インドでは軽自動車が圧倒的な人気に!
人口およそ13.4億人(2017年世界銀行発表)と中国に匹敵する人口を持つ南アジアの大国インドの自動車事情は、知る人ぞ知る軽自動車大国といえます(実際には排気量が違いますが…)。
何と、日本でも軽自動車や二輪車でお馴染みのスズキ自動車が、インドの自動車販売のシェア約50%を持っているのです。ちなみに、トヨタやホンダでさえシェア5%前後というところですから、まさに独り勝ちという状況なのです。
スズキ自動車は、世界の自動車販売台数でトップ10に入る企業ですが、これはインドでの販売が大きいということは言うまでもありません。
インドでスズキが大きなシェアを握るに至ったのは、もともとあったインドの国民車構想にスズキが選ばれたこと、および、その後の日本式経営を推進するなどスズキの計り知れない努力のたまものです。
スズキがインドに参入した当時は、インドではクルマには高い税金がかけられており、とても庶民の手の出せる商品ではありませんでしたが、インドの国民車構想の中でスタートしたスズキは瞬く間に大きなシェアを獲得していくことになります。
自動運転化と軽自動車
軽自動車人気の理由には、日本国内では、100万円台で購入できるという価格の安さに加えて、ハイブリッドでもEVでもないのに異常なほどの燃費の良さが挙げられるでしょう。
これらのことは、メンテナンスなどを含めた維持費の安さにも繋がりますし、また、税金の安さなども非常に魅力的です。
インド市場を除いた大きな自動車市場で軽自動車が売れているのは、日本くらいなもので、日本では特に女性に大人気で、小回りの良さや運転しやすさが受けています。
次世代のモビリティサービスでは、自動運転化したEVがデフォルトになるといわれています。さて、この時代には今の軽自動車はどのように変化していくのでしょうか?
軽自動車の大きなメリットである、環境に優しい、あるいは高燃費という点は、EVの時代ではメリットとは言われなくなりそうです。
ただし。比較的新しい軽自動車に乗っている方ならすでにお分かりでしょうが、今、軽自動車の装備は大変なことになっているのです。これを理解すると、いかに軽自動車とEV、あるいは自動運転化の相性が良さそうかが分かります。
軽自動車の装備が大変なことになっている
バックカメラ、ETC、オートヘッドライト、カーナビなどは、かつては上位モデルや高級車の装備品と考えられていましたが、今では一般車にも当たり前のように装備されています。もはや車の一部となった感もあり、ドライバーもあるのが当然と考えています。
以前なら、軽自動車は買い物など近所での利用がメインであり、カーナビが装備されることはあまりありませんでしたし、軽自動車でバックカメラを見ながら車庫入れするということも珍しかったでしょう。
ところが、最近では、そのような装備どころか、衝突被害軽減ブレーキや前車追随型クルーズコントロール(ACC)などの自動運転レベル2クラスの装備が軽自動車でも普通に装備され、全車種標準搭載という車種も増えています。
20年前にはSFの世界での話と思っていたような、この5~6年で高級車に装備されているような装備が軽自動車でも全車装備されるような時代になっているのです。
おそらくは、軽自動車のドライバーのニーズとしてあるというよりも、自動車の技術革新がこれらの装備を当たり前のものとして提供しているのでしょう。
前車追随型クルーズコントロールとは
これらの装備はメーカーによって名称が異なりますが、ACC(アダプティブクルーズコントロール)としてのほうがよく知られているかもしれません。
例えば、日産デイズに搭載されている「プロパイロット」と呼ばれる機能では、前車追随型クルーズコントロールと同一車線維持のためのハンドルの自動操作機能がついています。
単眼カメラの画像認識機能により、設定速度と前を走るクルマとの距離、白線により車線を判断し、アクセル・ブレーキ・ステアリングを自動制御してくれます。ドライバーは、ハンドルに触れているだけで、手足の操作は必要ありません。
渋滞などで前のクルマが減速・停止したら、それに合わせて停止まで行ってくれます。停止3秒以内なら前のクルマに合わせて自動発車までしてくれます。
被害軽減ブレーキとは
被害軽減ブレーキとは、カメラやレーダーなどで前方のクルマや歩行者を検知して、追突や衝突する恐れがある場合には音や警告灯でドライバーに警告しブレーキ操作による衝突回避を促し、さらにブレーキ操作がなくこのままでは追突や衝突が避けられないとシステムが判断した場合には、被害を軽減するために自動的にブレーキが作動する機能のことです。
ペダル踏み間違い時加速制御装置とは
停止時や低速走行時に、車載のレーダー・カメラ・ソナーが前方や後方の壁や車両を検知している状態で、ドライバーのシフトレバーやアクセルペダルの誤操作等により、アクセルを踏み込んだ場合に周辺障害物との衝突の可能性がある場合には、衝突防止または被害軽減のためにエンジン出力等を抑えることにより、急加速・急発進を制御する装置です。
自動パーキングアシスト機能
ダイハツでは「スマートパノラマパーキングアシスト」、日産では「プロパイロットパーキング」、本田では「スマートパーキングアシストシステム」などメーカーにより名称は異なりますが、自動パーキングアシストとは、駐車時のハンドル操作をアシストしてくれる機能です。
白線で駐車スペースが認識できれば、駐車時のステアリング操作をアシストしてくれます。自動駐車シーケンスの時、ドライバーはハンドルに手を添える必要はありません。この制御は前後左右のカメラの画像で行われます。
駐車場では比較的入庫しやすい軽自動車でも、非常に便利な機能です。
トヨタとスズキの資本提携に見る軽自動車の将来とは
2019年8月28日、トヨタ自動車とスズキは資本提携を発表しました。
この資本提携には、様々な思惑があると思われますが、一般的には、インドで圧倒的なシェアを持つスズキと、海外では絶好調ながらインドでは苦戦が続くトヨタの思惑が一致したものといわれています。
確かにそれもあるでしょうが、軽自動車で圧倒的なシェアを持つスズキが、軽自動車の将来を見据えた場合に、トヨタの持つ技術力や資本力が必要不可欠と判断したという考えも、それほど間違っていないのかもしれません。
すでにトヨタは、小型EVの量産化を進めていますが、軽自動車がEV化や自動運転化を迎える際には、スズキとの提携は非常に強みになると思われます。
軽自動車も大きく変化していく時代になっているようです。
まとめ
軽自動車って、小回りが利いて燃費が良い、あるいは、女性向におしゃれなデザインなどという印象がありましたが、そればかりではなく、驚くばかりの機能が標準で搭載されつつあるなんて本当に驚きですね。
今後は、さらに魅力的な装備を搭載した軽自動車が増えてくることになりそうです。カーシェアではそれほど見かけない軽自動車ですが、レンタカーには多くありますので、自動運転レベル2を体感してみてはいかがでしょうか?
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