タイムズカーシェア10月1日から新料金体系へ

2019年10月1日、消費税増税のタイミングでタイムズカーシェア(旧タイムズカープラス)は料金改定を実施しました。事前に料金改定の連絡はありましたが、消費税分が上がるくらいに考えていたところ、結構大幅な料金改定となっています。
この数年で急成長したカーシェアリングサービスですが、その歴史はタイムズカーシェアの歴史ともいってよく、断トツのシェアを持つタイムズカーシェアの料金改定はカーシェア市場にも大きな影響を及ぼしそうです。
ここ数年でタイムズカーシェアのシェアが大きく落ち込むようなことはないでしょうが、自動車メーカー、とくにトヨタ自動車のカーシェア市場への本格参入は、タイムズカーシェアの独占状態に待ったをかける可能性もあります。
ある意味、タイムズカーシェアとしては、消費税導入のタイミングというのは良いきっかけとなっているのかもしれません。また、同じタイミングで、カーシェアとレンタカーのいいとこどりをしたタイムズカーもリリースされており、レンタカーのカーシェア化も進めていくようです。
新料金体系3つのポイント

今回の料金改定には、大きく3つのポイントがあります。それぞれを解説していきます。
料金プランの大幅変更(距離料金は据え置き)
ベーシック | 旧料金 | 新料金(10/1~) |
時間料金(15分~) | 206円~ | 220円~ |
6時間まで | 4,020円 | 4,290円 |
12時間まで | 6,690円 | 6,490円 |
24時間まで | 8,230円 | 8,690円 |
36時間まで | 12,000円 | 11,990円 |
48時間まで | 14,000円 | 14,190円 |
ナイトパック(※) | 2,580円 | 2,640円 |
安心補償パック | 309円 | 330円 |
※ アーリーナイトパック・レイトナイトパックは廃止
最も大きな変更ポイントとなるのが、料金プランです。タイムズカーシェアユーザーの方はどのように思われているのでしょうか?
短時間利用がほとんどというユーザーの場合には、それほど問題はないでしょうが、6時間パックやナイトパックを利用していたユーザーにとっては今回の改定は結構厳しめのものとなっています。
アーリーナイトパックが廃止される
まず、10月1日からはパック商品のうち、アーリーナイトパック、レイトナイトパックがなくなり、ナイトパックにまとめられています。
実はこの商品は、カレコやオリックスカーシェアにはないサービスで、タイムズカーシェアだけのサービスだったのですが、10月1日より消滅してしまいました。
利益率の悪いサービスであったのかもしれませんが、アーリーナイトパックを利用していた人は多かったのではないでしょうか?
実は筆者もその一人で、月に3~4回ほどアーリーナイトパックを利用していました。当初、無くなると聞いた時には「まじかよ!」と思いましたが、実は、アーリーナイトパックを利用しても3時間以上利用するようなことは少なく、個人的にはそれほど痛くなかったというところです。
6時間パック+延長サービスが廃止
さらに、タイムズカーシェア最大のメリットのあるサービスといわれていた6時間パック+延長サービス(最大6時間)が変更となりました。
最大のメリットと言われていたのは、最大12時間利用まで距離料金がかからないという点だったのですが、6時間を超えると距離料金が発生するというサービスに変更となりました。
これもタイムズカーシェアとしては、利益率の悪い(ひょっとすると赤字)サービスだった可能性もありますが、6時間以上の利用は、タイムズカーやタイムズカーレンタルへ誘導したいということだと思われます。
実際、6時間以上利用するのであれば、レンタカーを利用するほうが安いケースが多く、筆者も6時間パック+延長で利用したことがあるのですが、それほどメリットが感じられずに、それ以降はレンタカー(タイムズカーレンタル)を利用しています。
ガソリン代(距離料金)がかからないというのはメリットなのですが、プリウスなどの燃費の良いレンタカーを利用すればそれほど気にはなりません。
ミニマムチャージ
10月1日より、従来にはなかったミニマムチャージが導入されます。
ミニマムチャージとは、以下の条件を満たしている場合に徴収されます。
1.24時間以上の予約
2.実際の利用時間が2時間未満の場合
つまり、24時間以上予約を入れて抑えていたにもかかわらず、2時間未満しか利用しなかった場合でも2時間分の料金が発生するというものです。
タイムズカーシェアでは、実際には利用しないのに長時間予約を入れることで、他のユーザーが利用できないというケースがあるため導入したとのことですが、従来通り直前にキャンセルすれば料金は発生しないので、これにより、長時間予約が減ることは期待できないでしょう。
筆者の利用するカーステーションでも、毎日のように法人ユーザーの長時間予約が入っていますが、担当者の方がいらっしゃるようで、利用しない場合には直前にキャンセルされています。
2クラス制から3クラス制に
これまでは、ベーシックとプレミアムの2クラス制でしたが、10月1日よりミドルクラスが追加され、3クラス制となりました。
変更となるのは、これまでベーシックくらすであった、インプレッサ・カローラフィルダー・シエンタ・フリード・プレマシー・NV350バネットがミドルクラスに変更され、プレミアムクラスであった、XV・リーフ・CX-5・C-HRがミドルクラスへ降りてきます。
料金体系については、ミドルがベーシック料金(上記表参照)の1.5倍、プレミアムが2倍とわかりやすい設定になっています。
新料金体系で1か月利用してみて

個人差もあるでしょうが、筆者の利用方法は2~3時間以内の短時間利用がほとんどなので、時間料金(旧ショート)の値上がり分だけ影響を受けているというところです。
月に2~3回利用していたアーリーナイトパックはなくなりましたが、元々お得感を感じて利用していたというよりも、余裕も持って利用できるということから選択していまたし、ほとんどのケースで3時間前後の利用(21時前後には返却していた)だったため、時間料金(旧ショート)で利用してもコスト的にはそれほど変わっていません。
ただ、タイムズカーシェアのナイトパックは距離料金が発生しますが、カレコの夜間パックでは距離料金がかかりません(6時間以内)ので、カレコのカーステーションが近くにできたら、カレコに会員登録するかもしれません。
また、筆者はほとんど利用していませんでしたが、6時間パック+延長サービス(最大6時間)が廃止となりましたので、6~12時間利用で長距離走るという方は、利用料金がかなり上がりますので注意が必要です。
まとめ
今回のタイムズカーシェアの料金改定からは2つの思惑が見えてきます。
1つには、これまで独占状態を続けていたタイムズカーシェアですが、自動車メーカーの本格参入という時代に危機感を持ち、増税のタイミングでより利益率が高くなるような料金改定を行った。
2つ目は、今後レンタカーのカーシェア化が進むと考えられており、長時間利用についてはカーシェアとレンタカーを融合する。
タイムズカーシェアとしては、膨大なデータから個人ユーザーにはそれほど影響はないという判断で料金改定を実施していると思われますし、元々安すぎるともいえるようなサービスですので、自称ヘビーユーザーの筆者もほとんど料金改定による影響は出ていないというところです。
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