危ない交差点とは
2千年前から読まれ続けている兵法書には、「君子危うきに近寄らず」という教えがあり、さらに「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」ともあります。平和な時代が続いていますので本当の戦はないにせよ、減少傾向にあるとはいえ交通戦争という言葉もあるほどに、現在では交通事故で負傷する人が非常に多い時代となっています。
この交通戦争を兵法書に照らし合わせれば、危うい場所とは交通事故が多発しているところであり、それを回避するには、どの場所が交通事故が多いという情報を知り、そこには近寄らないのがベストで、やむを得ず走行する場合にもそれなりの対処をしていくことが重要であるということになるでしょう。
一般社団法人「日本損害保険協会(SONPO)」では、毎年「全国交通事故多発交差点マップ」を発表しています。平成28年度のデータをもとに、東京で危ない交差点を知っておくことは、ドライバーにとっては非常に有意義なことになるでしょう。カーシェアリングユーザーも必見ですね。
全国交通事故多発交差点マップ
交差点で交通事故が多く発生していることはよく知られて事実ですが、それもそのはずで、交差点には歩行者・自転車・バイク・クルマなどが頻繁に行きかいます。実際に、平成28年度の交通事故を見てみてもその何と54.6%ほどは交差点または交差点付近で発生しています。
日本損害保険協会が発表している全国交通事故多発交差点マップでは、全国47都道府県で人身事故の多発した交差点についてデータを調査し取りまとめています。交差点ごとの特徴や事故の状況、要因について一般の人にもわかりやすく紹介されています。
事故多発交差点でよく起こる3つの事故形態とは
追突事故(41%)
交差点手前の沿道施設が多く立地する場所や信号交差点手前で、前車に衝突。
右折時事故(25%)
交差点内で対向車と衝突、または右折先の横断歩道付近で自転車・歩行者と衝突。
左折時事故(11%)
交差点内で左後方からのバイク・自転車と、または左折先の横断歩道付近で自転車・歩行者と衝突。
危ない交差点はコレだ!
全国交通事故多発交差点マップでは、47都道府県別に非常によく調査・分析されており、これを確認しておくことで多くの交通事故の危険性を回避することができそうです。
さて、それでは全国で最も危ないと思われる交差点の平成28年度ワースト5を第5位から順に見てみましょう。すべて東京都内の交差点となります。
ワースト5位:赤羽橋交差点
住所:東京都港区東麻布30-1
交差点の特徴:国道1号(桜田通り)と都道が交差する5差路交差点で、桜田通りの上には首都高都心環状線が走ります。この交差点からは東京タワーが綺麗に一望でき、夜間でも観光客(近年は海外観光客が大半)が多く、交通量が多いうえにタクシーも多いという都内でも屈指の交差点です。また、地下鉄駅の真上でもあり通行人も多くいます。
はじめてこの交差点を通行する場合には、都道方面への信号が分かりずらいことや夜間に増えるタクシーに要注意です。
事故の被害状況等:平成28年度には軽傷事故12件が発生しています。事故形態では、追突事故、左折事故。出会い頭事故となっています。
ワースト4位:四谷4丁目交差点
住所:東京都新宿区四谷4丁目
交差点の特徴:国道20号線と外苑西通りが交差する5差路交差点です。新宿方面に新宿御苑トンネルがあり、国道と都道が交差するため恒常的に交通量が多くなります。日中はもちろん、夜になっても交通量や人通りの多いエリアです。夜間にはタクシーも急増します。
事故の被害状況等:平成28年度には軽傷事故が13件発生しています。事故形態では、追突事故と右折車と直進者による事故となります。
ワースト3位:上高井戸1丁目交差点
交差点の特徴:国道20号線(甲州街道)と環八通りが交差する4差路交差点です。環八通りには中央にオーバーバス(高井戸陸橋)が走ります。国道と都道が交差するため恒常的に交通量が多くなっています。この道路はともに休日や平日でも時間帯によっては渋滞することの多い道路で、渋滞を避ける意味からもなるべく避けて通りたい道路です。
事故の被害状況等:平成28年度には軽傷事故が13件発生しています。事故形態としては、追突事故と右折車と直進者による事故となっています。
ワースト2位:青戸8丁目交差点
交差点の特徴:国道6号線(水戸街道)と環七通りが交差する大きく屈曲している4差路交差点です。環七通りは中央にオーバーパス(青戸陸橋)が走ります。国道と都道が交差するため恒常的に交通量が多くなっています。エリア的には住宅街となりますが、北関東や東北方面へのトラックも多く、渋滞も発生しやすい道路です。
事故の被害状況等:平成28年度には軽傷事故16件が発生しています。事故形態は追突事故と右折車と直進車による事故、出会い頭事故となっています。
ワースト1位:熊野町交差点
住所:東京都板橋区熊野町10番
交差点の特徴:山手通り(側道)と川越街道が交差する4差路交差点です。山手通りは中央にアンダーパス(本線)が走り、アンダーパスの上部には首都高速5号線が走ります。高速道路の支柱があり、視認の妨げとなっている可能性があります。国道と都道が交差するため恒常的に交通量が多くなっています。
ワースト4位の青戸8丁目交差点同様に、都心中心部からは少し離れます。この交差点付近は、全国でも有数の排気ガス量の多いエリアとしても知られており、トラックをはじめとして多くのクルマが行きかいます。
事故の被害状況等:平成28年度には死亡事故が1件、軽傷事故が21件発生しています。事故形態としては、右折車と直進車による事故、左折事故となっています。
カーシェアユーザーも要注目の全国交通事故多発交差点マップ
危ない交差点もはじめて走行する場合には危険を伴うこともありますが、しっかりと情報を頭の中に入れておくと危険な目に合わなくて済む可能性は高くなります。もちろん、何よりも安全運転が重要なことは言うまでもありませんが。
カーシェアユーザーの場合には初心者ドライバーも多くいますので、事故多発交差点の情報を頭に入れておきたいところです。
まとめ
はじめて走行する交差点でヒヤッとした思いがある人は多いでしょうが、全国交通事故多発交差点マップのような便利なものがありますので、しっりと情報を確認しておくとリスクを大きく軽減することが可能となります。カーシェアユーザーにもおすすめです。
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