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ブレーキとアクセルの踏み間違えから発生する事故が増えている
ブレーキとアクセルの踏み間違えから、誤ってコンビニに突っ込んでしまったという事故が目立ちます。迫りくる高齢化社会を感じさせる特徴的な事件ですが、団塊の世代といわれる方々が待ったなしで高齢者となっていくこれからは、この種の交通事故はさらに増加していくと予想されています。
ブレーキとアクセルの踏み間違え、普段ではありえないような間違いですが、たったこれだけの間違いが時には人命を奪うことにもなりますし、対人事故にはならなかった場合でもコンビニなどの建物に損害を与えてしまった場合には多額の損害賠償が発生します。
コンビニなどに突っ込んだ場合の損害賠償額とは
高齢者が踏み間違えから誤ってコンビニに突っ込んだ場合にはニュースに取り上げられがちですが、実際にはこの手の交通事故はさらに多く発生していると思われます。この場合、コンビニなどの建造物に損害を与えてしまった場合の賠償額はどのくらいの金額になるのでしょうか?
一般的には、コンビニなどの多くの人が立ち寄るような場所に追突した場合の損害賠償額は2,000~3,000万円ともいわれていますが、追突したのがコンビニの場合には、建物の修理代ばかりでなく、修理中の休業補償や営業損失を請求されることになります。(金額は異なりますが、カーシェアやレンタカーのNOCのようなものですね)
損害賠償金は、本来得られたであろう利益から計算されますので、都心の一等地の売り上げが大きい店舗の場合には損害賠償額はそれなりに高額となります。
任意保険に加入していれば、対物補償で賄われますが、対物補償を無制限ではなく5,000万円としていた場合などには不足する可能性もあります。対物補償も無制限にしておくほうが安心ですね。
進まない運転免許自主返納制度
行政のほうでも、踏み間違えによる追突事故や通学中の児童の行列にクルマが突っ込む事故など、高齢者による事故の対策の一つとして、運転免許証自主返納制度などを行っていますが、残念ながら、今のところ思うようには進んでいません。交通の便の良い都心部ならまだしも、地方に行くとクルマがないと生活しにくいという事情などから運転免許を自主的に返納する人は少数のようです。
ブレーキとアクセルの踏み間違い事故に朗報!「踏み間違い加速抑制システム」
2018年12月5日、トヨタ自動車は新型車だけではなく既存のクルマの安全性を高める新たな試みとして、今乗っているクルマに取り付けることが可能な「踏み間違い加速抑制システム」を販売店装着の純正商品として、全国のトヨタ販売店を通して発売開始しました。
発売開始時点で装着可能なのは、初代プリウス(2009年5月18日から2015年12月8日までに販売されたG’s、ウェルキャブ全車を除くモデル)とアクア(2011年12月26日から2018年4月2日に販売されたモデル、G’s、GR-SPORT、X-URBAN、Crossover、ウェルキャブ全車)となりますが、今後、対象車種は増やされる予定です。
現在、トヨタには衝突被害軽減ブレーキシステムを含む安全装備の「トヨタ・セーフティ・センス」がありますが、今乗っていクルマに後付けできないため、この機能が装備される以前のモデルに「踏み間違い加速抑制システム」を追加で装着することができるということです。
価格は、税込みで55,080円となります。驚きの低価格という感じもしますが、高齢者でなくとも購入したいシステムですね。
踏み間違い加速抑制システムの機能
機能1
間違って発信しようとしている前方・後方の約3m以内にある壁を計4個のセンサーが検知してシフトレバーの入れ間違えをブザートランプで警告します。さらに間違って強くアクセルを踏んでも加速を抑制してくれますので衝突の被害が軽減されます。
カメラではなく超音波センサーで対象物を検知しますので、コンビニの壁面などのガラスもしっかりと捉えますので安心です。
機能2
後退時にブレーキと間違ってアクセルを踏み、スピードを出しすぎてしまってもブザーとランプで知らせて加速を抑制してくれますので、衝突の被害が軽減されます。障害物がない状況でも、時速約5km以上でのアクセルの踏み込みや、アクセルを踏み込んだまま時速約5km以上になった時に加速を抑制します。
もちろん、自動ブレーキシステムではありませんので、加速を抑制はしますが自動ブレーキ機能はありませんので自分でブレーキペダルを踏んで停止します。
後付け可能で価格も安いことからカーシェアでも搭載されそう
何とも便利なシステムが登場したものですが、自動運転化時代がまさにせまっているという事実がひしひしと感じられるような商品です。
プリウス、アクアといえば、急成長するカーシェアリングサービスでも多く提供されている車種ですが、今後は、高齢者のユーザ-向きに「踏み間違い加速抑制システム」を搭載したクルマが提供されることも期待されますね。
カーシェアリングサービスで提供されるクルマには、バックモニターシステムやクルマの死角をなくすアラウンドビューモニターなどが搭載されるクルマも増えており、さらに、今後は煽り運転や事故の際に役立つドライブレコーダー、高性能バックセンサー、さらにこの踏み間違い加速抑制システムなど多くの新しいテクノロジーが搭載されてことが期待されます。
少し前までは、ナビとETCさえついていたら満足できるという感じですが、技術革新のスピードはすさまじいもので次から次へとあると便利なシステムが利用できるようになっています。まさに自動運転時代の到来ということなのでしょう。
まとめ
高齢者による踏み間違えからのコンビニへの追突事故というニュースを聞いて、他人ごとではない、あるいは自分のご家族のことを考えて心を痛めた方も多いでしょうが、踏み間違い加速抑制システムの登場は、このような悲惨な事故の減少に大きき役立ちそうです。現時点では利用できる車種が限られますが、対応車種が増えることが強く期待される商品です。
次から次へと新たに登場する「あると本当に便利で役立つシステム」ですが、マイカーの場合には後付け可能だとは言え、一つ一つ自分で購入して取り付ける必要がありますが、カーシェアやレンタカーなら新しいテクノロジーのシステムがどんどん搭載されていきますので、ユーザーは自分では何もしなくとも新たなサービスを利用できるところがうれしいですね。
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