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利用料金が最も安いカーシェアリングはどこ?
カーシェアリング大手というと、タイムズカープラス、オリックスカーシェア、カレコ・カーシェアリングクラブの3社が挙げられます。ステーション数は、9,000拠点でほぼ全国を網羅しているタイムズカープラスが圧倒していますが、1,500拠点のオリックスカーシェアも1,100拠点のカレコ・カーシェアリングクラブも都市部に集中しているため、利便性の面ではタイムズカープラスに決して引けは取っていません。その上で、コンパクトカーでの利用料金を比較してみたいと思います。
■カーシェアリング主要3社の料金設定
タイムズカープラス | オリックスカーシェア | カレコ・カーシェアリングクラブ | |
初期費用 | 1,550円(カード発行手数料) | 1,000円(カード発行手数料) | 0円 |
月額基本料 | 1,030円 | 980円(利用料金に充当) | 980円(利用料金に充当) |
時間料金 | 15分206円 | 15分200円 | 10分130円(平日プラン10分80円) |
6時間パック | 4,020円 | 3,500円 | 3,800円 |
12時間パック | 6,690円 | 4,500円 | 5,300円 |
24時間パック | 8,230円 | 6,000円 | 6,800円 |
距離料金 | 1km16円(12時間以上) | 1km15円 | 1km15円(6時間以上) |
ここで、「3時間で走行距離30km」と「12時間で走行距離100km」の2パターンの料金がどうなるか、見てみましょう。タイムズカープラスとオリックスカーシェアについては、すでに会員登録を済ませてカードが発行されているという前提で、初期費用を除いて計算します。また、オリックスカーシェアとカレコ・カーシェアリングクラブの月額基本料は利用料金に充当されるため、実質0円と考えます。
■3時間で走行距離30km
・タイムズカープラス
1,030円+1時間824円×3時間=3,502円
・オリックスカーシェア
1時間800円×3時間+1km15円×30=2,850円
・カレコ・カーシェアリングクラブ
1時間780円×3時間=2,340円
■12時間で走行距離100km
・タイムズカープラス
6,690円+1km16円×100km=8,290円
・オリックスカーシェア
4,500円+1km15円×100km=6,000円
・カレコ・カーシェアリングクラブ
5,300円+1km15円×100km=6,800円
以上を踏まえて考えると、6時間までの利用なら時間料金が安く、距離料金もかからないカレコ・カーシェアリングクラブが最もリーズナブル。平日プランなら10分80円という料金が適用されるため、3時間1,440円で利用できます。一方、12時間以上ではパック料金が安く設定されているオリックスカーシェアのお得感が大きくなります。
参考:2018年カーシェアリングを徹底比較!! <<人気ランキング>>
24時間2,000円!? 格安レンタカー会社、現わる!
すでに25都道府県で展開し、順次店舗を拡大中のガッツレンタカー。インターネット、電話、来店のいずれかで予約でき、最短24時間からのレンタルになりますが、驚くべきはその料金です。対人・対物賠償無制限、人身傷害補償3,000万円の任意保険料込みで、軽自動車のクラスA-1(2ドア車)が2,000円、A-2(4ドア車)が2,500円、コンパクトカーのクラスC-1が3,400円と超リーズナブルなのです。
参考:ガッツレンタカー
また、ビジネスユースや長期間の利用に適した1週間/1ヵ月というレンタルプランも用意。クラスごとの料金はA-1が7,800円/2万4,800円、A-2が9,800円/2万9,800円、C-1が1万7,500円/4万円と、こちらも非常に割安感のある価格設定となっています。ただし、24時間で300km、1週間で1,500km、1ヵ月で3,000kmという走行距離の上限規定があり、それを超えて走行した場合は1kmあたり10円の距離料金が加算されます。
