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ノートとアクアがまさかの大失速
国内の新車販売動向は、プリウス、アクアというトヨタ車の上位独占状態に待ったを掛けた日産ノートe-powerという図式が今年は続くのかと思っていたところ、何と2019年10月の新車販売動向では、トップを争っていたノートe-powerとアクアがまさかの大失速となりました。
数字を見てみましょう。
2019年10月新車販売台数ランキングトップ10(自販連公式サイトより抜粋)
1位/トヨタカローラ 11,190台 (前年同月比/129.5 %)
2位/トヨタシエンタ 9,302台 (94.5%)
3位/トヨタルーミー 6,962台 (108.1%)
4位/トヨタプリウス 6,898台 (78.5%)
5位/トヨタタンク 5,420台 (96.2%)
6位/日産ノート 5,263台 (54.0%)
7位/トヨタアルファード 5,130台 (88.2%)
8位/トヨタアクア 4,967台 (47.7%)
9位/トヨタヴォクシー 4,394台 (56.1%)
10位/トヨタヴィッツ 4,383台 (73.8%)
新車販売については、先月が消費増税前の駆け込み需要があったことから大幅増となっており、今月はある程度の減少傾向はやむを得ないところでした。
それにしても、日産ノート(前年同月比54.0%)とトヨタアクア(同47.7%)の数字は悪すぎます。これまで上位争いをしてきた両車の大失速はさすがに意外なものであり、一体何が起こっているのか気になるところです。
4~9月の新車販売状況は
消費税導入後の10月に大失速したノートとアクアですが、単月の実績だけでは判断しにくいので4~9月の実績も見てみましょう。
2019年4~9月新車販売台数ランキングトップ10(自販連公式サイトより抜粋)
1位/トヨタプリウス 66,628台(前年比122.5%)
2位/日産ノート 59,474台(94.0%)
3位/トヨタシエンタ 55,602台(143.9%)
4位/トヨタアクア 51,168台(82.2%)
5位/トヨタルーミー 49,206台(110.8%)
6位/トヨタカローラ 48,572台(105.3%)
7位/日産セレナ 45,928台(96.7%)
8位/トヨタヴォクシー 45,615台(111.9%)
9位/トヨタヴィッツ 43,712台(94.6%)
10位/ホンダフリード 43,468台(109.6%)
4~9月実績で見ても、やはりというか、ノートとアクアの落ち込みが目立ちます。日産の場合には、ノートと同じくe-powerシリーズで好調であったセレナも落ち込んでいます。
トヨタについては、アクア以外ではヴィッツも落ち込んでいますが、プリウスは相変わらず好調で、シエンタは絶好調というところです。
この2つのランキング票を眺めていると、コンパクトカーに異変が発生していること、および、日産が不調に陥っていることが見て取れそうです。
ランキング外となりますが、4~9月実績で、日産はエクストレイルも前年同月比72.1%、EVのリーフも前年同月比83.9%となっています。
アクアの販売減少とトヨタの一人勝ち状態
このランキングをみていると、トヨタ車のランキングかと勘違いしそうになりますが、まさにトヨタの一人勝ち状態というところで、あまりにトヨタが強いために日産が落ち込んでいるのかもしれません。
ホンダは、4~9月のランキングトップ10に辛うじてフリードが入っているだけですし、トヨタとの差は一層開くばかりだと思われます。
そんな強いトヨタの中でなぜアクアは大きく落ち込んでいるのでしょうか?
アクアといえば、モデルチェンジしないのに売れ続けるクルマということで有名でしたが、さすがに賞味期限切れが近づいているのかもしれません。
2020年2月中旬には新型ヤリス(ヴィッツ)が登場しますが、アクアと現行ヴィッツの販売減少というのは、ヤリスの影響が大きそうです。
単純に考えても、筆者が営業マンならアクアからの買い替え需要などは、新型ヤリスまで伸ばしたいと考えるでしょう。
日産のコンパクトカーはノートだけ
これに対して、厳しい状況なのが日産自動車です。
お家騒動(?)など、販売店には気の毒な状況が続いていますが、やはり経営陣の乱れというのは大きく販売に影響してしまうのでしょうか?
e-powerシリーズで息を吹き返したのかと思われましたが、ここにきてやはりというか厳しい状況を迎えています。
トヨタと大きく異なるのは、日産自動車のコンパクトカーの売れ筋はノートだけという状況なのです。ノートe-powerとして生まれ変わり売れまくったノートでしたが、ノートe-powerがこけてしまうと日産には次のクルマがないという状況なのです。
ノートe-powerは確かに良いクルマだと思いますが、走りには満足感があるものの、燃費を考えた場合には次はないかなという人が多いのかもしれません。
さらに経営陣のドタバタ劇でブランドとして信用を失墜しているということも大きいでしょうね。
筆者は、仕事関係では日産グループに大変お世話になっていましたので、何とか頑張ってほしいのですが!
コンパクトカーならカーシェアリングサービスのほうが断然お得?
最近、都心部を走っていると、カーシェアリングサービスのコンパクトカーを至る所で見かけるようになりました。普通にマイカーで走っているときずかないでしょうが、こちらもカーシェアなだけに「お仲間」は簡単に見分けがつきます。
10月の新車販売状況が結びついているとは思いませんが、よほど頻繁にクルマを利用する人でもなければ、コンパクトカーならカーシェアで十分ではと思います。
カーシェアのコンパクトカーでは、アクア、ノート、フィット、旧デミオなどがメインとして提供されています。そういえば、最近はシエンタも増えているように思います。
クルマは所有する時代から楽しむ時代に移行するといわれますが、まずは、コンパクトカーからということになるのではないでしょうか?
自動車メーカーなどのカーシェアリングサービスへの本格参戦で、今後、カーステーションはさらに身近なところに設地されそうですので、コンパクトカーを購入する必要性はさらに薄れていくことになると思われます。
まとめ
4~9月の新車販売状況を見ていると、メーカー別では、トヨタ以外に大きく伸びているメーカーが1社あります。その自動車メーカーとはレクサスです。レクサスは10月も118%増となっています。
つまり、トヨタの国内でのライバルはレクサスという皮肉(?)な結果となっています。
アクアとノートが落ち込んだのにはそれなりの理由がありますが、コンパクトカーならカーシェアリングサービスという時代がすぐそこまで来ているようにも思われます。
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