日本列島に襲い掛かる災害からクルマを守るには
災害は忘れたころにやってくるといわれていますが、ここ数年の日本においては、忘れる暇もなく矢継ぎ早に災害におそわれている感じがします。ここ数か月だけを見てみても、西日本における記録的な大雨による災害、そして連日続く猛暑日、さらに、これまた予想する人はほとんどいなかったという北海道が震度7の大地震に襲われています。
現在の中高年の方々の社会科の教科書には、関東大震災しか乗っていなかったもが、阪神大震災が加わり、中越大地震、そして東日本大震災、教科書には乗らないかもしれませんが、まさかの熊本大地震や今回の北海道大地震と、一体何が起こっているのかと多くの人は感じているでしょう。
このような状況の中、災害対策に関心を持つ人が急増していることは良いことですが、意外と災害対策として意識が薄いのがクルマに関する対策です。阪神大震災では、クルマが高速道路の崩壊により悲惨な状況となるところを目の当たりにしましたが、さらに、東日本大震災では多くのクルマが津波によって流されていくところをリアルタイムで見ていた人も多いでしょう。
災害は、いつどこで起こるかはとても想定できません。万一、クルマに乗っている時に災害に出くわした場合にはどう対処すればよいのでしょうか。ここでは、多く発生している災害別にクルマに乗っている場合の対策についてみていきます。
ゲリラ豪雨
ゲリラ豪雨とは、近年に猛暑日が続く8月前後に多い現象として、天気予報などではお馴染みの言葉となっていますが、軍事用語のゲリラからとられた(ゲリラは奇襲攻撃を中心とする)もので、いつどこで発生するか分かりにくいという集中豪雨の一種です。
お昼過ぎまでは40度近いような猛暑が続いていたと思ったら、夕方頃には急に水分を欲したかのように集中的な雷を伴い大雨となることが度々ありますが、落雷や水害、また雹が降ってくることもあります。
運転中にゲリラ豪雨に遭遇した場合の注意点としては、以下の点に注意しましょう。
・大量の雨によるスリップの危険性となる「ハイドロプレーニング現象」で、ハンドルがきかなくなります。
・集中豪雨による濡れた道路では制動距離が伸びます。いつも以上にスピードを落とすことが重要です。
・ゲリラ豪雨では視界が一気に悪くなりますので、前方注意のためにスピードを落とすこと、また、後続車の追突を避けるためにも早めにライトを点灯して自車の存在をアピールします。
・冠水した道路に入ってしまうと、クルマが動かなくなり水没してしまうこともあります。特に、アンダーパス(道路と鉄道などの立体交差ヵ所)などのすり鉢状になった道路には絶対入らないようにします。
・近年のゲリラ豪雨には雹を伴うものも発生しており、雹が当たるとクルマがボコボコになってしまいますので、速やかに屋根のある場所へ移動するようにしましょう。
台風
日本列島というと、最近は地震というイメージを持つ人も多いでしょうが、クルマ運転時に遭遇する可能性として最も多いのは台風でしょう。特に、台風銀座といわれるようなエリアで生活している人たちにとっては、8月~9月前後は要注意の時期となります。
JAFによると、2016年8月22日~23日に発生した台風9号による依頼内容と件数を見てみると、534件の依頼の中で345件が冠水車両の牽引となっており、圧倒的に完成が多いことが見て取れます。いかに多くのドライバーが、このくらいは大丈夫だろうと考えて、冠水した路面に入っていっているかが分かります。
台風はゲリラ豪雨などとは異なり、あらかじめ予測することもできますので、台風の時は運転しないというのが一番ですが、台風により電車などの交通機関がストップすることも多く、送迎などでやむを得ず運転することもあるでしょう。
運転時に台風に遭遇した場合には、スピードを落とすことはもちろんですが、分かってはいるものの早く家路につきたいということで逆に飛ばす人が多いようです。しかし、非常に危険な行為となりますので、必ずスピードは落とすようにし、強風が吹いている場合には煽られてクルマが横転しないように気を付けます。また、早目のライト点灯や場合によってはフォグライトやバックフォグも点灯させましょう。
さらに、これがもっとも大切なことになりますが、冠水には要注意ということで、なるべく知っている道を運転するようにし、冠水の可能性のあるような道路は避けるようにしましょう。やむを得ず知らない道路を運転するというケースでは、国土交通省が出している「冠水路マップ」を利用したり、ハザードマップで予め確認するようにしておきたいところです。
大雪
2018年2月に北陸地方を襲った大雪では、国道8号では一時1500台以上のクルマが立ち往生することになりました。一夜明けた翌日には自衛隊による救援活動が続いていますが、翌日になっても完全解消のめどは立ちませんでした。
このようなケースで問題となるのは、クルマに長時間閉じ込められることにより、命の危険性を伴うこともありうるという問題です。クルマの周りに雪が積もってしまうと、排気ガスが行き場を無くして車内に侵入して一酸化炭素中毒になる可能性があるのです。2月の大雪でも、残念なことにエンジンをかけたまま雪に埋もれたクルマの中から一酸化炭素中毒事故によるとみられる死亡者が出ています。
このケースでは、エンジンを切るというのが確実なのですが、しかし、防寒のためにエンジンを付けるという選択もありますので、その場合にはマフラー周りをこまめに除雪することが大切です、窓を開けるだけでは、風向きによってはかえって危険性が高まることもありますので注意が必要です。
また、豪雪地帯でなくとも、大雪に見舞われた場合には、積もった雪の重さでカーポートがつぶれて下敷きになる事故があります。
地震
地震については、少なくとも阪神大震災や東日本大震災でリアルタイムでクルマの惨状を見た人も多いでしょう。阪神大震災では、突然の地割れや道路陥没にクルマが落ちる光景が思い出されますし、東日本大震災では、最早言うまでもありませんが、想定外の津波に多くのクルマが飲み込まれることになりました。
クルマを運転中に地震が発生した場合には、以下のような行動をとりましょう。
・周囲の状況を見ながら、道路の左側にクルマを寄せて停止する。
・揺れが収まるまではクルマから出ず、ラジオなどから情報収集して行動する。
・緊急車両などの通行の妨げになる可能性もあるので、キーはつけたままで避難する。
次に、クルマを運転中以外に地震が発生したときには、以下のように行動します。
・津波から避難するためやむを得ない状況を除き、避難のためにクルマを使用しないこと。
・津波から避難するためにやむを得ずクルマを使用するときには、道路の損壊、信号機の作動停止、道路上の障害物などに十分注意しながら運転する。
まとめ
もはや他人ごとではなくなってきている災害時の対策ですが、通常の災害対策はもちろんのこと、クルマの災害対策についても十分な知識を持っておきたいところです。
クルマを所有していると、災害時には何かと大変ですが、利用したいときだけ利用することができるカーシェアリングサービスなら、災害時の対策などもほとんどのことはカーシェア事業者がやってくれますから助かりますね。
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