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JAFのロードサービス
1963年に誕生したJAFは、高度成長期によるマイカーブームに乗り直実に会員数を増やしていき、特にロードサービスの提供という強力なキラーコンテンツを武器に、2002年ごろまでは10万人ベースで会員数を増やしていきます。
2003年以降はその勢いにも陰りが見えはじめ、会員数の増加傾向は止まることになりますが、その大きな要因と考えられているのが、1996年の保険の自由化からはじまる自動車保険会社によるロードサービスの提供です。
保険の自由化までは、各自動車保険会社ではほぼ同一のサービスが提供されていましたが、この年からは差別化されたサービスが提供されるようになり、ロードサービスも差別化する商品として登場しました。
これにより、JAFに入っておけばロードサービスが受けられるというメリットがなくなり、任意の自動車保険に加入しているケースでは、ロードサービスをダブって契約しているという状態になり、わざわざ同じサービスを受けるのに2つのサービスを契約する必要はないと考える人が増えることになりました。
JAFと自動車保険会社のロードサービスの違い
JAF,自動車保険会社にはそれぞれのロードサービスが提供されていますが、競争相手のいなかったJAFと保険の自由化により差別化したサービスが求められる自動車保険会社では、自ずと商品力にも差が出ることとなり、同じロードサービスでも自動車保険会社のほうが内容的には上をいるケースがほとんどです。。
通販型自動車保険として人気のチューリッヒ保険とJAFのロードサービスを簡単比較してみました。
簡単ロードサービス比較
ロードサービス内容 | チューリッヒ | JAF |
レッカー牽引無料距離 | 100km(指定工場までなら無料) | 15km |
ガス欠時のガソリン代 | 10Lまで無料(1回のみ) | 有料 |
キーとじ込み | 無料(1回のみ) | 無料 |
バッテリーあがり | 無料(1回のみ) | 無料 |
パンク時のスペアタイヤ交換 | 無料 | 無料 |
各種オイル補充 | オイル代無料 | オイル代有料 |
冷却水の補充 | 冷却水代無料 | 冷却水代有料 |
灯火類バルブ交換 | バルブ代無料 | バルブ代有料 |
落輪引き揚げ作業 | 無料(有料の場合あり) | 無料(有料の場合あり) |
JAFにはない自動車保険のロードサービス
チューリッヒに限らず、自動車保険のロードサービスには、レッカー牽引した場合に以下の費用を保障するサービスがあります。
1.修理後のクルマの搬送費用
2.レンタカー代
3.宿泊施設利用料等
このあたりのサービス内容については、テレビCMでも強調されている部分で、自動車保険会社のロードサービスの特徴といっても良いでしょう。
JAFに加入するメリット
ロードサービスだけを見てみると、年間会員費4,000円(初年度のみ入会金2,000円が別途必要)を支払ってまでJAFに加入する意味は感じられなくなりますが、JAFには独自のお得な優待サービスなども提供されています。
他車に乗車中もサービスの対応
JAFでは、サービスの対象となるのはクルマではなく人(JAF会員)となり、自分のクルマを運転している時だけではなく、レンタカーやカーシェアを運転しているケースや友人のクルマに同乗しているケース、さらに、原付を運転しているケースや最近人気のレンタルサイクルでもサービスが適用されます。
自動車保険の場合には、サービスの対象となるのは契約車両のみとなり、他のクルマに乗っている際にはサービス対象外となります。
JAF会員優待サービス
JAF会員になると会員優待サービスが受けられることになり、日本全国約4,800か所で割引・特典が受けられます。食事や宿泊施設、アミューズメント施設などが通常よりも安く利用できます。
JAF+自動車保険でプラスαのサービスが受けられることも
JAFと提携する保険会社であれば、通常の会員サービスにプラスαの優遇サービスが適用されます。優遇サービスの内容は提携保険会社によって異なりますが、自動車保険会社11社で優遇サービスが受けられます。
例えば、AIU保険の場合には、レッカー牽引の無料移動距離がJAFの15kmにAIUの100kmが加算され、合計で115kmまで無料牽引となります。
自動車保険会社によっては、JAFと組み合わせることでお互い補完しあえるケースもあります。
カーシェアサービスの利用にJAFは必要か
近年、首都圏を中心に利用者が急増しているカーシェアサービスですが、カーシェアを利用して運転する際にもJAFの会員であったほうが良いのでしょうか。JAFのサービス対象は、クルマではなく会員(人)となりますので、カーシェア運転中の事故にもJAFのロードサービスは受けられることにはなります。
ただし、実際には、カーシェアで提供されるクルマは保険代金込みでの利用料金となっていますので、カーシェア会社が提携するロードサービスを受けることになります。
従って、カーシェア利用のためにJAFの会員になるメリットはほぼありませんので、わざわざ年会費4,000円を支払って会員になる必要はありません。
万一、カーシェア利用中に故障や事故を起こした場合には?
事故のケース
カーシェアリング利用中に、事故を起こしたり巻き込まれたりした場合には、まずは人命救助やけが人がいないかを確認し、次に、二次事故の防止の対策をしっかりとする必要があります。焦らずに落ち着いて、まずやるべきことをしっかりとやることが大切です。
ここまで完了したら、次に、保険が適用されるためには事故証明書が必要ですので、どんなに小さな事故の場合でも警察に連絡する必要があります。それからカーシェア事業者の事故対応窓口(カスタマーサポートセンター)に連絡します。
警察より先にカスタマーサポートセンターに連絡する人も多いのですが、オペレーターから先に警察に連絡した後に最後ご連絡お願いしますという指示が出ますので、指示に従いましょう。
カーシェアには保険が付帯していますので、事故に対しては補償の範囲内で保険が適用されますが、車両に修理が必要な場合には営業補償としてノンオペレーションチャージが発生します。
故障のケース
カーシェアリングで提供されているクルマは、カーシェア事業者によって定期的にメンテナンスされていますので、むしろマイカー利用のケースよりも故障の頻度は少ないと考えられます。
それでも、万が一故障した場合には、速やかにカーシェアリング会社のカスタマーサポートセンターに連絡しましょう。また、クルマをぶつけたり、傷をつけた場合にも同様にカスタマーサポートセンターに連絡する必要があります。
カーシェアには自動車保険が付帯していますので、故障に対しても補償の範囲内で保険が適用されますが、利用者の不注意による故障や物損の場合には、利用者が負担しなければならないケースもあります。
ノンオペレーションチャージ
カーシェアリング利用中に、自己や過失等によって車両の修理や清掃が必要になった場合、その期間の営業補償として補償金額を支払う必要があります。これがノンオペレーションチャージと呼ばれるものです。
ノンオペレーションチャージの金額は各社によって設定されていますが、通常は以下のような金額が平均的となります。
自走し、カーステーションに返却した場合:20,000円
自走できず、カーステーションに返却できなかった場合:50,000円
まとめ
クルマではなく、会員(人)が対象となるJAFのロードサービスは、レンタカーやカーシェアのクルマも対象となりますが、カーシェアの場合には、保険が非常に優れており、ロードサービスもカーシェア事業者の提携サービスを利用します。
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