パッシングとは?
パッシングとは、一瞬だけヘッドライトのハイビームを点灯させること。国産車であれば、ウインカーレバーを一瞬だけ手前に引くことで、パッシングができますよね。
クルマを運転する人であれば、パッシングしたことがないという人でもパッシングされたことは何度もあるでしょう。日本というお国柄のせいか、パッシングというと親切心で警告を促してくれているという面が強いのですが、最近では煽り運転で見られるようなヤバいパッシングも増えてきているようです。
自動車教習所でもパッシングについて教えてくれるところはほとんどないでしょうが、クルマを運転していると避けて通れないのがパッシングでもあります。パッシングの意味を理解して、親切心からのパッシングやヤバそうなパッシングを瞬時に判断できるようにしておきましょう。
知っておきたいパッシングの意味
パッシングは、性善説の上に立てば、親切心などから相手に警告を促す意味で行ったり、あるいは、ありがとうの意味から使うことがあります。このケースでは、総じて1~2回軽くパッシングという感じで行われます。まずは、このような意味合いから行われるパッシングについてみていきます。
対向車に道を譲る
パッシングといえばこのことを思い起こす人も多いでしょうが、曲がり角などで対応車と出くわした場合などに、手でお先にどうぞという合図をするケースもありますが、分かりにくいことからパッシングをして「お先にどうぞ」というしるしとして実施されます。
ただし、最近話題の煽り運転などでは、対向車に道を譲りたくないということでパッシングするレアケースもありますので注意しましょう。
感謝の意思
これも多く利用されていますが、「ありがとうございます」の意思表示としてパッシングを実施する人も多くいます。例えば、スーパーなどの駐車場に反対車線から入りたいが対向車が走っているので入れないケースなどで、こちらを入れるために停車してくれた場合などにするパッシングなどがこれに当たります。
対向車に何らかの異変を知らせる
進行方向の先で事故が発生している場合など、何らかの異変を知らせるためにパッシングを利用することもあります。その他のレアケースとして、バックドア(リアゲート)を閉め忘れて走行している場合などにも警告としてパッシングされます。
ヘッドライトの付け忘れ、消し忘れ
パッシングされるとヘッドライトの付け忘れや消し忘れが頭に浮かぶ人も多いでしょう。特に、カーシェアやレンタカーのように普段利用していないクルマの場合には、操作になれていないことも多くライトがトップの状態のままということもありますので注意しましょう。
緊急事態を車外に知らせる
レアケースですが、バスジャックなど緊急事態を車外に知らせるためにパッシングすることもありますので、これも頭に入れておきましょう。
こんなパッシングには要注意
パッシングには、親切心からの警告が多いのですが、そうとも言えないようなタイプのものもあります。
高速道路で対向車線のクルマからのパッシング
高速道路をよく運転する人なら多くの人が経験しているでしょうが、走行中に対向車線のクルマからパッシングあることがあります。ライト関係への警告かもしれませんので、ライトを確認すると異常はなし。このケースで考えられるのは、進行方向の先で速度違反の取り締まりが行われている可能性です。
良い悪いは別として、親切心からなのかもしれませんが、特に大型トラックなどからパッシングである場合にはこの可能性は高くなりますので安全運転を心がけるようにします。
道を譲りたくない場合のパッシング
通常は、道を譲るためにパッシングを実施しますが、稀に道を譲りたくないためにパッシングする人もいます。このケースは、一般道というよりも、高速道路の追い越し車線でパッシングを繰り返し(点滅させながら)ながら他のクルマの追い越し車線への侵入を防いで飛ばしているクルマ(当然違反車)をたまに見かけます。
真面目な人であれば、注意の一つもしたくなりますが、運転中であり、また高速道路などでは大変危険ですから近づかないようにします。このようなドライバーは警察に任せましょう。
強引な運転に対する抗議
悪意はないもののこのケースでパッシングしたことがある人も多いでしょう。特に、都心部を運転していると急な割込みなどで危険な目に遭った場合には、相手に警告する意味合いからパッシングするケースがあります。
ただし、悪意のない警告のつもりのパッシングで逆切れされて煽り運転行為を受けてしまうという話も多くなっていますので、危険な行為に遭った場合にもこちらからパッシングしたり、クラクションを鳴らすという行為はなるべく控えるようにしなければなりません。まさに短気は損気で、危険な運転行為をするドライバーと同じレベルに同化してしまうことになります。
パッシングは譲り合いの精神で、親切心で行いましょう
日本ではおおむね好意的に発せられることが多いパッシングですが、レアケースでは、煽り運転行為等危険な運転で利用されることもあります。また、海外で運転する際には日本の常識は通用しませんので、その地域の常識に沿って対応する必要があります。
パッシングは、ピカッピカッとしますので一瞬何が起こったのだと注意しますが、これにより好意的な警告という意味からは非常に有効な合図となります。ドライバー一人一人がクルマを運転しているという責任をもって、パッシングを悪用することなく、譲り合いの精神で親切心から発することが大切です。
カーシェアユーザーも知っておきたいパッシング
短時間利用の人が多いカーシェアリングユーザーの場合には、こちらからパッシングするような機会は少ないでしょうが、相手からパッシングされるケースは多くありますので、パッシングの意味を理解して慌てないようにしたいものです。
多くの場合には、日本では親切心からパッシングを使うことが多いですから、何らかの問題があるのかどうか慌てずに対処することです。
特に、夜間運転の場合には、最近ではライトのトップの使い分けが重要視される傾向にあり、ライトをトップに切り替えてそのまま忘れて走ってしまうということも多くなりますから、街中などでは切り替え忘れなどに注意しましょう。
まとめ
関東地区でのパッシングは道を譲るために行ないますが、関西地区では道を譲りたくないためにパッシングを発するという話があります。もちろんこれは都市伝説的な話というか、ギャグです。日本では、パッシングはどこへ行っても原則的には親切心から好意的に利用されています。
パッシングを悪用するようなドライバーは、常日頃からそういう運転をしている人でしょうから、数少ない悪質ドライバーを見分ける良い方法であるというくらいに考えるとよいでしょう。クルマをたまにしか運転しないカーシェアユーザーなどは、悪質ドライバーには近づかないように心がけておくとよいですね。
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