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【事故】あらゆる乗り物に起こりうる「コリジョンコース現象」とは?

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コリジョンコース現象とは

pexels

交通事故の半分は、交差点やその付近などの交通量が多く、おまけに自転車や歩行者が行きかうようなエリアで発生しています。また、短時間利用に大きなメリットのある急成長中のカーシェアリングの場合には、事故の多くはカーステーション内で発生しています。

このように、交通事故が発生しやすいエリアというものがありますので、事故予防の対策としては、安全運転は言うに及ばず、データをしっかりと頭に入れておき対策すれば多くの事故は防ぐことができます。

ところが、交通事故にはそのようなケースばかりではなく、ほとんど交通量のないような見通しの良い交差点でも発生することがあります。まず事故は起こりにくいと考えられる見通しの良い交差点で発生する出会い頭の衝突事故の一つの要因と考えられるのが「コリジョンコース現象」です。

十勝地方で多く発生していることから「十勝型事故」あるいは「田園型事故」と呼ばれることもありますが、コリジョンコースのコリジョンとは「衝突。激突」という意味で、本来なら事故が起こらないような見通しの良い田園地帯など、長距離運転で背景がほとんど変わらないような平地で道路が直角に交差する交差点で起こりやすいといわれています。

 

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何故、コリジョンコース現象は発生するのか

メルセデス・ベンツGLA
http://media.daimler.com

人間が持つ視野の範囲とは、前方に左右それぞれ100度前後と言われています。ただし、対象物の形や色を正確に判断可能な「中心視野」は左右35度の範囲内であり、外側の36~100度前後は一応見えてはいるものの動いていないものの形や色を正確に判断することはできません。

つまり、人間の視野とは「周辺視野にあるもので動いていないものは認知しずらい」ということになり、この特性がコリジョンコース現象を発生させる要因と考えられるのです。

事実、コリジョンコース現象が原因と考えられる事故経験者は、「衝突する直前まで他車の存在に気付かなかった」、「気づいていたが、衝突の危険性があるとは考えていなかった」と証言するケースが多いのです。

これらのことから、「周辺視野のため認識できない」「見えていても止まっていると錯覚して危険を察知していない」「死角になっている」という危険な状態に陥っていることが分かります。

 

通常の事故よりも怖いコリジョンコース現象による事故

事故の危険を感じにくい場所でおこるため大事故に繋がりやすい

事故が多発するような場所であれば、それなりに備えていますので軽傷事故で済む可能性は高くなります。事実、都内の事故多発交差点で事故のほとんどは軽傷事故となっています。

しかし、コリジョンコース現象による事故の場合には危険性のない場所で発生するため、ドライバーも油断している状態であることが多く、大事故になる可能性をはらんでいます。見通しがよく対向車もいなければスピードも出しがちですし、死亡事故につながるようなリスクは高いものとなります。

相手も同様にこちらの存在に気づきにくい

コリジョンコース現象による事故が発生する場所では、相手も同様にこちらの存在に気づきにくいと考えられます。つまり、双方がともにコリジョンコース現象に陥っている可能性があり、スピードも出していれば大事故となってしまいます。

ピラーの死角と重なり、完全に他社に気づかないことも

コリジョンコース現象で認知しづらくなる交差点を走るクルマは。自分のクルマからは斜め45度前方の位置になり、ちょうどフロントガラスにあるピラーの位置にあたるため、場合によっては死角となって前方のクルマが全く見えなくなる可能性もあります。ただでさえ見えにくいクルマが死角に入ることで、さらに危険は高まることになります。

 

 

事故を防ぐ対処法とは

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コリジョンコース現象を防ぐ対処法には、3つの重要なポイントがあります。

1.首を動かして左右の安全を確認する

2.道路標識をよく確認する

3.交差点を通過する場合には細心の注意を

コリジョンコース現象を防ぐ対策としては、走行中に頭や目線を左右に向けて意識的に目線を別の方向に動かすことが考えられます。交差点に向かって、相手のクルマが同じ速度、同じ角度で近づいてくるケースではフロントガラスのピラーが死角となって相手のクルマが見えなくなり交差点侵入時まで気づかないということもあります。

こうしたピラーの死角による事故を回避するためにも交差点に近付いたところで減速して、周囲の安全を確認して、視界を変えることが効果的です。

コリジョンコース現象による事故に対して行政の対策も進んであり、コリジョンコース現象が起こりやすい場所には交差点の手前に「交差点あり」の標識を設置したり、路面に交差点注意を書いていることもあります。路面に凹凸を設け振動でクルマに注意を促す減速帯とも受けていることもあります。

信号機のない交差点では、十分に減速し左右の安全確認をしたうえで通行するようにします。

中心部を周回する「円形交差点(ラウンドアバウト)」の設置も有効な対策として注目されています。中心部を周回するクルマが優先で、交差点に進入するクルマは減速または停止した後に左折して合流するので出会い頭の衝突のリスクが大きく減少します。

 

JAFチャンネル「危険予知トレーニング 農道交差点編」

 

クルマ以外にも起こるコリジョンコース現象

pexels

コリジョンコース現象が発生するのはクルマばかりではなく、あらゆる乗り物での可能性が考えられます。特に、比較的相対速度の低いヘリコプターなどが有視界飛行を行う際にも、コリジョンコース現象が発生することがあり、空中衝突事故の原因となっています。

また、ジェット機などの場合は相対速度が速いため、完全にコリジョンコースに乗って接近する相手機を目視するのは不可能ですから、空中衝突防止装置(TCAS)等の使用や、航空管制の支援を受けることが極めて重要となります。

 

まとめ

交通事故というと、交通量の多い交差点やその付近と考えますが、事故が起こりにくいと思われている見通しの良く対向車もほとんどないような交差点でもしばしば事故が発生しており、その要因として考えられるのがコリジョンコース現象と呼ばれるものです。

コリジョンコース現象による事故は、通常の事故のように予知していない状況でのものであり、ドライバーも油断していてるケースが多く大事故につながる可能性が高くなっています。コリジョンコース現象を回避する3つのポイントを頭に入れて、安全運転を心がけるようにしましょう。

カーシェアリングやレンタカー利用の際にも、十勝地方などのような田園風景が広がるような道路を走行する際にはコリジョンコース現象に注意することが大切です。

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