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カーシェアリング

カーシェアが日本で大きく普及しない5つの理由

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世界のカーシェア事情

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ここ数年で急速に拡大した日本のカーシェアリング市場ですが、首都圏を中心として発展したこともあり、成長率には若干の陰りも見え始めています。

世界のカーシェアリング事情を見てみると、1987年にスイスで始まってから1997年からはスイス政府によるエネルギー対策の一環として、カーシェアリングを公共交通機関の一つと位置付けてから急激に発展することになり、その後はドイツ、そして欧米でマーケットを拡大させていくことになりました。

つまり、世界的にはエネルギー対策として急成長したという事情もありますが、自動車産業が国の主要産業である日本では、エネルギー対策にシェアリングサービスという発想はあまり用いられず、得意の省エネ分野を活かしたハイブリッド化などによる低燃費車が多く登場することになります。

日本でカーシェアリングが急成長した理由としては、省エネ対策というよりは、むしろ首都圏での土地価格の高騰が要因であり、駐車場価格の高騰によるクルマの維持費が高くなったことから、多くの人がカーシェアリングサービスに注目するようになっています。

従って、カーシェアビジネスも首都圏中心のものであり、カーシェアビジネスは土地開発ビジネスという側面が強いため、欧米のような成長が難しいという事情があります。

もちろん、駐車場代金の問題以外にも様々な理由がありますが、ここでは、日本国内でカーシェアリングが欧米のように大きく普及しない理由を解説してみます。

 

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カーステーションの問題

カーシェアリング
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20140521/265040/

前述のように、日本ではバブル時代から首都圏の土地価格が高騰することとなり、バブル崩壊後に少しな安くなってはいるものの、それでも首都圏の駐車場代は高いものであり、それはマイカー所有者が駐車場を借りる場合にはクルマの維持費の高額化に繋がっています。

このことが、首都圏を中心とするカーシェアリング市場を拡大させることになったのですが、逆に言うと、需要があるのは首都圏のみという状況で、地方ではほとんど発展していないのが実情です。

また、首都圏でカーシェアリングが急成長できたのは、それ以前に急成長していた首都圏の駅前などに点在している時間貸し駐車場を利用できたということが大きいのですが、この時間貸し駐車場の数には限界がありますし、利用者の多い時間貸し駐車場を利益率がそれほど高くないカーシェアに無理やり譲る必要もないわけです。

現状の時間貸し駐車場を頼ったビジネスモデルには限界が近づいており、日本国内で見た場合にはカーシェアリング市場自体も頭打ちとなる可能性もあるのです。

 

若者のクルマ離れ

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高度成長期と呼ばれた時代には、クルマを所有することがステータスであると考えられ、多くの若い男性は好きな女の子とドライブするのが憧れであり、18歳になれば当たり前のように運転免許を取得して、夢を実現させようと努力していました。

ところが、高度成長時代が終焉し、バブル経済も崩壊していくと、子供たちにはゆとり教育と呼ばれる競争のない教育が施されるようになり、女の子をドライブに誘うどころか、彼女を作ろうともしない若者たちが主流となるような時代になっています。

さらに、インターネットの時代には、多様化が加速度的に進行しており、クルマに興味を持つような若者は少数派となり、多くはスマホやゲームに熱中することになりました。

このようにクルマを運転しない、あるいは、クルマに関心を持たない世代が増えてきているという日本独特の事情もあります。

 

個人間カーシェアという文化の問題

世界のカーシェア事情と日本のそれで大きく異なる部分に、個人間カーシェア市場の普及という問題もあります。日本でここ数年に急成長したのは、企業によるカーシェアリングサービスであり、個人間カーシェアについてはつい最近始まったばかりというところです。

日本では、カーシェアリングがエコ的な発想から普及したのではなく、土地開発としてのサービスとして普及していますので、そもそも個人間でクルマをシェアするという発想がありませんでした。

また、特に欧州などではクルマを傷つけることは、運転の一部であり当たり前という考えがありますが、何でも大事に扱うという日本人の考え方にはありませんので、他人様のクルマを傷つけたらどうしようという文化の問題もあるでしょう。

同じ感覚でいうと、企業によるカーシェアリングサービスを利用していても、他人と同じクルマをシェアしているという感覚に乏しく、あくまでサービスを利用しているという考えですので、次の人が乗りやすいようにしておこうという発想は日本人の場合にはそれほど生まれてこないのです。

 

アプリからの予約方法が少し面倒

Honda EveryGo
Honda EveryGo

タイムズカープラスなどのカーシェアリングをすでに利用している人の多くは、スマホで予約されているかと思いますが、スマホからの予約方法が少し面倒・・・とは思いませんか?

普段パソコンから予約している人ならば、予約完了するのに時間が倍以上はかかるスマホアプリで予約しようとは思わないでしょうし、スマホしか利用しない人でも、アプリのUI/UXのせいで、カーシェアって利便性が高いと聞いていたけど予約するのは少し面倒だと思うかも知れません。

現在のスマホアプリの使いやすさを考えるに、若い世代をターゲットにしているのではなく、ある程度の高い年齢層をターゲットにしているとしか思えません。若生世代への普及のためにも改善を期待したいところです。

昨年末より、ドコモがdカーシェアとして業界参入していますので、スマホアプリについても利用しやすくなっていくことが期待されます。

 

好きな車に乗れるというわけではない

現在、日本で普及しているカーシェアリングは、タイムズカープラスやカレコなどの企業によるサービスで、短時間利用ほどメリットを享受できるサービスとなっており、買い物や家族の送迎などの利用では抜群の利便性や高いコストパを発揮します。

つまり、純粋にクルマの運転を楽しみたいというよりは、コンビニエンスストアのような便利な存在であり、そのようなニーズにこたえているサービスなのです。

それぞれのカーシェア事業者によっては、多くの車種を取り揃えていますが、その大半はコンパクトカーとなっており、事業者によってはベンツなどの高級車やワゴン車、4WDなども提供していますが、近くのカーステーションで提供されている可能性は低くなります。

好きなクルマに乗れる可能性は、個人間カーシェアでは非常に高くなりますので、今後の個人間カーシェア市場の発展に期待したいところです。

 

まとめ

企業によるサービスとしてのカーシェアリングは日本でも急速に拡大していますが、エコ的な発想で普及している世界のカーシェア事情とは少しばかり異なる部分もあり、日本のカーシェアリングが今後も発展していくためには、様々な課題があるのもまた事実です。

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