この記事の目次
トヨタはモビリティカンパニーへフルモデルチェンジする
100年に1度の大変革期と言われる自動車業界ですが、そもそも100年前に何が起こったのでしょうか?
約100年前、米国にはおよそ1,500万頭の馬がいたといわれていますが、現在では、馬に代わって約1,500万台の自動車が存在しています。
これから自動車業界で起ころうとしていることは、それと同等か、もしかするとそれ以上のパラダイムシフトなのかもしれません。
トヨタ自動車が、「自動車を作る会社」から「モビリティカンパニー」へフルモデルチェンジするというのは、まさにこのパラダイムシフトに対応することであり、世界中の人々に「移動」に関するあらゆるサービスを提供することです。
モビリティ(mobility)とは?
モビリティとは、動きやすさ、移動性、機動性のことを指し、特に、交通分野でのモビリティとは、人が社会的活動のために交通(空間的移動)をする能力のことを指します。
交通分野におけるモビリティには、4つのモビリティが存在します。
- 超小型モビリティ:定員1~2名の新しい車両携帯
- パーソナルモビリティ:セグウェイなどに代表される小型の輸送補助機器
- モビリティマネジメント:マイカー利用を抑え、一人一人の移動のあり方の改善を促す交通政策
- MaaS(Mobility as a Service):移動の新しい概念、運営主体を問わずICT(情報通信技術)を活用して、交通のクラウド化・シームレス化を図る
1~3までは、簡単に理解できそうですが、4の交通(移動)の新しい概念であるMaaSを理解することで、モビリティも分かりやすくなりそうです。
MaaSを理解する
MaaS(Mobility as a Service)とは、移動の新しい概念、運営主体を問わずICT(情報通信技術)を活用して、交通のクラウド化・シームレス化を図ることです。
例えば、自宅から目的地まで、バス・電車・飛行機・レンタカーを乗り継いでいく場合、現在は各交通機関に予約を入れるなどして決済しています。
これが、MaaSの世界では、スマホアプリなどを利用して一括して最適な交通手段の検索、予約、決済まで行うことが可能となります。
モデルとなるMaaS Globalの提供する「Whim」とは?
「Whim」とは、フィンランドのベンチャー企業MaaS Globalが提供する世界で初めてMaaSを実現したプラットフォームサービスです。
「Whim」とはわかりやすく言うと、経路検索・予約・モバイル決済がまとめてできるサービスのことです。
日本でも経路検索アプリは多くの人が利用しています。
Whimの特徴は、電車やバスだけでなく、マイカーの相乗り・タクシー・レンタカー・自転車シェアなども組み合わせられ、最適な移動手段(交通手段)を利用することだできるところです。
MaaS先進国と言われるフィンランドでは、このサービスの実証実験が2016年に始まっており、すでに正式導入されています。
MaaSにおけるモビリティとは
MaaSにおけるモビリティ(Mobility)には種類の枠は存在しません。
移動手段は、JRや地下鉄などの公共交通機関やカーシェアリングサービスなどだけではなく、目的地までの最適化を考えるのであれば、自転車シェアや小型モビリティなどもその一つとなります。
今後、どのようなモビリティが期待されているのでしょうか?
超小型モビリティ
苦節30年?
これまで普及に失敗し続けてきた超小型モビリティですが、実はこの時代のために研究が続けられていたのかもしれません。
現在、各社が開発を進める「超小型モビリティ」が大注目されています。
超小型モビリティとは、環境性能に優れた1~2人乗りの車両のことです。
まだ、法律やルールが整っていないため公道を走ることはできませんが、乗用車を利用するまでもないちょっとした距離を移動するのに使われる日は近そうです。
パーソナルモビリティ
超小型モビリティに含まれる場合もありますが、一般的にはセグウェイなどに代表される小型の輸送補助機器のことを指します。
日本を筆頭に、高齢化社会を迎える先進国では、高齢者や障害者の移動をサポートする乗り物として期待されています。
高齢者や障害者の外出の壁となるのが「移動」です。
パーソナルモビリティは、お出かけはもちろん、駅や駐車場などから目的地(自宅など)への短距離移動の問題(ラストワンマイル)も解決することになるかもしれません。
余談ですが、首都圏を走るマリオカート(最近、新型コロナウィルスの影響からか、顧客数が激減しているようです)がなぜ規制されないのか、不思議に思っていた方も多いでしょう。
言うまでもなく、「超小型モビリティ」や「パーソナルモビリティ」が控えているからでしょうね?
拡大するMaaSの市場規模
すでに約30年前から開発されていた超小型モビリティの商品化には時間はかからないでしょうが、今後は同じように従来の移動手段以外にも新しいモビリティが増えていくことになるでしょう。
少子高齢化の時代ということもあり、今後はマイカーを購入するという人が増えていくことは難しいでしょう。
しかし、それに反してMaaSのの市場規模は拡大していくことになります。
トヨタの「Mobility for All」とは
世界最大の自動車メーカーであり、日本最大の企業でもあるトヨタはどう変わろうとしているのか?
このことを知ることで、来るべき100年に1度の変革期の世界を垣間見ることは出来そうです。
また、日本でも私たちの生活(モビリティライフ)がどう変わっていくのかも気になるところです。
トヨタの「Mobility for All」
自動車を作る会社からモビリティカンパニーにフルモデルチェンジするトヨタが目指すのは、「Mobility for All」です。
「Mobility for All」とは、「すべての人に移動の自由と楽しさ」と届けるという意味です。
自動車には「愛車」という言葉があるように、クルマには「愛」がつきます。
自動車会社出身であるトヨタが提供するモビリティには、必ず「愛」が付かないといけないというこだわりがあるようです。
伊勢神宮で見かけた電動車椅子
先日、伊勢神宮に参拝している時に電動車椅子で参拝している人を見かけました。
車椅子での参拝となると、玉砂利など参道は移動しにくいものでしょうが、電動車椅子だとスイスイと進んでいました。
この電動車椅子、実は伊勢志摩サミットでも披露されており、各国ファーストレディーも試乗されています。
モリカケ問題も良いのですが、このようなニュースに公共の電波を使ってほしいものですね。
この電動車椅子は、車椅子としてだけではなく、パーソナルモビリティとして大きく期待されています。
ちなみに、伊勢神宮では、NPO法人伊勢志摩バリアフリーセンターとの連携による、伊勢神宮での参詣サポートのために貸し出し活動も行われています。
まとめ
「モビリティ」やMaaS、最近よく聞く言葉ですが、言葉は簡単ですが、一体何のことやらという人も多いと思われます。
これらを理解することで、何となくですが100年に1度の大変革期を迎える新しいモビリティライフを垣間見ることができそうです。
そんなカーシェアリングを、あなたのお近くのカーステーションを探したり、レンタカーや他のカーシェアリング会社との料金比較ができる『カーシェアリング・レンタカー比較のDRIVE go SEARCH』で探してみることをおすすめします!