MT車のメリットって何!
欧州に行くと驚くほどMT車(マニュアルトランスミッション)が多いのに気づきますが、日本国内ではMT車を見かけることはほとんどなくなってきており、車といえばAT(オートマチックトランスミッション)車というのが一般的です。
それもそのはずで、1991年に始まったAT限定免許制度以前の免許取得者にはそもそも選択の余地はありませんでしたが、日本で販売されている多くの車がAT仕様車である現在、マニュアル車に乗る機会が少ないですし、自動車学校でもAT限定免許のほうが若干簡単で安上がりなため、こちらを選択する人が増えている状況です。
欧州でも中高級車になるとほぼAT車になってくるのですが、小型車に至っては現在でもほとんどはマニュアル車という状況で棲み分けがあるのですが、日本の場合には何でも便利にしてしまうというお国柄からか、最近ではマニュアル車を見ることはほとんどなくなりました。
欧州でマニュアル車が支持されているのには、それなりのメリットがあるからですが、何といってもAT車にはないクラッチを踏んでギアチェンジするという醍醐味がありますので、AT車に比べると車をコントロールしている感はかなり高いでしょう。
欧州では、AT車は女性の車といわれているように、本来の車の運転を楽しむという観点からはマニュアル仕様の車のほうに分があるのかもしれません。
日本でも車を所有する時代から楽しむ時代に移行したといわれており、スズキのアルトワークスのようにマニュアル車として支持を受けている車も登場しています。
車種にもよるでしょうが、スポーツカータイプを楽しむならAT車よりもマニュアル車のほうが圧倒的に楽しいという人も多く、MT車復活とまではいかないかもしれませませんが、EV車や完全自動運転化に反対する方向で存続するのではないでしょうか。
カーシェアサービスでMT車は借りられるのか?
車は所有する時代から楽しむ時代に移行したといわれますが、楽しむ時代の代表的はモビリティ産業であるカーシェアリングサービスを利用して、マニュアル車を楽しむことは可能でしょうか。
調べてみたところ、残念ながらタイムズカープラス・カレコ・オリックスカーシェアの大手3者では、マニュアル車の貸出は行っておらずすべてAT車対応となっていました。
考えてみればそれも当然で、車を楽しむ時代とは言え、便利さこの上ないサービスというのがカーシェアリングで、これほどユーザーが便利で安いと感じるサービスも近年それほど多くはないと思われますので、提供する車はすべてAT車というのも納得のいくところです。
ただし、前述のように一定の需要が出てくるという兆しもありますので、今後新たな差別化サービスとして登場する可能性はあるでしょうし、現状でも、Anycaなどの個人間カーシェアでは探せば見つけることはできるでしょう。
また、自動車メーカーによるカーシェアリングサービスも始まってきていますので、差別化するにはもってこいのサービスとなるかもしれません。
レンタカーならMT車もあり?
日本のカーシェアリング事情を考えると、大手3社でほぼ市場は独占されている状態ですので、現実的にマニュアル車を借りて楽しもうとすると、選択肢はレンタカーということになりますが、レンタカーの場合にはマニュアル車を扱っているケースも多くあります。
特に、マニュアル車を好む方の場合には、スポーツカータイプで運転の醍醐味を楽しみたいという方が多いでしょうから、スポーツカータイプを中心にAT車・MT車で選択できるサービスが多く提供されています。
例えば、カーシェア最大手のタイムズカープラスの場合には、会員になるとレンタカーサービスも会員特別料金で利用することができますが、カーシェアではサービスのないMT車でも、レンタカーサービスであれば借りることができます。
タイムズレンタカーといえば、旧マツダレンタカーのことですから、人気のロードスターやRX-8などをMT車として借りることが可能です。
同様に、オリックスカーシェアではMT車の提供はありませんが、オリックスレンタカーであればMT車を借りることも可能です。ただし、オリックスレンタカーの場合には、MT車はオンラインからは予約できないようです。
スポーツカー専用のおもしろレンタカー
あまりにも便利の良すぎるカーシェアサービスに押され気味のレンタカー業界ですが、車を楽しむ時代に適応したような多様化したサービスを提供する業者も登場してきています。
千葉県野田市に本社を構える「おもしろレンタカー」は、そんな時代を先取りしたサービスを提供している会社の一つで、他のレンタカー会社では提供しないような高級スポーツカーを中心に貸し出しを行っており、成田空港店、千代田区一番町店など全国に7拠点を抱えるまでになっています。
スポーツカータイプが中心ということで、マニュアル車も多く提供されており、高級輸入車タイプから前述のスズキ・アルトワークスなど多くのMT車が用意されており、マニュアル車で運転の醍醐味を味わいたい、あるいは、マニュアル車の練習をしてみたいという方にはおすすめのレンタカー会社です。
おもしろいことに、最近「おもしろレンタカー」を利用する人が増えているのですが、その多くは急増するアジアを中心とした富裕層の海外旅行者によるインバウンドの利用で、高級スポーツカータイプのマニュアル車に人気があるようです。
近所に買い物に行くのならカーシェアサービスで十分ですし、長距離の移動の際にはレンタカーが便利です。しかし、車を楽しみたい方には「おもしろレンタカー」のサービスは魅力あるサービスとなっています。
また、箱根の御殿場で営業するFun2Driveでは、国産車からフェラーリ、ランボルギーニなどの外国車まで古い車中心ですが、他のレンタカー会社ではありえないカーマニアにはたまらないような希少価値のある車を貸出しています。
古い車中心ですから必然的にマニュアル車が多くなりますが、短時間から利用できますので、マニアならずとも箱根によった際には気軽に利用できるサービスです。
自動車本来の魅力を引き出すのは、ひょっとしたらAT車ではなくMT車のほうかもしれません。
まとめ
2020年の東京オリンピックまでには、自動運転車が登場することになりそうですし、日本政府の目標としては2025年までには完全自動運転が計画されています。
当然、車はEV車が標準となりますので、中心はAT車となり純粋なMT車はほとんどなくなることになるかもしれません。
しかし、便利なモビリティライフはかえって車を楽しみたいというニーズを喚起することになりそうで、マニュアル車を運転するという醍醐味は一定の需要を持ち続けることになるでしょう。
そんなレンタカーを探してみる際には、レンタカーや他のカーシェアリング会社との料金比較ができる『カーシェアリング・レンタカー比較のDRIVE go SEARCH』で探してみることをおすすめします!