あなたが買っているのは資産、それとも負債?
車ほど便利なものはないと考えている人は世の中には大勢います。
それもそのはずで、行きたいと思ったところに電車やバスに乗らずに、ほとんど歩くこともなく行けるわけですからこれほど都合の良い商品もそう多くはありません。
加えて、高度成長期と呼ばれていた時代にはマイカーを所有することはステータスと信じられてきました。
しかし、バブルの崩壊から長期デフレ時代が続く中で、マイカー(自家用車)所有に対する考え方が大きく変化してきており、コスパが悪いからマイカーは所有しないという人が急増してきています。
多くの人は、マイカーを所有するために一体いくらのコストがかかっているのか、自分の人生でトータルどのくらいの金額をマイカーに費やしているのかを冷静に考えるようになってきたのです。
経済成長が見込めた時代には、自宅やマイカーを持つことが目的であり、そのために一生懸命に仕事をするという考え方が主流でしたが、成熟化した多様化社会では、自宅やマイカーにお金をかけること以外のほかの選択肢が多く提供されるようになっているのです。
コストをかけてマイカーを維持するのが当たり前と考えられてきた時代から、もっと効率よく車を利用して、他の楽しみにお金を使おうとする人が急増しているのです。
現代社会では、金持ちと貧乏人を分けているのは、資産を購入しているか、負債を購入しているのかという違いであるという考え方があります。
資産とは、そのもの自体が収益や何らかの価値を生み出すもののことであり、負債とは、それ自体は収益や価値を生み出すことなく、ただ毎月返済(支払い)が続くことになるもののことです。
この考え方からいくと、一生の中で最も高い負債となる買い物とは、自宅とマイカーということになるのですが、あなたは、どれほどマイカーにお金を費やしているのか考えたことがあるでしょうか?
車をローンで購入した場合の毎月のコストっていくら?
マイカーがあると便利だからお金が多少かかっても所有するのが当たり前という時代から、コストを見直してもっと有意義な人生を楽しみたいと考える時代に変化しというのは本当でしょうか、いったいコストってどのくらいかかっているのでしょうか。
マイカーにコストがかかるといっても、国産車であればたかだか200~300万円ではないかという人もいるかもしれませんが、問題となるのは維持費であり、都心の場合には駐車場料金も大問題となります。
よく言われる自動車ローンについては、現在は2~3%の低金利で利用できるケースもあり、その場合には現金で購入するよりもお得感すら感じますが、車体代金を毎月支払うことには変わりはありません。
それでは、この10年間で最も売れた代表的な国産車の一つであるトヨタのアクアのケースで、どのくらいの維持費が発生するのかを見ていきます。
アクアは、コンパクトカーでありながら非常に乗り心地の良い車で、排気量1.5Lのハイブリットカー、カタログ上の燃費はリッター37.0kmで実燃費でも楽に20kmを超える超がつくようなエコカーです。
アクアの維持費
- 自動車税:34,500円
- 重量税(2年・減税無し):24,600円
- 自賠責保険(12か月):16,350円
- 任意保険(車両保険あり):53,780円
- ガソリン代(実燃費25kmで年間1万km・130円のケース):52,000円
- 車検費用(2年):30,240円
ガソリン代はケースバイケースで変わってきますが、ほぼほぼ必要最低限のものとして考えても、アクアを維持するためには年間で20万円前後がかかることになります。
これはあくまで維持費ですから、ここに車体料金+駐車場代金その他がかかってくることになります。
車体料金については、購入代金250万円、適用金利3.0%の7年払い(84回払い)を利用したとして、毎月の返済額(ボーナス返済無し)は33,033円で年間返済額は約39万円となります。
新車(7年払い)で購入した場合には、車体料金と維持費だけでもトヨタのアクアの場合でも60万円前後かかることになり、毎月の負担は約5万円となります。
さらに、ここに最大の問題ともなる可能性がある駐車場代金がかかってくることになり、特に首都圏の場合には大きな負担額となります。
自宅に駐車場がある場合は問題ありませんが、一般的な駐車場代金は、地方の場合には2,000円~1万円台、首都圏の場合には2万円~3万円以上というところでしょう。
ここでは、首都圏の最安値クラスの2万円のケースで計算しますが、年間で24万円、維持費、車体料金と合わせると年間合計が約84万円で、毎月の負担は約7万円ということになります。
単純に、無事故・違反もなし・故障もなしで乗り続けたとしても、年間で約84万円ということは、10年間で840万円、20年間では1,680万円、30年間では2,520万円を負担していることになります。
例えば、結婚して子供の誕生を契機にマイカーを購入する人も多いですが、順調に子供が大学を卒業するまでのマイカー所有による負担額は、上記のケースで84万円×22年間で1,848万円となります。
最近は、親の収入による子供の教育格差が問題視されていますが、マイカーさえ所有していなければこの問題は解決されてしまう可能性もあるわけです。
マイカーのコストは資産なのか負債なのか
上記の資産は、首都圏在住でトヨタアクアを7年ローン(3.0%)で新車購入した場合のものですが、実際には駐車場代金が大きな部分を占めますので、地方か首都圏かでは大きく異なってきます。
中古車の場合には車体料金も抑えられると考える方もいるかもしれませんが、7年乗るという前提ですから、買い替え頻度などの問題もあり、それほど大きくコストダウンさせることは難しいでしょう。
むしろ重要なのは、このマイカーにかかるコストとは、資産を購入していることになるのか、負債を購入していることになるのかということです。
例えば、個人タクシーの場合には、車は収益を上げますので資産ということになりますが、一般的には個人所有のマイカーの場合には負債と考えられます。
もちろん、マイカーは自分の生活にとって欠くべからざるものであり、十分価値あるサービスを享受していると考える人もいるでしょう。
例えば、地方などの交通の便が悪いエリアで生活している人の場合にはそのような存在となります。
ただし、あくまでそれに代わるサービスがないという条件の下での話であり、首都圏のように交通機関が充実している場合にはほとんどのケースでは負債となってしまいます。
カーシェアリングが急成長している理由
最近、首都圏を車で少し走っていると、必ずと言っても良いくらいに見かけるのが、Timesやcareco、Orixなどのシールが貼ってあるコンパクトカーで、これはレンタカーではなくカーシェアリングの車です。
この10年間ほどで見渡す限り、最も急成長した産業の一つがこのカーシェアリングサービスといわれていますが、首都圏を中心に急激な勢いで伸びてきており、多くの時間貸し駐車場は各カーシェアリング会社のサービスステーションとなっています。
カーシェアリングサービスがこれほど急成長したのは、時間貸し駐車場が既に存在していたことが大きな理由ですが、それ以上に大きな理由として考えられるのが、マイカー所有に対する考え方の変化です。
この大きな潮流はもはや誰も止めることはできず、マイカーからカーシェアに乗り換える人は増え続けています。
まとめ
あなたはマイカーにどのくらいの維持費がかかっているのか、あるいは、生涯どれほどの金額をマイカーに支払うことになるのか考えたことがあるでしょうか。
マイカーのコストとは、通常の場合には生涯で1~2番を争うような大きな負債であることがほとんどで、この負債から逃れたいと考える人が急増しており、その受け皿として急拡大しているのがカーシェアリングサービスです。
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