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利用者急増で厳しくなるカーシェアのルール
カーシェアリングサービスの利用者がここ数年で急増しましたが、それもそのはずで、これほど便利の良いサービスも珍しいでしょうし、そのサービスを低コストで利用することができるのです。
カーシェアリング事業者にとっては非常に喜ばしい話ですが、ユーザーにとっては必ずしも歓迎すべきものとはならず、利用者が増えると予約が取りにくくなる、タイムズカープラスのようにあまりにも急成長すると車両の質が落ちてくるなどの問題は当然出てきます。
さらに困る問題として、カーシェアサービスの利用ルールが厳しくなるという問題もあります。利用者が増えることで、中にはルールを守らないような人も増えますし、事故の件数も多くなります。元々、収益性が高いビジネスというわけでもありませんので、そうなると事業者側は約款変更してルールを厳しくしようとします。
2017年4月には、タイムズカープラスは会員資格の取り扱いについて変更を行い、全損および車両大破により自走不可能な事故を2年以内に2回起こした場合、あるいは、2年以内に複数回の事故を起こした場合には、会員資格の取消や車両修理実費を請求することがあります、としました。
カレコでは、2018年4月以降から2年間に複数回の事故を起こした場合には、2回目以降の事故についてはユーザー負担の金額が、自走可能な場合に5万円・自走不可能な場合には10万円へと変更され、また、会員資格の取消や運転登録者停止することもある、となりました。
ある意味ではやむを得ないというところもありますが、ヘビーユーザーからしたら迷惑千万なルール変更といえるでしょう。
最悪のケースでは会員資格を剥奪されることも
カーシェアサービスとは、一台のクルマを複数のユーザーでシェアして利用するものですから、最低限のルールは必要になりますし、皆がルールをきちんと守って、次に利用するユーザーのことを考えて利用するようになると、大変有効な素晴らしいサービスとなります。
もちろん、様々な問題があることも事実で、よく見かける例としては、カーステーションにクルマを返却する際に前向き駐車で返却するユーザーがいます。普通に考えらば、次の人が利用しやすいように後ろ向きで入れてほしいと思いますが、必ずしもそうとは言えない部分もあります。
まず、欧米では、駐車する際には前向き駐車が当たり前ですし、日本のカーシェアは首都圏の遊休土地を利用した時間貸し駐車場をステーションとして発展しましたが、言うまでもなく、駐車しにくいステーションも非常に多く、女性ドライバーなどは事故を避けるために前向き駐車したくなるのも無理からぬ話です。
このような矛盾点も結構ありますので、一方的なルール改正には異論のあるユーザーも多数いるというのが現状でしょうが、ルールを守らない場合には、会員資格を取り消されてしまうこともあります。
大手3社の場合、どのようなケースで会員資格が取り消されるのでしょうか?
タイムズカープラスの会員資格取消のケース
タイムズカープラスでは、2017年4月のルール改正時に、会員資格の取消についても明確化しており、下記の項目に該当するケースでは会員資格取消となります。
無断延長
無断延長したうえに、次のユーザーに迷惑をかける行為があった場合、3回で会員資格は取り消されます。
非会員への車両貸与
非会員への車両貸与(運転含む)した場合
事故
事故発生時に、法令上およびタイムズカープラス所定の処置を怠った場合
車内喫煙
タバコを吸っているところを発見した場合、もしくは、タバコを吸っていた事実をタイムズカープラスが把握した場合(電子タバコも含む)
ペット同乗
ペットが同乗しているところを発見、もしくは、ペットを同乗されている事実をタイムズカープラスが把握した場合
灯油運搬
車両に積載しているところを発見、もしくは、利用後に積載していた事実をタイムズカープラスが把握した場合
料金の支払い
料金支払いの遅延および未払い
乗り捨て
無断で乗り捨てを行った場合
駐車違反
駐車違反して警察に出頭がない場合
他の会員に対する迷惑行為
過度な未利用キャンセルを繰り返したり、勧告後も改善が見られない場合など
以上、明確化という割にはあいまいな内容も含まれますが、普通に利用している限りは問題ないようなものばかりで、強いて言えば、無断延長と事故については頭に入れておきたいところです。
カレコの会員資格取消のケース
カレコでは、2018年4月にルール改正を行い、これまでの会員資格取消基準が少し厳しめに変更されています。これは、利用者が急増していることに加えて、断トツのシェアを持つタイムズカープラスが2017年にルール改正したことも影響しているでしょう。
内容としては、ほぼタイムズカープラスと同様という感じですが、事故を起こした場合の自己負担の部分がタイムズカープラスの全額負担とはなっておらず、上記のように自走可能な場合は5万円、自走不可能な場合は10万円となり、すべての面においてタイムズカープラスより有利な条件を提供するカレコらしい改正となっています。
また、カレコでは、タイムリーな改正として、危険運転行為や無謀運転行為についても会員資格が取消となることもあります。
オリックスカーシェアの会員資格取消のケース
今でこそ、タイムズカープラスの後塵を拝していますが、日本で初めてカーシェアサービスを提供したのは現オリックスカーシェアで、すなわち、利用ルールを初めて作成したのもオリックスカーシェアとなり、いくつかの点で特徴的な部分もあります。
無断延長については、原則は同じでしょうが、一応は次の予約のユーザーに迷惑をかけた場合には3回で会員資格取消となりますが、他のユーザーに迷惑をかけていない無断延長については繰り返し行った場合となっています。
また、事故についても、重度の事故で修繕費用が保険価格を超過した場合、もしくは修繕費用が30万円を超過した場合には2回で会員資格は取消となります。(ユーザーに過失がない場合や被害事故は除く)
これ以外にも、正しく駐車しない行為が繰り返されたり、駐車券間違えなどの独自のものもありますが、それ以外はおおむね他社と同じ内容となっています。
ルールを守って楽しみたいカーシェアライフ
企業サービスの提供を受けるという点では、様々な問題もありますが、カーシェア自体はルールを守ってすべてのユーザーが気持ちよく利用できるというのが基本原則です。
カーシェア事業者のルールが完璧というわけではありませんが、カーシェアユーザーとしてはルールをきちんと守って、他のユーザーも気持ちよく利用できるように心がけて、楽しいカーシェアライフを楽しみたいものです。
まとめ
クルマを複数のユーザーでシェアするカーシェアですから、守るべきルールがあり、ルール違反を繰り返す場合には会員資格が取り消されてしまうこともありますので注意しましょう。
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