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スピード違反に次ぐ検挙数の一時停止違反
筆者が通っている都内の駅前にあるスポーツクラブに行く途中、暗い夜道では見逃してしまいそうな「一時停止」の標識がある狭い道路の交差点には、遅い時間でも交通課のお巡りさんが違反者を監視しています。
最初のころは全く気づきませんでしたが、駅前ということでタクシーが多く、妙にタクシーがその交差点では数秒間は一時停止していましたので、もしかするとと思ったら、ここは定期的に取り締まられている知る人ぞ知るスポットでした。
内閣府によると、平成29年中における車両等の道路交通法違反(罰則付き違反)の取締り件数は約648万件で、最も多いのが最高速度違反の約148万件で、2番目に多いのが一時停止違反の132万件となっています。
速度違反や酒気帯び運転などと比べると危険性という点では、それほどでもないと思われる一時停止違反ですが、近年の取り締まりとしては歩行者の通行妨害などに力が入れられている傾向がありますので、一時停止違反の取り締まりも強化されていると考えられます。
一時停止違反で検挙された場合には、警察官より青切符が切られます。そのため、普通車の場合には違反点数が2点加算され、反則金7,000円を支払うことになります。
たかだか一時停止くらいで、と考える人も多いでしょうが、年間132万件以上検挙されているということは、1日当たり36件前後の人が検挙されていることになりますので要注意というところでしょう。
一時停止について正確に知っていますか?
道路交通法第43条では、交通整理が行われていない交差点で一時停止の標識(上記の標識など)がある場合の通行法について書かれています。
道路交通法第43条
車両等は交通整理の行われていない交差点、またはその直前において、道路標識等により一時停止するべきところが指定されている時には、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合には交差点の直前)で一時停止しなければならない。
なお、交通整理が行われていない交差点とは、信号がない、または点滅信号の交差点をさします。
何秒止まっていればよいのか?
一時停止の定義においては、何秒停止すればよいのかはどこにも記載されていませんが、教習所などでは「3秒止まれ」と指導されことが多いようです。実際、筆者の火曜スポーツクラブ近くの一時停止標識のある交差点でも、多くのタクシーは3秒前後停止しており、これは取締りしている場所なのかなと気づいた次第です。
何故3秒なのかというと、車両が完全に停止し左右などの安全を確認した場合に「少なくとも3秒かかる」というところからきているようです。もちろん、常識論の話であり、規定されているわけではありませんが、3秒停止したとしても検挙されないとは限りませんが?
どのあたりで停止するのか
それでは、一時停止の標識がある交差点ではどのあたりのところで停止すればよいのでしょうか?道路交通法第43条では、停止線がある場合にはその直前、停止線がない場合には交差点の直前とあります。
そもそも一時停止する目的を考えると、交差点での事故を防ぐことが目的ですから、停止線がある場合には車両が停止線に掛からないように停止すればよいでしょう。
道路交通法の直前と手前では厳密には異なりますが、交通裁判の判例を見てみると直前とは1m以内のことを指すことが多いようです。
歩行者や自転車も一時停止する必要があるのか
この一時停止の標識があるところでは、歩行者や自転車も一時停止する必要があるのでしょうか?
上記の道路交通法第43条では、車両等は~という規定になっており、道路交通法上の「軽車両」に定義される自転車は当然一時停止の義務があります。自転車の一時停止とは、しっかりと両足を地面につけた状態で一時停止します。
ただし、歩行者については、道路交通法上では規定されていませんので、一時停止の標識があっても一時停止義務があるわけではありません。とは言え、もともとは見通しの悪い交差点や交通整理が行われていない交差点にある標識ですので、事故に遭わないように自主的に安全を確認するために一時停止するということが望ましいでしょう。
アメリカにおける一時停止とは
レンタカーはもとより、カーシェアの普及などにより、海外で運転する機会も増えています。特に、日本の免許証で運転できるハワイなどでは多くの日本人旅行者が運転しています。
言うまでもありませんが、日本の道路交通法とは、道徳上の問題はもとより、日本という国の道路事情により規定されていますので、他国のそれとは異なることも多々あります。
ちなみに、アメリカの一時停止について見てみましょう。
アメリカでは、一時停止の標識は「STOP」で、交通ルールでは原則として交差点に先着した順に安全を確認したうえで通行することとされています。
「STOP」の標識とともに、全車一時停止が必要さ交差点には「ALL WAY STOP」や、「STOP 4-WAY」(十字路の場合)または「STOP 3-WAY」(三叉路の場合)が合わせて表示されます。
二方向のみ一時停止であれば、「STOP 2-WAY」が標示されています。(一時停止の標識がない方向からはそのまま通過できます)
交差点以外の一時停止では、アメリカではスクールバスが停車した場合には、その後続車両は最低25フィート(約7.62メートル)離れた場所で一時停止する必要があるほか(追い越し禁止)、スクールバスの対向車も一時停止することが義務付けられています。
また、日本と大きく異なっているのが踏切での対応で、アメリカでは踏切の直前で一時停止することが禁じられています。
日本人が運転するとしたら、多くの場合はホノルルになるのでしょうが、ハワイももちろんアメリカですから日本の交通ルールと異なるポイントが結構あります。旅行でレンタカーなどを利用する際には事前に確認しておきましょう。
カーシェアユーザーも気をつけたい一時停止
ベテランドライバーでも一時停止を正確に理解しているという人はそれほど多くはないかもしれません。ましてや、たまにしか運転しない人や初心者ドライバも多いカーシェアユーザーの場合は尚更です。
カーシェアは短時間利用に最大のメリットがあり、また、都心部での利用が多いという特徴がありますが、カーシェアユーザーが特に注意したい交通違反は、駐車違反とともに、警察が力を入れていると思われる一時停止違反かもしれませんね!
まとめ
最高速度違反で検挙されると、確かにスピード出していたから仕方がないか、という人のほうが多いでしょうが、検挙数では速度違反とそれほど変わらない一時停止違反で検挙されると、標識に気づかなかった、あるいは、誰もいないのを確認して通過したのに、などと納得いかないという人もいるはずです。
確かに、危険な運転をしていたわけでもないのにといいたいところですが、意外と一時停止のことを正確に理解していないというドライバーが多いのもまた事実です。この際に、しっかりと一時停止のことを理解して、年間132万件(平成28年)となっている検挙数を減少させたいものです。
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