まさに価格破壊と言える利用料金を実現していますが、その一番の理由は中古車ベースで、点検整備や日常的なメンテナンスを自社で行うなど、イニシャルコストをできる限り削減している点にあります。また、ETC車載器やカーナビは基本的に未装着で、必要であれば24時間500円、1週間1000円、1ヵ月2000円のオプション設定としているのも、利用料金を抑えるのに一役買っていると言えるでしょう。
尚、繁忙期となるゴールデンウィーク、夏季(7月16日~8月31日)、年末年始(12月22日~1月8日)は24時間がプラス1,000円、1週間がプラス3,000円となるハイシーズン料金(1ヵ月は割増料金なし)が設定されています。
レンタカーでもカーシェアリングでもない、第3の選択肢
今や定額でサービス利用の権利を与えるサブスクリプションモデルが様々な業界で定着しつつあります。カーシェアリングもそのひとつに数えられますが、その考え方をさらに推し進めたのが、1月下旬に申込受付がスタートしたばかりの、国産新車をサブスクリプションモデルで提供するカルモです。
参考:マイカー賃貸 カルモ
簡単に言えば個人向けのカーリース。ただし、一般的なカーリースが3~7年と長期契約であるのに対して、カルモは最短1年から最長9年まで1年単位で契約し、保有できるのが特徴となっています。人気の上位10車種と月額料金は下記の通りです。
■カルモ人気上位10車種と月額料金(税込)
プリウス 3万6,288円~
ノート 2万4,192円~
C-HR 3万8,124円~
アクア 2万8,404円~
フリード 3万1,428円~
セレナ 3万6,396円~
シエンタ 2万6,676円~
フィット 2万4,408円~
ハリアー 4万4,928円~
ヴェルファイア 4万8,816円~
各車の月額料金はクルマ返却時に想定される価値(残価)をまず算出。それを除いた部分を支払回数(12~108回で選択可能)で割ったものとなります。リース契約となるため、月額料金には自動車取得税や自動車税、自賠責保険料が含まれ、期間を過ぎるとクルマの乗り換えもできます。また、一部の離島を除き、全国で利用することが可能です。ただし、1ヵ月あたりの平均走行距離の上限が1,500km(年間1万8,000km)に制限されています。
カルモと同様のサービスとして2016年8月に始まったのがNOREL(ノレル)です。高年式の中古車を基本に、軽自動車からコンパクトカー、セダン、SUV、ミニバン、スポーツカーまで、あらゆるカテゴリーのクルマが100車種以上ラインナップされ、最大の特徴は最短90日で乗り換え放題ということです。
月額料金は1万9,800円から9万9,800円(税別)の5つに分けられ、それぞれの月額料金で利用できる代表的な車種は下記のようになります。
■月額料金(税抜)と利用可能車種
・1万9,800円
フィット(2008年式)、マーチ(2011年式)、エッセ(2009年式)、アルトVP(2012年式)他
・3万9,800円
クラウン(2008年式)、ミニクーパーS(2007年式)、プリウスα(2012年式)他
・5万9,800円
レクサスCT200h(2011年式)、BRZ(2015年式)、WRX STI(2014年式)、エルグランド(2013年式)他
・7万9,800円
メルセデスベンツCLS350(2011年式)、ボルボV40XC(2013年式)、ロードスター(2015年式)他
・9万9,800円
ヴェルファイアハイブリッド(2015年式)、BMW X3(2013年式)、MIRAI(2016年式)他
この中で、利用開始から5ヵ月後に月額料金が1ランク安くなるクルマ(9万9,800円→7万9,800円など)もあるなど、料金設定にはフレキシブルさを感じることができます。
ちなみに、カルモとの大きな違いは3つあります。1つめはサービス利用が可能なエリアで、NORELは関東1都6県と山梨県、静岡県に限定されます。2つめは初回予約時に50,000円(税別)の年会費が必要で、その後1年ごとに更新料が発生します。3つめは月額料金に対人・対物賠償無制限、人身傷害補償3,000万円の任意保険料が含まれていることです。
尚、NORELにも1ヵ月平均走行距離2,000km(年間2万4,000km)という上限が設けられ、それを超過すると月額料金の20%×利用月数が加算されることになります。
所有、レンタカー、カーシェアリング、個人リース…安いのはどれ?
