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増え続ける「ながらスマホ」が要因と思われる交通事故
交通事故や交通事故死傷者が大幅減少している中、新たな要因による交通違反や交通事故も増えています。
交通事故死者数に至っては、交通戦争と言われていた年間1万人を大きく超えるような数字から、昨年には3,532人まで大きく減少しています。
本年上半期の数字ではさらに減少傾向が顕著となっており、3,000人を割る可能性さえでてきています。
そんな中で増えているのが、「ながらスマホ」が要因と思われる交通事故などです。
上記の警察庁の資料を見ると、平成20年には約1,300件であった交通事故件数が、平成30年には約2,800件に増加しています。(このうち、あきらかにながらスマホが原因と思われるのは、平成20年に約300件であったのが、平成30年には966件と3倍以上に増加しています。)
この10年で最も普及した商品といえばスマートフォンとなるでしょうから、ある意味では、この数字は妥当なものであるといえるでしょうが、かと言って、交通事故に繋がっているというのは見過ごすことができません。
iPhone発売時期から増加する「ながらスマホ」
上記警察庁の資料は、平成20年(2008年)から「ながらスマホ」が増加傾向となっていることを示しています。
平成20年(2008年)と言えば、まさにモバイル革命元年ともいえる時期であり、日本国内ではじめてiPhoneがソフトバンクから独占販売された年となります。
それまでもi-モードなど使いやすい携帯電話は存在していましたが、iPhoneの登場により若者の文化が劇的に変化することになり、その後、スマホは1人1台時代から、いまでは複数台所有する人も少なくはありません。
「ながらスマホ」はドライバーだけの問題ではない
令和元年、もはやスマホを所有することは当たり前のようになっており、スマホがないと不便で仕方がないという人も多いでしょう。
筆者も2008年からiPhoneを利用しだし、その後は仕事用とプライベート用の2台持ち、現在では、iPhoneは卒業し、Android(ファーウェイ)を利用しています。
余談ですが、ファーウェイを利用していると、米国が何故あそこまでファーウェイを敵対視するのかがよくわかります。
国内スマホがガラパゴス化したことは残念で仕方ありませんが、それはさておき、確かに一時期は運転中にスマホを覗いているような人を見かけることもありました。
あくまで個人的な感覚ですが、最近では、さすがに「ながらスマホ」で運転する人を見かけることはなくなりました。
警察庁の資料を見ても、一過性のものかもしれませんが、平成30年では事故件数が減少していますので、当局の取り締まりが厳しくなったというのも大きな理由でしょう。
ただし、その一方で増えているのが、「ながらスマホ」の自転車や歩行者です。特に歩行者でしょうね、横断歩道を渡る際に「ながらスマホ」している人は良く見かけます。
クルマが止まってくれるものと確信しての「ながらスマホ」でしょう。もちろん、クルマのほうがより注意する必要はありますが、やはり、クルマも通行する横断歩道などでの「ながらスマホ」は危険と言わざるを得ないでしょう。
2019年12月1日、改正道路交通法が施行されました
2019年12月1日から改正道路交通法が施行されましたが、今回の改正の目玉となるのが「ながらスマホ」に関するものとされており、運転中のスマホや携帯電話の使用をはじめとした違反行為に対して従来よりも厳しい罰則が適用されることになりました。
今回改正される道路交通法では、スマートフォン・携帯電話使用等に対して、罰則の強化、および違反点数の引き上げが行われました。
携帯電話の使用等により、道路における危険を生じさせた場合の携帯電話使用等(携帯電話使用等【交通の危険】)の罰則では、従来の罰則は3か月以下の懲役または5万円以下の罰金であったものが、改正道路交通法では1年以下の懲役または30万円の罰金へと強化されています。
改正後は反則金の適用はなくなり、刑事罰の適用がなされるほか、違反点数が2点から6点に引き上げられることにより、免許停止処分の対象となります。
また、スマホや携帯電話などでの通話や、スマホやカーナビゲーションの画面を注視する行為を行った場合の携帯電話使用等(携帯電話使用等【保持】)の罰則は、従来の5万円以下の罰金から、改正後は6か月以下の懲役または10万円以下の罰金に強化されました。
反則金も大幅に変更されています。
大型:7,000円→25,000円
普通:6,000円→18,000円
二輪:6,000円→15,000円
原付:5,000円→12,000円
違反点数も1点から3点へと変更されました。
次世代のモビリティライフとスマホ
近年、スマホほど私たちの生活を大きく変えたものもないかもしれません。
100年に1度の変革期と言われるモビリティ産業にしても、スマホなしではありえなかったのかもしれません。
なにせ、クルマの鍵やカーシェアなどのサービスもスマホアプリ、クルマが「所有するものから利用する」ものへと変化するのには、スマホの存在抜きにしてはここまで急速に進むことはなかったでしょう。
ただし、完全自動運転化が進むまでの間は、スマホの利便性の高さは、私たちドライバーにとっては諸刃の剣であり、使い方を間違ってしまうと、交通事故という悲惨な結果に繋がってしまう可能性もあるのです。
そう考えてみると、完全自動運転化というのは、次世代のモビリティライフにとっては絶対的に必要なものなのでしょうね。
カーシェアユーザーも注意したい「ながらスマホ」
カーシェアユーザーも「ながらスマホ」には要注意です。特に、カーシェアユーザーの場合にはスマホを使いこなしている人が多いでしょうし、普段クルマを運転しない若い人の場合には注意が必要です。
スマホが大流行したのはこの10年ですから、教習所で習っていないという人もいるかもしれません。
また、普段運転している人なら、「ながらスマホ」がいかに危険であるかはよく理解していると思われますが、たまに利用するカーシェアユーザーの場合には、危険性を十分理解していない可能性もあります。
問題なのは、スマホに気がいくことで集中力散漫となりますので、普段しないようなミスを犯しがちになります。
クルマを運転するということは、しばしスマホから離れるということを十分に意識する必要があります。
まとめ
2019年12月1日から改正道路交通法が施行されました。今回のポイントは、「ながらスマホ」に対する罰則が強化されたということです。
いまや、多くの人が四六時中スマホを眺めていますが、運転中にこれをやると、思い罰則が科せられることになります。
もちろん、罰則は関係なく、危険な行為ですから、運転する際にはスマホを見てはいけませんし、どうしても気になる場合には、きちんと安全な場所に停止して、スマホを確認するようにします。
今後はカーシェアリングサービスでも、スマホアプリがクルマの鍵になることになることが増えそうですが、運転の際にはそれ以外では利用しないようにしましょう。
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