令和天皇即位でもおクルマはセンチュリー?
令和元年、新天皇陛下の即位式などで活躍した「御料車」はこれまでどおりのトヨタ・センチュリーロイヤルでした。センチュリーといえば、国産車としては最高級車となり、大企業の社長クラスでもセンチュリーを愛用している人は少なくありません。
天皇陛下が利用される御料車センチュリー・ロイヤルは、2006年(平成18年)から使われており、先代に引き続き2代連続で国産車が採用されました。2代目のトヨタ・センチュリーが土台となっており、内装には和紙や天然木、座席には毛織物、乗降ステップには御影石が用いられているほか、天皇・皇后両陛下が手を振りやすいように窓枠やシートの硬さが調整されています。
尚、もちろん、1台だけというわけではなく、4台のセンチュリーが配備されています。
宮内庁の公式webサイトでは、「御料車は、皇室専用の皇ナンバーのものと、品川ナンバーのものがあります。国会の開会式など公式なお出ましには皇ナンバー、それ以外のお出ましには品川ナンバーをお使いになるのが通例です。」と説明されています。
皇ナンバーとは、フロントグリル隅に取り付けられる直径10㎝ほどの小さなバッジ状の識別プレートです。その際には、通常のナンバープレートに位置には菊の紋章が飾られます。
皇ナンバーのクルマも車検は一般の車両同様に受けなければならないそうです。
トヨタ「センチュリーロイヤル」が選定された理由とは
御料車おとして、トヨタ「センチュリーロイヤル」が選定されたのは、安全性や環境性能、後部座席に乗る天皇皇后両陛下のお姿が沿道から見えやすいこと、などの条件を考慮した結果とのことです。ちなみに、選考にはトヨタだけではなく、日産、ホンダ、ロールスロイス、メルセデス・ベンツ、BMWに車両を打診しています。
トヨタ車としての強みでもあるハイブリッド車であったことや、威厳のある外観デザインというのも好影響を与えたのかもしれませんね。
現在に選考が行われたら、レクサスLSなども候補に入ってくるのでしょうね。
歴代の「御料車」6台とは
皇室の御両社は、現在のセンチュリーで6代目となりますが、歴代の御料車とはどのクルマだったのでしょうか?時代背景とも重なって、なかなか興味深い車種が並んでいます。
初代:ダイムラー・ランドレー
初代(1912年~1927年)の御料車は、当時の「日英同盟」という関係の友好国であったイギリスから輸入したものでした。車体の色が皇室専用の色に塗装され、ドアに菊の紋章がつけられた以外は、普通にイギリスで販売されているものと同じものでした。
2代目:ロールスロイス「シルヴァーゴースト」
2代目(1921年~1936年)の御料車は、高級車といえばこのクルマと言われていたロールスロイス「シルヴァーゴースト」でした。1923年に起きた「虎の門事件」では2台のうち1台が被災しています。
3代目:メルセデス・ベンツ「770グローサ」
3代目(1932年~1968年)の御料車は、当時他国の首脳専用車として多く使われていて高い評価を受けていたメルセデス・ベンツ「770グローサ」が日本でも採用されました。
4代目:キャデラック「75リムジン」
4代目(1951年~1961年)の御料車は、この時代を見ていただければ容易に想像がつきますが、メルセデス・ベンツに変わっていきなりのアメ車ということで、当時は太平洋戦争の敗戦によりGHQ管理下にありましたので、アメリカ製のキャデラックが採用されています。
5代目:日産「プリンスロイヤル」
5代目(1967年~2004年)の御料車は、日産「プリンスロイヤル」で初めて国産車が御料車として採用されたということで大きな話題となりました。一般向けの販売はされておらず、皇室専用の7台のみが制作されました。上皇陛下(平成天皇)が即位された際の即位の礼ではこのクルマが使用されています。
6台目:トヨタ「センチュリーロイヤル」
6代目の御料車は、今度はトヨタの「センチュリーロイヤル」となりました。
トランプ大統領は「ビースト」
来日されたばかりの米トランプ大統領の大統領選用車は動く要塞こと「サ・ビースト」キャデラック・ワンです。
現在のキャデラック・ワンは、2009年にオバマ大統領が就任した時の就任式で使用された車両となっています。セキュリティ上の問題から、クルマの詳細のサイズなどは公表されていませんが、その重装備すぎる内容にエアフォース・ワンを倣ってキャデラック・ワンと呼ばれます。
このキャデラック・ワン、特質すべきはドアの厚さ8㎝、防弾窓が5㎝となっています。万が一に備えて、様々な対策が取られており、価格は17億円とも噂されています。
各国の大統領は王族のクルマは
イギリス:ロールスロイス・ファントⅥ
英国王室の御料車の一つとして採用されているのが、ロールスロイス・ファントムⅥです。
ロシア:メルセデス・ベンツS600 プルマン・ガード
ロシア・プーチン大統領の公用車として採用されているのが、メルセデス・ベンツS600 プルマン・ガードです。あらゆる攻撃から大統領を守る防弾仕様の超高級リムジンです。
ドイツ:メルセデス・ベンツS600
メルセデス・ベンツの最高級車種S600は、ドイツ首相の公用車として採用されています。多くの著名人にも利用されている専用設計のフォーマルリムジンです。
中国:紅旗
中国の歴代国家主席や共産党幹部が公用車として利用しているのは、中国の最高級国産車の「紅旗」です。
インド:BMW7 シリーズ760Li
インド首相の公用車として使われているのは、BMW7シリーズ760Liです。日本の経営者にも大人気のBMW7シリーズです。
オランダ:アウディA8L
オランダ王室が公式車両として採用しているのはカスタムメイドされたアウディA8Lです。
ブルネイ:トヨタ・ランドクルーザー100
さすがは親日国のブルネイ、王室公用車にも日本車が採用されていました。ブルネイ以外には、2014年の時点ではモナコ公国の公用車に1台にレクサスLSが採用されていました。
まとめ
新天皇の即位の礼では、トヨタ「センチュリーロイヤル」が使用されていましたが、皇室の御料車も時代背景とともに変化しており、興味深いものがありました。
各国の大統領や王室の専用車を見ていると、自動車産業に力を入れている国では、さすがに国産最高級車が採用されているケースがほとんどのようですが、それ以外では一般的な最高級リムジンなどが採用されているケースが多いようです。
米国大統領専用車だけは、テロや犯罪対策から特別仕様になっており、防弾どころか、生物兵器にも対応しており、動く要塞・シェルターなどともいわれています。
次の皇室の御料車がいつ採用されるのかは未定ですが、時期的にはそろそろというところでしょうか?
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