多様化するモビリティライフ
蒸気機関の発明は、世の中を大きく変えることになりましたが、その最たるものがクルマをはじめとする交通手段の発達であることに異論の余地はいないでしょう。
日本の歴史で見てみると、ほんの百数十年前の江戸時代には歩いてお伊勢参りにいっていたものが、現在では、クルマ、電車、飛行機などを利用すれば、東京からでもわずか数時間で行けるようになっています。東京から伊勢まではおよそ500~600kmほどでしょうから、歩いていくことがどれほど大変なことなのかが分かります。
そんな大変なことにもかかわらず、昔の日本人はお伊勢参りを喜びとしていたわけですから頭が下がります。しかし、そんな有難いお伊勢参りも、モビリティ産業の発達は1日で可能にしてしまい、その気とお金さえあればいつでも何度でも行けるようにしてしまいました。
このように、国内であれ海外であれ、クルマや飛行機、電車などを利用すればどこにでも行けるようになった時代ですが、ここでは、多層化するモビリティ産業の中でクルマが無くならない理由を考えてみました。
どこにでも行ける
一昔前のアニメの影響から、「どこでもドア」が欲しいという人が多くいましたが、この「どこでもドア」とはクルマの延長線上にあるもので、遠い将来か未来にクルマが進化した存在なのかもしれません。つまり、クルマを必要とする最大の理由が、いつでも好きな場所に行くことができるというポイントであり、クルマさえあればいつでも自分の夢を実現させることができるのです。
冒頭のお伊勢参りは言うに及ばず、昔の人は富士山や白川郷に行きたいと思っても、そう簡単に実現させることはできませんでした。それは、どんなお金持ちであろうとお偉いさんであろうと同じで、物理的な問題がありますから、お金があっても問題解決には至らなかったのです。
ところが、現代では、それほどお金が無くても誰でも簡単にお伊勢参りや富士山、白川郷などに行くことができます。なぜならばクルマがあるからです。今では、クルマは所有していなくても、カーシェアリングやレンタカーを利用することで簡単に夢を実現させることができるようになっているのです。
クルマに代わる、どこにでも行ける夢を実現させてくれるものって何でしょうか?パッと考え付くのは、ネットサーフィンくらいしか思いつきません。
プライベートな空間
江戸時代のお伊勢参りでは、旅籠などの宿泊施設が間に合わなく相部屋というのが当たり前のようなシステムとして存在していたようですが、最近では相席はあっても相部屋する人はいないでしょう。
最近若い人を中心に人気となっている夜間高速バスには個室タイプも登場していますし、飛行機でもプライベートジェットが何かと話題となっています。
人間がそもそもプライベートな空間を求めているわけではないと思いますが、周りを気にせずにくつろげるプライベート空間というのは、現在のような時代には求められているのであり、日常生活から解放されるひと時をプライベート空間が提供してくれるのです。
クルマは、バスなどを除けば、もともとプライベート空間を提供していますので、これも人々がクルマを必要としている大きな要因になっていると思われます。
雨風寒暖からの避難場所として
熊本大震災の際には、車中泊する人たちのエコノミー症候群などが話題となりましたが、大地震が来るとは考えていなかったであろう熊本の人たちにとって、クルマといういざという時には避難場所としても使える乗り物は大変役に立ったことでしょうし、心強い存在でもあったでしょう。
このように、クルマには大雨や台風などの強い風、あるいは寒暖な状態から一時的に避難できる空間を提供するという利便性も兼ね備えています。自転車やバイクもそれなりに便利ですが、この点ではクルマには及びません。
寝泊まり可能
全国に点在する24時間利用可能な駐車場、トイレのある道の駅や手軽にアウトドアを楽しめるオートキャンプ場の普及によって、クルマの中で寝泊まりする車中泊が新しい旅行の方法として注目を集めていますが、クルマには寝泊まりすることができるというメリットもあります。
前述の熊本大震災のような避難先としての利用の他にも、新しい旅行の方法としても注目されていますし、最近では、カーシェアリングサービスをホテル代わりに利用するというニーズも新たに登場しています。
クルマに寝泊まりする場合には、夜とは言え外から丸見えということになりますが、最近ではクルマでの寝泊まり専用のカーグッズが多く販売されており、目隠しで外から見えにくくしたりすることも可能です。利用者の少ない夜間はカーシェアの料金もセット料金でお得な金額となっおり、ホテル代わりに利用する人も増えてきそうです。
資産代わりとしてのクルマ
カーシェアリングの登場により、クルマを所有することに比べるとカーシェアやレンタカーを利用することで大きなコスト削減が実現できるようになっており、以前に比べると資産代わりにクルマを所有するという考え方は少なくなっています。
しかし、よく言われる6年目のベンツなどのように、税金対策としてクルマの減価償却を利用するというニーズはありますので、減価償却期間の少ないベンツやBMWなどの高級車を購入して節税対策をするとともに、いざという時には車買取業者に売却することでまとまった資金を手にすることができるというメリットがあります。
人間とは進化する存在であるという事実
人間とは進化する存在だといわれますが、確かに年老いて進化しなくなるとこの世からは消えていくことになります。お釈迦さまは、この世とは娑婆(シャバ)であり、人間が修行して進化成長するための場所であると悟りましたが、ある意味では、クルマは人間を成長させるために存在しているのかもしれません。
クルマをはじめとするモビリティ産業は成長を続けています。クルマにしても単に運転するだけから完全自動運転という夢のような時代が目前に迫っていますが、まさにこのような時代を作ることで人間は進化発展しているのです。
クルマがこのような存在であり続ける限りは、人間はクルマを必要とするでしょうし、クルマが世の中からなくなることは無いでしょう。
まとめ
どこにでも行ける、プライベートな空間、雨風寒暖からの避難場所として、寝泊まり可能、資産代わりとしてのクルマという、クルマがなくならない理由を5つあげてみましたが、これらは時代によって変わっているのかもしれません。
クルマが成長している限りは必要とされる存在で有り続けるでしょうから、成長度合いによってもこれらの理由が変わっていくのが当然だと思われます。例えば、カーシェアリングの登場でモビリティライフに大きな変化がみられるようにです。
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