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カーシェアというと若者の利用というイメージがあるが
日本でも急成長するカーシェアリングサービスやライドシェアサービスは、私たちのモビリティライフを大きく変えるものとして期待されています。
この流れは、遂には世界的な自動車メーカーをも動かしており、日本でもトヨタ自動車が「KINTO」やカーシェアサービスを始めており、「自動車メーカーからモビリティカンパニーへの変革」を宣言しています。
このように、世界的に普及しつつあるカーシェアリングサービスですが、単にクルマを簡単安価に利用できるというだけではなく、スマホやPCから簡単に予約やキャンセルができるという利便性の高さも、カーシェア市場の急成長の要因の一つとして挙げられます。
国内におけるカーシェアリンング市場には、クルマ離れといわれ、クルマを所有することのなくなった若者中心にその利便性の高さとともに急成長してきたといわれていました。
しかしながら、ここにきてモビリティライフの変化は、カーシェア市場にも大きな変化を引き起こそうとしています。
高齢者によるカーシェア新規登録が最も増えている時代
国内カーシェア市場の急成長とは、言い換えれば、市場をほぼ独占しているともいえるタイムズカープラスの急成長ともいってよいでしょう。
短時間利用に大きなメリットのあるカーシェアサービスは、タイムズカープラスのように時間貸し駐車場という強力な武器を背景にして、急成長することが可能となりました。
当初、このサービスを利用したのは、首都圏中心の20~40歳前後の比較的若い人が中心でしたが、最近では新規登録ユーザーの年齢層が急激に高くなっており、タイムズカープラスに至っては、何と高齢者層による新規登録が最も増加しています。
それだけカーシェアリング市場が世の中に浸透してきたということでしょうが、スマホは使いこなせなくても、運転免許を取得している高齢者の方は多くいますから、この流れはこれからも続くことになるでしょう。
高齢者ほどマイカー所有者が多い
貯金好きな日本人の場合、どうしても長く働いてきた高齢者が多くの貯蓄をしているという実情がありますし、団塊の世代といわれる方々が高齢者となりつつある状況では、この大票田向けの優遇策が政治の世界でも多くとられることになります。
また、高齢者の方々が子供時代から若いころには、マイカーは「三種の神器」などと持てはやされたり、所有することがステータスという時代が長く続いていましたので、何の躊躇もなく、あのバブル時代でさえクルマを所有している人がほとんどでした。
ところが、その本家本元であるトヨタ自動車が自動車メーカからの脱却を図らなければ生き残れないという時代になり、遂にマイカー所有者層の大部分を占める高齢者もカーシェアリングサービスを検討するようになったということでしょう。
おそらくは、この後に来ると予想されるライドシェアにも積極的に参加してくるのではないでしょうか?
高齢者による事故とカーシェアサービス
交通戦争と呼ばれた時代が懐かしいほどに、交通事故による死傷者数や事故件数が減少していますが、これに反して、高齢者による交通事故は後を絶ちません。
テレビニュースでも格好の話題となってしまうため、高齢者の運転ミスによる悲惨な事故が何度も繰り返して報道されています。確かに、平均寿命が延びた昨今では、70歳代はおろか80歳以上でもクルマを運転する人は非常に多いのが実情です。
最近では、高齢者向けの運転指導をする自動車教習所も増えていますが、先日インタビューを受けていた自動車教習所の教官によると、70歳になったばかりでも認知症かと疑われるくらいに危ない運転をする人がいるかと思えば、90歳を優に超えておるのに若い人よりむしろ運転がうまいという人もいるそうで、こればかりは個人差があるということのようです。
高齢者の方々の場合には、マイカーを所有している人が多いでしょうから、クルマがある限りは運転することになりますが、自らこれ以上は危ないと判断して運転免許証の自主返納をする人も増えています。
実際に、年齢を重ねるとともに、クルマを運転する機会は少なくなるでしょうから、維持費を考えるとクルマを手放すという高齢者も増えるでしょうし、そうなった場合の選択肢としてカーシェアリングサービスを利用するという人が増えているようです。
カーシェアは何歳まで利用できるのか?
高齢者による交通事故が増加していますが、カーシェアリングサービスには年齢制限はあるのでしょうか?
実は、タイムズカープラス、カレコ、オリックスカーシェアの大手3社では、登録できる条件とは運転免許所有者となっており、年齢制限は設けられていません。今のところは、他社含めて年齢制限を設けていないところがほとんどのようです。
少子高齢化社会ですから、高齢者に対して年齢制限を設けるということは需要を制限することにもなるでしょうし、現在は20~30代のユーザーが多いとはいえ、最大手のタイムズカープラスでは高齢者による新規登録が最も多くなってきていますので、よほど高齢者による事故件数が激増でもしない限りは、年齢制限は設けないでしょうし、仮に設定するにしても甘い制限となるのではないでしょうか?
これまでは、マイカー所有者層であった団塊の世代と呼ばれる日本史上最大のベビーブームで生まれた方々が高齢者となってきますので、この層をターゲットとすることはビジネス上は必須となります。
今後登場しそうな高齢者向けのカーシェアリングサービス
現在の国内カーシェア市場は、間違いなく時間貸し駐車場をカーステーションとすることで急成長することができましたが、今後、大手自動車メーカーなどの市場参入により、新たなサービスがどんどん提供されることになりそうです。
例えば、日産自動車は海外では普及しそうなEVリーフやe-powerシリーズ専用のカーシェアリングサービスを開始していますし、今後は、例えば、高齢者向きに安全装置が充実したクルマを中心としたカーシェアリングサービスが提供されるようになるでしょう。
メーカー発表では、アイサイト搭載のクルマでは追突事故が80%減少したという報告もされているように、高齢者による事故対策が備わったクルマであれば、対策がなされていいないマイカーを利用するよりも安心感は違いますよね。
2025年には、完全自動運転車も登場する予定ですから、むしろ、高齢者はマイカー所有ではなくカーシェアリングという時代になるのかもしれません。
まとめ
カーシェアというと、若者が利用するというイメージがありましたが、タイムズカープラスによると、最近では高齢者による新規登録件数が最も多くなっています。
カーシェアのクルマには、安全対策が取られているものも多く、また、今後も自動運転車化していくことが想定されますので、むしろ、若者というよりも高齢者に向いているサービスになっていくのかもしれません。
まさに、少子高齢化に向けたサービスといえるのではないでしょうか。そんなカーシェアリングを、あなたのお近くのカーステーションを探したり、レンタカーや他のカーシェアリング会社との料金比較ができる『カーシェアリング・レンタカー比較のDRIVE go SEARCH』で探してみることをおすすめします!