これだけ「クルマを利用する」ということに関して選択肢が増えてくると、「どれを選ぶのがお得なのか?」という疑問が自然と湧いてきます。そこで排気量1,500ccのコンパクトカーを1年間利用するという条件の下、所有、レンタカー、カーシェアリング、個人リースの4パターンでの料金比較をしてみたいと思います。
■所有
・車両代金 80万円(中古車現金購入)
・自動車税 3万4,500円
・重量税 1万5,000円(24ヵ月3万円÷2)
・自賠責保険 1万2,915円(24ヵ月2万5830円÷2)
・任意保険 6万円
・駐車場代 12万円(1万円×12ヵ月)
・車検代 3万円(2年に一度の車検6万円÷2)
計 107万2,415円/1ヵ月8万9,368円
■ガッツレンタカーC-1クラス
・月額料金 48万円(4万円×12ヵ月)
・駐車場代 12万円(1万円×12ヵ月)
計 60万円/1ヵ月5万円
■カルモ
・入会金 5万円
・月額料金 29万2,896円(2万4,408円×12ヵ月)
・任意保険 6万円
・駐車場代 12万円(1万円×12ヵ月)
計 52万2,896円/1ヵ月4万3,575円
ここまで見てきた金額は、クルマに乗っても乗らなくても必要なイニシャルコストと考えることができ、上記以外に走行距離に応じて別途ガソリン代がかかります。1,500ccのコンパクトカーなので平均燃費を15km/ℓとし、レギュラーガソリン140円/ℓ、1ヵ月あたりの平均走行距離を年間2,400km(月平均200km)から年間1万2,000km(月平均1,000km)までで考えると、ガソリン代は下記のようになります。
■走行距離とガソリン代(年間/1ヵ月)
2,400km/200km 2万2,404円/1,867円
3,600km/300km 3万3,600円/2,800円
4,800km/400km 4万4,796円/3,733円
6,000km/500km 5万6,004円/4,667円
7,200km/600km 6万7,200円/5,600円
8,400km/700km 7万8,396円/6,533円
9,600km/800km 8万9,604円/7,467円
1万800km/900km 10万800円/8,400円
1万2,000km/1,000km 11万2,000円/9333円
上記の所有、レンタカー、個人リースに対して、カーシェアリングの場合はどうでしょうか。年間休日の平均120日のうち、4分の3にあたる年間90日で、60日は買い物など短時間での利用、30日は丸1日レジャーなどで利用したケースを考えてみましょう。
短時間での利用は、最もリーズナブルなカレコ・カーシェアリングクラブ。上の例にも挙げましたが、3時間で走行距離30kmだと利用料金は2,340円になります。それが60日ですから、2340円×60日=14万400円。
また、長時間の利用ではオリックスカーシェアがお得。レジャーを楽しむため24時間借りて走行距離150kmとした場合、料金は24時間パック6,000円+距離料金2,250円(1km15円×150km)=8,250円になり、それが30日なので8,250円×30日=24万7,500円になります。
■カーシェアリングを年間90日利用した場合の料金
・買い物など短時間の利用(カレコ・カーシェアリングクラブ) 14万400円
・レジャーなど長時間の利用(オリックスカーシェア) 24万7,500円
計 38万7,900円
上記の例でいくと、総走行距離は6,300km(買い物など30km×60日+レジャー150km×30日)となりますが、カーシェアリングは利用料金にガソリン代まで含まれています。ノレルがガソリン代まで含むと年間約42万円になるので、ここで例に挙げた使い方であれば、カーシェアリングが最もお得ということになります。レジャーに行く頻度がもっと低く、買い物メインに使うなら、カーシェアリングの安さがさらに際立ってくるのは言うまでもありません。
一方、年間休日120日をフルにレジャーに使うという条件を設定してみます。60日は24時間利用して走行距離150km、もう60日は12時間利用して走行距離100kmとします。
■オリックスカーシェアを年間120日レジャーに利用した場合の料金
・24時間/走行距離150km 49万5000円(24時間パック6,000円+距離料金2,250円=8,250円×60日)
・12時間/走行距離100km 36万0000円(12時間パック4,500円+距離料金1,500円=6,000円×60日)
計 85万5,000円
この料金になると、個人リース(カルモ、ノレル)はもちろん、レンタカーよりも高くなってしまいます。ここではあえて極端な例を出してみましたが、自分がどれくらいの時間、どれくらいの距離を乗るか?ということをしっかりシミュレートして、所有、レンタカー、カーシェアリング、個人リースの料金を比較してもらいたいと思います。
まとめ
短時間の利用はもちろん、レジャーなどで長時間利用する際もカーシェアリングがお得というケースは多々ありますので、DRIVE go SEARCHでぜひ調べてみてください。