独自路線を走るホンダはどこへ向かう
漏れ聞くところによると、創業経営者である故本田総一郎氏は、社名にご自分の名前を付けてしまったことを生涯悔やんでいたといわれますが、浜松のバイク屋としてスタートして、世界的な自動車メーカーとなり、F1レースで世界中を驚かせることになるとは想像もされていなかったのかもしれません。
今やホンダは、売上14兆6千億円(2016年3月期:連結)、従業員23万人ほど(2019年3月現在:連結)の押しも押されぬ世界的な自動車メーカーとなっています。
しかし、名経営者が存在していたあの頃に比べると、最近のホンダは大企業となってしまい、往年のような革新性が失われたのではという声も聞かれるようになっています。honda.jetくらいでしょうか、クルマのフィットなど売れてはいるのですが、プリウスやアクアほどのインパクトはありませんし、ノートe-powerのような革新性もありません。はっきり言って地味なのです。
そんなホンダですが、EVに関しても目立った動きを見せていませんでしたが、ここにきて遂に沈黙を破り、量産タイプの新型EVを発表しました。
遂に登場!ホンダの新型EV「ホンダe」
ホンダは、ドイツ・フランクフルトで開催されている2019年フランクフルトモーターショーにおいて、欧州における電動化ビジネスの展開について発表しました。
ホンダeは、2025年までに欧州における新車販売を100%電動化(EV化)するというホンダのコミットメントの次なる段階となる新型EVとなります。欧州市場を意識したデザインと使いやすさを重視して開発された、都市のライフスタイルに合ったEVとなるように設計されています。
バッテリー容量や価格は
ホンダeは、新開発となる後輪駆動のEV専用プラットフォームを採用し、バッテリーは35.5kwhの容量で1回の充電で最大約220kmの走行が可能となります。急速充電機能により30分で80%までの充電が可能、0-100km/h加速は約8秒です。
さて、気になる価格のほうは、100kwのモーター搭載のベースグレードが約350万円となり、113kwモーター搭載のアドバンスグレードが約380万円となります。また、月額4万円ほどでホンダeに乗れるプラン(サブスクリプションサービス)も提供されます。
ホンダeには、AI(人工知能)とコネクテッドサービスとして、「OK ホンダ」の言葉で起動するAIアシスタント機能「Honda Personal Assistant」、スマートフォンアプリ「My Honda+」を使用して車両のロックやロック解除ができるデジタルキー(バーチャルキー)も採用されます。
また、エクステリアでは、電子ミラーシステム(サイドカメラミラーシステム)でカメラは隠れ、インテリアではダッシュボード全面に13.2インチのデュアルタッチスクリーンを搭載して先進性を表現しています。
すでに、英国、ドイツ、フランス、ノルウェーで優先注文の予約受付を開始しており、英国では9月10日から実際の注文を受け付け、2020年夏ごろに英国で登場する予定です。
EVとしての先進性はそれほど感じませんが、欧州市場での量産化を目指した工夫は至る所に見られ、現時点でのモビリティサービスとしての先進性を集めたというところでしょうか。
日本での販売予定は
気になる日本での販売予定はどうなっているのでしょうか?
公式に発表されているところによると、日本発売は2020年度中となっています。日本では、すでにリーフが発売さており、また現状ではHVやPHVが普及している日本市場は、欧州市場とは異なる戦略が必要だと考えているのでしょうか?
時期的には、東京オリンピック・パラリンピック前にというのが理想的でしょうが、その場合でも、顔見世程度であり、本格的な投入には、さらに充実した先進性と整えてからとなりそうです。
ホンダのカーシェア「Everygo」
上記で、今のホンダは地味だなんて言ってしまいましたが、筆者の親はずっとホンダユーザーでしたし、その関係でホンダ車を購入したこともあります。NSXとまでは言いませんが、昔のプレリュードやインテグラなどが懐かしく、オデッセイあたりからでしょうか、売れるものの欲しいと感じるクルマがなくなったという印象があります。もちろん、あくまで個人的な感想です。
ホンダの「EveryGo」ってご存知でしょうか?今でこそ、トヨタの「モビリティカンパニー」宣言によるカーシェア参入や、リーフとe-powerに特化した日産のe-シェアモビが登場していますが、実は、自動車メーカーとして最初に登場したカーシェアリングサービスは、ホンダの「EveryGo」です。
サービス内容は非常に充実しており、自宅近くにステーションがあれば利用すると思いますが、何せカーステーション数が少ないため利用できません。ホンダの本気度は感じられないサービスですが、他社に先駆けていち早くサービス提供しています。
プラットフォームはあるけれどもコンテンツがというところでしょうが、このホンダeの登場により、カーシェアのEV化など新たなサービスを期待したいところです。
ホンダはどこと組むのか
トヨタとスズキの資本提携により、日本の自動車メーカーは、トヨタグループ、日産・三菱、ホンダの3つのグループに分かれたとみられています。100年に1度の変革期と言われる自動車産業は、世界的にも資本提携。合併が続いていますが、今のところホンダにはこれといった動きは見られません。
ホンダクラスの規模となると、なかなか簡単にはいかないのでしょうが、ドイツではダイムラーとBMWがモビリティサービス面で手を組んでいますし、ホンダも次世代のモビリティサービスで生き残るためには何らかの動きがあるのではとも思われます。
トヨタなど日本メーカーなのか、はたまた噂の中国の自動車メーカーなのか、気になるところです。
まとめ
遂にホンダが動きだす!
2020年夏ごろには、欧州市場でホンダの新型量産EV「ホンダe」が発売されます。日本でも2020年中には発売予定です。すでに、ホンダはカーシェアリングサービス「EveryGo」を提供しており、ホンダeがカーシェアの車両として提供される可能性もありそうですね!
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