トヨタの自動運転体験会が開催される
トヨタの米国の研究所「トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)」は、2020年7月から9月にかけて、自動運転実験車「TRI-P4」を使用し、一般の方を対象とした同乗試乗(体験会)を実施すると発表しました。
今回実施される実験は自動運転のレベル4相当になり、自動運転実験車「TRI-P4」はレクサスLSをベースに開発されたもので、実験試乗が実施される場所は東京都港区のお台場エリアとなります。
この実験試乗については、参加希望者が登録したうえで、参加者が決定することになります。また、今回のレベル4相当の自動運転実験は、日本の交通法規のもと試乗中の万一の事態に備えるため、セーフティドライバーが運転席に座る予定となっています。
詳細は今後の発表を待つことになりますが、2020年の7~9月という時期は、東京オリンピック・パラリンピック前のレベル4自動運転の実験、およびオリンピック・パラリンピック期間中にレベル4自動運転によるバスが運行予定となっていますので、これに合わせて実施されるということではないでしょうか。
いずれにせよ、レベル4自動運転に乗るチャンスはそうそうないでしょうから、関心のある方はチャレンジされてみてはいかがでしょうか?
お台場での体験会
今回のトヨタによるレベル4自動運転の体験会が実施されるのはお台場です。
お台場を選定したことについて、TRIのCEOでありトヨタのフェロー(高度な専門性を有する役員)でもあるギル・プラット氏は「お台場の複雑な交通環境で、自動走行を成功に導くことは、限られた短い時間の中で技術をより早く向上させるという高い目標を自らに課すことに他なりません」と話します。
トヨタとしては、東京オリンピック・パラリンピックという世界舞台で、トヨタの自動運転を世界にアピールするという目的があります。これは事業者としては当然のことですが、実はお台場とは自動運転実験にはうってつけのエリアといえそうなのです。
お台場とは、その名の通り江戸時代の砲台設置場所の跡地であり、現在では埋め立てが進み、都心からすぐのリゾート地のようなエリアとして一定の人気があります。
レインボーブリッジからの夜景も大変きれいです。ちなみに、レインボーブリッジの上は首都高が走り、下を一般道(歩道もあります)が走っています。
お台場は、都心とは言え、新しい街のため区画整理や道路整備が整っており、休日以外は渋滞するようなこともあまりありませんし、近年の高層マンション建設ラッシュで人も住んでいますが、クルマの走る道路と歩道は区別されていますので、自動運転の実験をするには都心の中では最適なエリアといえるのです。
また、オリンピック・パラリンピックの選手村もお隣の有明にあることから、2020年7月ころからのレベル4自動運転は、同じ道路のインフラを利用するものと思われます。
米国でも進められる自動運転の実験
今回のトヨタによるレベル4自動運転の体験会は、公道で行われるものとしてはぶっつけ本番で実施されるようなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、米国ではすでに公道レベルでの実験が進められています。
TRIとトヨタの先進技術開発部門である「トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンス・デベロップメント(TRIAD)」(TRI-P4自動運転ソフトウェアの実用化を担当)は、一体となって開発を進めており、米国ミシガン州のオタワレイクのテストコースで実験が行われています。
TRIは、このコースでレベル4の自動運転車が自動走行する場所の厳しいインフラの特徴や運転シナリオを再現してきました。同様に、TRIの研究拠点であるミシガン州アナーバー、カリフォルニア州ロスアルトス周辺の公道でも実験は行われています。
つまり、米国でのインフラをそのままお台場に持ってきて、日本の公道でも同乗試乗(体験会)を行うということであり、安全性には万全の体制が敷かれていると考えられますから安心です。
自動運転レベル4とは
自動運転とは、レベル0からレベル5まで分けられており、今回実験となるレベル4以降がいわゆる自動運転のことであり、完成形のレベル5は日本では2025年度に完成させることを目標としています。
ちなみに、現在あるACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)などはレベル2(部分自動運転)となり、一つ上のレベル3(条件付き自動運転)になると、限定的な環境もしくは交通状況のみ、システムが加速・操舵・制動を行い、システムが要求した時にはドライバーが対応しなければなりません。
これに対して、レベル4(高度自動運転)とは、特定の状況下(高速道路などの決まった条件内のみ)で加速・操舵・制動といった運転操作を全てシステムが行い、その条件が続く限りはドライバーは運転操作に全く関与しません。
レベル4とは、完全自動運転となるレベル5とほぼ同じものですが、ドライバーは万が一に備えて同乗しているという部分が異なります。
今回のトヨタの体験会は、まさにレベル4のもので、万が一の場合に備えてドライバーが同乗していますので、参加者は安心して高度自動運転を体感することができるというわけです。
トヨタ、そして日本の自動運転技術が世界に向けて発信される
マラソン問題や、東京湾の汚染状況などオリンピック・パラリンピックを直前に控えて諸問題も発生していますが、半世紀ぶりに日本で開催されるオリンピックという偉大なイベントは、スポーツの祭典としてだけでなく、日本のテクノロジーを世界に向けて発信する大きな機会ともなります。
つまり、相当な準備期間を積んだうえでの実験であり、ここで万が一にも失敗するようなことがあると、日本の主要産業である自動車産業は自動運転という次世代テクノロジーから大きく遅れることにもなりかねません。
その意味からも、お台場という場所も慎重に選定されたものであり、相当な準備期間を経ての体験会であり、東京オリンピック・パラリンピックでお披露目されることになります。
レベル4の自動運転で一定の評価を得ることができれば、次は完全自動運転となるレベル5の完成を待つだけとなります。官民一体となった日本の目標では、前述のように2025年となっており、遂にSFの世界が現実の世界となってしまいます。
まとめ
2020年7~9月の期間で、トヨタによるレベル4自動運転の体験会が実施されます。詳細は発表を待つことになりますが、一般の方が対象となっており、登録した人の中から参加者が決まるようです。
私たちも次世代テクノロジーであるレベル4自動運転を体感できるチャンスとなります。自動運転ってどういうものなのか関心があるという方は是非登録してみることをおすすめします。
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