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欧米では主流となりつつある「フリーフロート型」カーシェアとは?

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日本のカーシェアは「ステーションベース型」

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http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20140521/265040/

この数年首都圏を中心に急成長した日本のカーシェアリングサービスですが、カーシェアには「ステーションベース型」と「フリーフロート型」と呼ばれる2種類のタイプがあるのをご存知でしょうか。

これは、各国の交通事情や道路環境などにより、カーシェアの発達方法が異なったと考えられますが、日本の場合には「ステーションベース型」という、カーステーションを設置して、そこにカーシェアのクルマを提供するという方式です。

日本でカーシェアが急成長できたのは、バブル期の遺産ともいうべき時間貸し駐車場(コイン駐車場)の存在抜きには語ることができませんが、首都圏の駅前を中心にカーステーションを比較的簡単に設置できたことがその大きな要因です。仮に、時間貸し駐車場が存在していなかったなら、ここまで急速に成長することはなかったでしょう。

このことは、実質的にはタイムズカーシェアのシェアの大きさを見ても一目瞭然というところで、駅前などの大変利便性の高い場所にカーステーションを設置できたという、日本独自のカーシェアリングサービスといっても良いでしょう。

 

欧米では主流となりつつある「フリーフロート型」カーシェア

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これに対して、欧米で主流となりつつあるカーシェアは「フリーフロート型」と呼ばれるタイプで、ステーションベース型にはないワンウェイ利用が可能で、かつ返却場所が自由に選択できるというサービスです。

つまり、日本のカーシェアでは、返却の際には借りたカーステーションに返却することになりますが、「フリーフロート型」カーシェアでは、返却場所は必ずしも借りた場所である必要はなく基本的には自由に選択できるのです。

日本でワンウェイサービスや「フリーフロート型」を提供しようとすると、今の何倍以上ものカーステーション(駐車場)を確保する必要が出てくることになり、物理的にも難しいですし、コストも半端なく発生することになります。

欧米では、「ステーションベース型」カーシェアも一定数は存在していますが、「フリーフロート型」が主流となりつつあるのは、路上駐車可能な場所が非常に多いということです。

日本においては、時間貸し駐車場の存在がカーシェアリングサービス急成長の大きな要因となったように、欧米では、路上駐車可能な場所が多いという事情が「フリーフロート型」カーシェアを成長させることになったのです。

 

「フリーフロート型」の5つの成功要因

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自由に選択できる返却場所

「フリーフロート型」カーシェアの最大の特徴ともいえるのは、前述のワンウェイサービスが提供できることです。「ステーションベース型」では、カーステーションの場所が重要なポイントとなりますが、ワンウェイサービスが利用できれば、原則として、返却場所も自由に選択できるようになります。

「フリーフロート型」カーシェアでは非常に多くの返却場所が用意されています。例えば、ドイツの場合では、路上駐車が可能な場所、公共駐車場、公的機関が管理・運営する駐車場などとなり、これらの駐車可能な駐車場と「フリーフロート型」カーシェア事業者が年間契約を結び、いつでも自由にクルマを止めれるようになっています

つまり、返却場所が無数に提供されており、比較的希望に近い場所に返却することが可能となっています。例えば、買い物などの短時間利用の場合での、路上を含めてほぼすべての公共駐車場が無料で利用できます。

借りる際には、前の利用者が返却した場所まで出向く必要はありますが、返却は比較的自由に返却できますので、利用形態としてはタクシーに非常に近いものがあります。

対タクシーとの利用料金での優位性

タクシー
https://www.photo-ac.com

欧米で「フリーフロート型」カーシェアが成長したのは、前述のようにタクシー利用と非常に近い形態のサービスであるということがありますが、そうなる時になるのは料金設定です。

ドイツの場合では、タクシー利用の場合と比較すると、最初の2kmでは事業者にもよりますが、3~4分の1の価格となっており、距離が伸びるにつれてこの差額は拡大していくことになります。

タクシーとは違い、自分で運転しなければならないという問題はありますが、これだけの価格差があることから、頻繁にタクシーを利用していた層の人たちが「フリーフロート型」カーシェアに移行してきたというのは想像に難しくはないでしょう。

幅広い利用形態

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返却場所を自由に選択できるというメリットは、幅広い利用形態で利用できるというメリットを生み出します。例えば、通勤で利用したり、旅行者が利用したり、短時間で買い物などに利用したりなど、様々な行動パターンに合わせて利用可能です。

「ステーションベース型」の場合には、利用する前には事前に利用時間を想定して予約する必要がありますが、「フリーフロート型」ではその必要性がありません。つまり、「フリーフロート型」のように往復利用の必要がなく、往復それぞれで予約することで途中の無駄な時間料金が発生することがありません。

この意味では、「フリーフロート型」カーシェアは、「ステーションベース型」カーシェアのデメリットをほぼ完全に克服しているといえるわけです。

豊富な車両台数

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「フリーフロート型」カーシェアの最大の欠点といわれているのが、事前予約ができない点です。欧米の「ステーションベース型」カーシェアでは最大6か月以上前から事前予約可能なサービスもありますが、「フリーフロート型」カーシェアの場合には、ほぼ15~30分前の予約となります。

そもそも、事前に利用時間を想定する必要がないというモデルでもありますし、また、6か月も前から予約されたら利用したいときに利用できないことにも繋がります。

「フリーフロート型」カーシェアのこの問題を解決するのは、豊富な車両台数が提供されるかどうかということになります。車両台数が豊富なほど利便性の高いサービスが提供可能となります。もちろん、現状でも充分な車両台数が各社から提供されています。

また、「フリーフロート型」カーシェアでは月会費が発生しませんので、ユーザーは複数の事業者に登録することで、さらに利便性の高いサービスが受けられるようになっています。

他交通機関との連携

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日本の「ステーションベース型」カーシェアが急成長した理由にも当てはまりますが、「フリーフロート型」カーシェアでも他の交通機関との連携を進めることで、その利便性をさらに高めています。特に、公共駐車場や路駐が可能な「フリーフロート型」カーシェアでは、非常に大きなメリットとなります。

 

まとめ

欧米では主流となりつつある「フリーフロート型」カーシェアについてみてきましたが、道路や駐車場事情というものを考えた場合には、日本では少しばかり難しいのかなというのが正直なところです。

「フリーフロート型」カーシェアは、まさにシェアードサービスというイメージがありますが、日本のカーシェアユーザーの多くはシェアードサービスというよりは、事業者の提供するサービスを利用しているという認識ではないでしょうか?

完全自動運転の時代には、「フリーフロート型」カーシェアが有利ではという意見も多いようですが、完全自動運転の時代にはクルマが自動で送迎してくれるでしょうから、あまり関係がないのかもしれませんね。

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