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何気に鳴らしたクラクションが
未だに気軽にクラクションを鳴らしている人は少なくありません。そういう筆者も知らず知らずのうちにクラクションは結構鳴らしているほうでしょう。
道を譲ってくれた対向車に対して軽く鳴らして「お礼」としたり、送迎で待ち合わせ場所にいる家族に知らせるために軽くらなしたり、ハンドルの中央にあれだけ大きな存在としてありますので、使うのが当然とばかりに利用されているのが実情でしょう。
しかし、私たちはクラクションと呼びますが、道路交通法上は「警音器」といい、実は道路交通法では「原則としてクラクション(警音器)は鳴らしてはならない」となっているのです。
ハンドルの中央に位置しながら、鳴らしてはいけないなんて!とも思いますが、正確には、鳴らさなければならない場合には鳴らして、それ以外の場合には原則として鳴らさない、となっています。
つまり、むやみにクラクションを鳴らすことは道路交通法上は違反となる可能性があります。
私たちは、どんな場面でクラクション(警音器)を鳴らす可能性があるのでしょうか?
信号待ちでクラクションを鳴らす
最も多いのはこのケースかもしれません。信号待ちで停車している際に、前方のクルマが信号が青に変わったにもかかわらず走り出さない場合には、「青ですよ~!」と知らせるためにクラクションを鳴らします。特に、急いでいる場合には鳴らす人が多そうです。
実際には、考え事をしていたり、助手席の人と話していたりして信号が変わったのにきずかなかったということは誰しもあるでしょうから、その場合には「あっ、やばい!」ということでクルマを急ぎスタートさせます。
このケースでは、ほとんどのドライバーがクラクションを鳴らすにしても、軽く鳴らす程度と言うのがほとんどですが、執拗な何度も鳴らしたりすると威嚇行為となり、煽りといわれることになります。
挨拶(合図)としてのクラクション
以前よく見かける行為に、トラック同士がすれ違う際に挨拶としてクラクションを鳴らす行為がありました。最近では、ほとんど見なくなりましたが、同じ会社同士のトラックや知り合い同士の場合にはよくクラクションがあいさつ代わりに利用されていました。
トラックのクラクションは大音響となり、誰に対して鳴らしているのかわかりませんので、自分に対して鳴らしているのかと思ったドライバーも多いのではないでしょうか?
同じことは、筆者のように合図として利用していた人も多いのかもしれません。軽くならすだけなら、警告として利用するというよりは、合図や挨拶ということで利用していた人は少なくないでしょう。
威嚇する意図でクラクションを鳴らす
「原則として、クラクションは鳴らしてはならない」というのは、威嚇の意味から利用されることがあるからでしょう。警音器というくらいですから、クラクションでは大音響も出せますので、威嚇するにはこれほど都合の良いものもありません。
突然大音響でクラクションを鳴らされたら、よほどの方でない限りは驚いてしまうものです。威嚇するつもりはなくても、割り込んできたクルマに対してクラクションで注意しても、これは威嚇行為ととられるかもしれません。
こちら側からは注意の意味での軽いクラクションでも、大音響で驚いた相手側には威嚇と感じられることになります。
クラクションの間違った利用方法
以上、私たちがクラクションを利用しがちな場面を考えてみましたが、実はすべて間違った利用方法となります。つまり、道路交通法に違反している使い方となっているのです。
道路交通法第54条によると、「車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためにやむを得ない場合にはこの限りではない。」となっています。
つまり、クラクションは危険を防止するために使い、それ以外の場合には鳴らしてはならないと道路交通法に規定されているのです。
従って、上記の信号待ちで前方車に鳴らしたり、合図や挨拶として鳴らしたり、威嚇のために鳴らすことは道路交通法上は違反となるのです。
交通違反ですから、スピード違反や駐車違反などと同様に罰金または科料の対象となります。
クラクションを使用すべき場面とは
それでは、クラクションを使用すべき場面とはどのような場面となるのでしょうか?
道路交通法第54条では、以下の場面での使用が定められています。
1.左右の見通しのきかない交差点
2.見通しのきかない道路の曲がり角、または見通しのきかない上り坂の頂上で道路標識等で指定された場所
3.山頂部の道路その他の曲折が多い道路について道路標識等で指定された区間おける1.2.に該当するケース
4.危険を防止するためにやむを得ないとき
原則として、この4つの場面以外では使用してはならないとされているわけで、言い換えると、通常は利用することはほとんどないことになります。
クラクションはむやみに鳴らさない
経験のあるドライバーならば、クラクションはむやみに鳴らさないほうがよいということは身体で理解しているでしょうが、初心者ドライバーや、カーシェアリング利用者などのように、たまにしか運転しないという人は、ハンドルの真ん中に位置するクラクションを鳴らしてはいけないということを知らなかったという人もいるでしょう。
自転車のベルも同じって!
ちなみに、道路交通法54条は、クルマばかりではなく自転車も同様に定められているのをご存知でしょうか?
さすがに、最近では、クルマでむやみにクラクションを鳴らし続ける人も少なくなりましたが、歩道を歩いている最中に自転車からベルを鳴らされたという人は今でも多いのではないでしょうか。実は筆者もごく最近、自転車に乗る年配の女性からベルを鳴らされ、後ろを振り向くと自転車のタイヤが足に当たってしまうという経験をしたばかりです。
すぐに「すみませんでした!でもベル鳴らしたのにあなたが道を譲ってくれないから。。」と言われてしまいました。多くの人が、自転車のベルを「自転車が通るから寄ってちょうだい」という感覚で鳴らしていますが、これは道路交通法54条では違反行為となっているのです。
原則として、自転車のベルも人に対して鳴らしてはいけないということですね。
まとめ
意外と知らない人が多いと思われますが、ハンドル中央に位置しておきながら、クラクションは実は決められた場面以外では鳴らしてはいけません。教習所でしっかりと勉強していた人は頭に入っていたでしょうが、合図で鳴らすこともできなかったわけです。
カーシェアユーザーの中には、普段はあまり運転しない人や初心者ドライバーも多いでしょうから、しっかりと覚えておきましょう。また、カレコはカーステーションによっては自転車で行けるところもありますが、自転車のベルも同じく決められた場面以外では鳴らしてはいけません。
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