣化(寿命)」が80%以上の要因となっているようです。
カーシェアリング利用の際には、走行中のバッテリー上がりについてはほとんどのケースで実費が発生しますので、事前に点検するようにしたいものです。
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