いま「定額制」が熱い?
見放題、使い放題、はたまた食べ放題と、ここのところ定額制のサービスが大人気となっています。身近なところでは、スマホなども帯域に気を使ってWi-Fiばかり利用していましたが、最近では帯域も通話も使い放題のサービスが登場しています。定額サービスですから、料金を気にせずに利用できるのがうれしいですよね。
同様に、新しいモビリティライフに向けたサービスとして、各社から提供されだしたのがクルマの定額サービスです。以前から、静かな人気を呼んでいましたが、世界的な自動車メーカーであるトヨタ自動車がクルマの定額サービスを始めるということで俄然注目されるようになりました。
様々な業界でブームを巻き起こしている定額サービスですが、モビリティサービスの世界でも人気化することになるのでしょうか?
トヨタの定額サービスとは
既に2月6日からサービスがスタートしているトヨタのクルマの定額サービスとは、トヨタファイナンシャルサービスと住友三井オートサービスのもとに設立された「KINTO」が運営しています。「KINTO」とは、どこでも乗れる孫悟空の「筋斗雲」から命名されています。
新サービスとなる定額サービスは、3年間で1台のトヨタブランド車を利用する「KINTO ONE」と、3年間で6種類のレクサスブランド車を乗り継ぐことができる「KINTO SELECT」の2種類です。
ともに、任意保険の支払いや自動車税、登録諸費用、車両の定期メンテナンスがパッケージ化された月額定額のサービスとなります。
「KINTO ONE」の対象車種は、プリウス、カローラスポーツ、アルファード、ヴェルファイア、クラウンとなり、定額料金のほうはプリウス46,100円~55,400円(税別、以下同)、カローラスポーツが49,500円~58,700円、アルファードが70,900円~92,000円、そしてクラウンが90,000円~99,000円となっています。
また、「KINTO SELECT」の対象車種は、レクサスのES300h、IS300h、RC300h、UX250h、RX450h、NX300hで、6カ月ごとに乗り換えと行い月額料金は18万円となります。
「KINTO SELECT」は2月6日から、「KINTO ONE」は3月1日から東京都内のトヨタ販売店およびレクサス販売店でトライアルが実施されています。
今夏以降には、サービスを全国展開する予定で、Web申し込みも可能となり、秋口以降には対象車種も増えていくということです。
自動車メーカーからモビリティカンパニーへ移行するというトヨタ自動車の壮大なるチャレンジという気もしますが、果たして、カーシェアリングサービスのように急激に成長していくことができるのでしょうか?大いに注目したいところですね。
これまでの定額サービスとの違いとは
クルマの定額サービスは、ガリバーが提供する「NOREL」(中古車)やナイルという会社が提供している「カルモ」(新車)、コスモ石油が提供する「スマートビークル」などが既に提供されています。
しかし、いずれのサービスもコスト面でのメリット感はそれほどなく、どちらかというと、BMWやベンツなどの高級車を短期的に利用するというイメージで見られているのが現状のようです。要は、新しいモビリティライフの商品という受け止め方はされているとは言えないでしょう。
ところが、今回トヨタが提供する「KINTO」の場合には、自動車メーカーが提供するだけあって、車体価格を抑えられるせいか価格が既存のおサービスと比較すると大変割安感があります。しかも新車で任意保険までついていますので、駐車場の心配がないというユーザーの場合にはかなりお得感あるサービスといえそうです。
同様に、オリックスなどから提供されているカーリースと比較しても、プリウスなどの場合にはかなり優位性のある定額サービスとなっています。
クルマの定額サービスはカーシェアのライバルとなりうるのか?
すでに提供されているクルマの定額サービスの場合には、今のところはカーシェアリングサービスの脅威となるという感じではありません。それでは「KINTO」サービスはどうでしょうか?
実は、トヨタ自動車では、今回の定額サービス「KINTO」とともにカーシェアリングサービスへの参入も発表しており、ターゲティングとしては別のビジネスと考えている節があります。
一部かぶることがあるとすれば、駐車場の心配のないカーシェアヘビーユーザーだとありそうですが、そのような条件のユーザーがそれほど多いとも思われません。
どちらかというと、カーシェアサービスの次のステップとしてのクルマの定額サービスというか、カーシェアやレンタカーとマイカーの間に入るサービスというイメージかもしれませんね。
カーシェアを利用し始めて、クルマへの関心がわいたが、クルマを購入するのはそれほど簡単ではありません。そんなユーザーに対しての3年間のサービスというところで、トヨタ車を購入することと比べれば非常にお得感のあるサービスとなります。
また、「KINTO SELECT」については、レクサスの乗り換えサービスということで、高級感あるサービスとなりますが、実はこれらのサービスについては海外の自動車メーカーではすでに多く提供されているサービスで、軒並み成功しているサービスとなっています。
価格は18万円となっており、誰が借りるのよ!と考える人もいるでしょうが、いやいやこれらのニーズはかなり高いのではないでしょうか?毎月定額18万円でレクサスの新車を乗り換えるなんて、普通ではできないでしょう。
「KINTO ONE」とカーシェア比較
新車の「KINTO」と中古車のカーシェアを単純に比較するわけにはいきませんが、「KINTO ONE」のプリウスの最低定額サービスでカーシェアはどのくらい利用できるのかみてみました。
タイムズカープラスでは最近プリウスを見かけなくなったので、カレコのサービスで比較してみます。
「KINTO」の新車のプリウスは月額46,100円からのサービスとなります。カレコでは、中古車のプリウスが10分130円(ベーシックプラン)で利用できますので、46,100円分利用しようとすると、約59時間(ガソリン料込)分利用することができます。
ちなみに、6時間パック3,800円(ガソリン料込)の場合ですと、6時間パックが12回分利用することが可能です。
利用頻度にもよるでしょうが、一般のカーシェアユーザーの場合に比較するほどのものでもないでしょうが、超ヘビーユーザーの場合には「KINTO」という選択肢もあるかもです。
まとめ
トヨタ自動車が大々的に発表したクルマの定額サービス「KINTO」は、既存の定額サービスと比較すると大きなメリットがあるようです。
ただし、今のところは、トヨタ自動車自身がカーシェアビジネスにも参入しているように、既存のカーシェアリングサービスのライバルとなることは無さそうです。
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