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実は恐ろしい道路上での雑草除去作業
俄かに信じられないような事故ですが、実はほとんどの人が知らないにもかかわらず大変危険性の高い事故です。
動画に登場する路上での雑草除去作業自体はよく見かける光景ですが、こんな危険性があると知っていた人は少ないかもしれません。この事故は、何も草刈り機が故障したわけではなく、草刈り機の刃が石などの異物にぶつかることで、割れた小石が飛散したり、あるいは草刈り機の刃がかけて飛散したりして起こった事故なのです。
高速道路などでクルマにはねられた小石がフロンドガラスにあたって傷がついたという経験のある人はいるでしょうが、草刈り機の使用中にも草ばかりではなく周りの小石を飛ばしてしまい停車中や、あるいは走行中にクルマを損傷させてしまうことがあるのです。
通常、路上での草刈り作業では、小石などが跳ね飛ぶことをあらかじめ想定して十分な飛散防止対策を施して、飛散防止カバーなどを設置するのですが、動画のように最初は対策が施されていたものの、次の画面のように対策が施されていない場合にはこのような事故につながることも多くあります。
また、昨今では、テレビショッピングでもよく見かける家庭用に草刈り機も安価に入手することができるようになっており、自宅で草刈り機を使用して作業していたところ、自宅を通りかかったクルマを破損させてしまうような事故も発生しています。自宅で使用する場合には飛散防止対策をとることは稀でしょうから危険度も増すことになります。
カーシェアリングユーザーは特に注意したい草刈り作業
個人で草刈り機を使用する場合には、2人以上で作業するようにしてベニヤ板などを飛散防止カバーとして小石などが飛散しないようにするのが理想的なのですが、ここまでやるような人は少数でしょう。草刈り作業自体は非常に重要な作業なのですが、草刈り機の使用にはこのような危険性があることを十分理解しておく必要があります。
さらに厄介なことが、実際に事故を起こしてしまった場合に発生します。現状では、草刈り作業中にクルマに小石の飛散で損傷を与えられた場合には、当事者同士で解決するしか方法がない可能性が高いのです。
つまり、草刈りによる小石などの飛散が原因でクルマに損害が及んだことが明らかな場合には、相手方が認めている限りは修理代を請求すれば弁償してもらえるでしょうが、相手方にそれらの認識がない場合やあったとしても素直に修理代の弁償に応じない場合には非常ににややこしくなります。
特に、カーシェアリングユーザーの場合には注意が必要で、通常の交通事故であれば、警察に連絡して事故証明をもらえば、あとはカーシェアリング会社の保険会社に任せておけば良いのですが、この場合には交通事故とは見なされないので警察から事故証明をもらうことができません。
つまり、最悪NOC(ノンオペレーションチャージ)は、自分に責任がないにもかかわらず支払う羽目になる可能性が高くなります。
保険会社の対応は?
高速道路で小石が飛んできてフロントガラスなどが破損した場合には。車両保険に加入していれば飛び石被害の補償で保険は降りるはずですが、このケースではどうなのでしょう。
残念ながら、草刈り機による損傷では車両保険は適用されません。保険会社の見解としては、クルマからの小石などの飛散を想定しており、その場合には保険は適用されますが、草刈り機などによる飛散は自動車保険の適用外という判断のようです。
そもそもこのケースでは警察の交通事故証明も出ませんので、自動車保険は当てにできないと考えたほうが良く、最終的には当事者同士で解決するしかないというのが実情です。
今回のような事故を補償する保険としては、生命保険や自動車保険の個人賠償責任保険や日常生活賠償特約などに加入しておくと保険が適用されるようです。
カーシェアリング利用中に草苅作業現場に遭遇したら
草刈り作業をしているからといって、必ず小石などが飛散してくるわけではありません。むしろ、飛んでこない確率のほうが高いわけですし、草苅業者などの場合にはしっかりと飛散防止の対策を講じているでしょうから、その場合には必要以上に過剰反応する必要もないでしょう。
ただし、明らかに飛散防止対策をとってないケースでは、逆に過剰反応するくらいでちょうどよく、とりわけカーシェアリング利用中などは一目散にその場から離れるようにしましょう。
消費者センターに報告されている草刈り作業中に飛散防止策をしなかった理由として、道路などから離れていたので道路まで飛散することはないと考えていたというケースが多いのですが、つまりそれほど遠くまで飛んでくることもありますので、できるだけ遠くに離れたほうが間違いありません。
動画のように、信号などで停車していたケースでは、万が一飛散物が飛んできた場合には運が悪かったとあきらめるしかないでしょう。
お隣さんが草刈り機を購入して草刈りを始めた場合
前述のように、最近ではテレビショッピングの影響もあり、個人でも簡単に高性能な草刈り機を購入することができるようになっています。草刈りや芝刈りは大変な重労働ですから、個人で草刈り機を購入する人も多くいます。
消費者センターに報告されている事故には、お隣さんが草刈り機を購入して草刈り作業を行っていたところ、飛び石により自宅駐車場に停めていた自分のクルマが損傷してしまい、賠償をめぐってお隣さんと気まずい関係になってしまった、というものもあります。
草刈り機が普及すると、このような問題が増えてくることは容易に想定できます。とは言え、草刈り機を購入する人がしっかりとした飛散防止に対する知識を持っていれば良いのですが、そうでない場合には飛散防止対策はしませんし、ましてや草刈り機の購入とともに前述の個人賠償保険などに加入する人は皆無でしょう。
お隣さんと親しい間柄であれば、草刈り機を使用する場合の注意点について話をすると良いでしょう。
草刈り機を使用する場合の注意点
国民生活センターでは、草刈り機などの仕様に際しては以下のような注意喚起を行っています。
・作業中には、クルマや家への飛散防止対策をしっかりと行う
・作業者自信を守る飛散防止カバー・ゴーグル・長袖長ズボンなどの保護具を装着する
・飛散の少ないナイロンコードカッターを使用する
最近の個人向け商品には、さすがにナイロンコードカッターのものが増えていますが、それでも安心せずに最低限の飛散防止対策は考えておきたいものです。
まとめ
クルマに関する飛び石というと、高速道路での問題と考えてしまいがちですが、草刈り機などによる飛び石がこんなにも危険なものだとは考えていなかったドライバーのほうが多いと思われます。
車両保険の適用が難しいとなると、カーシェアリングユーザーが雑草除去作業などに遭遇した場合に、飛散防止対策が施されていないようであれば、なるべく近づかないようにして、できるだけ遠くに離れるようにすることが賢明です。
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