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日本と海外では車種名が変わる?
ハワイでレンタカーを借りて、「ヴァーサ」ってどこのクルマだろうと心配しながら乗ってみたら、「あれっ、これノート!」、こんな経験をした方もいるかと存じますが、日本と海外とでは車種名が違うことがよくあります。
理由は様々ですが、原則的には、名前が大切なのではなく販売することが大切なので、その国にあったネーミングが考えられることになり、日本では良い名前であっても海外では相応しくないような名前も多くありますので、その場合にはその国にふさわしい車種名に変更されます。
自動車メーカーにとっては、車種名が重要なわけではありませんので、少しでも売れる名前を付けたいというのが本音でしょう。
プリウスはプリウス、アクアもプリウス
日本では、トヨタアクアといえば、コンパクトハイブリッドカーとして売れ筋トップのクルマとして知られていますが、アメリカではアクアではなく、プリウスCとして販売されています。プリウスCのCとは、Cクラスという意味ではなくプリウスCityという意味です。
日本では、プリウスよりも小型のコンパクトカーだ大人気となっていることから、プリウスの小型版ということでアクアとして売れ筋トップのポジションを確立していますが、米国は日本とは異なり、コンパクトカータイプにそれほどの需要があるわけではありませんので、車名を変えるよりも米国でも大人気車種となっているプリウスのCityタイプのクルマのほうが受けが良いわけです。
日本で人気のプリウスPHVも米国では、プリウスプライムという名前に変更されています。日本では、PHV(プラグインハイブリッド)ということで、何の問題もなく通用しますが、米国ではプラグインしないと動かないクルマというネガティブなイメージでとらえられてしまい、最高級のプリウスという意味のプリウスプライムに変更されました。
国によって文化や風習などが異なりますので、同じ車種名であってもいろんな意味に捉えられることがあるため、そのようなケースでも名前は変更されます。
マツダのロードスターは世界的にはMX-5
小型オープンスポーツカーとして世界的な人気を誇るマツダの「ロードスター」、実は、欧州では「MX-5」という車種名となっているのをご存知でしょうか?
MX-5のMとはマツダのMで、XはRX-7などのスペシャルティーモデルに対してつけられる称号、5は社格的な意味合いとなっています。
また、日本より先に発売されていた米国では、ロードスターはMX-5 MIATAという車種名です。ミアタではなくミアータで、MIATAとは、ラテン系の混血の日本人の女の子をイメージするということでコンピュータにより命名されています。当初は、日本でもミアータという名前で販売するという案もあったようですが、最終的にはロードスターで落ち着きます。
日本では大人気のハスラーも海外では失笑の的に!
この話を聞いてピンとくる人はそこそこ年齢の言っている方でしょうが、日本ではワゴンRベースのSUV車として、新規車種としてはスズキワゴンR以来の大ヒットとなったハスラーですが、海外では失笑の的になってしましました。
ハスラーという言葉には「詐欺師」という意味もありますが、それにもまして1974年にアメリカで発行された男性誌「ハスラー」を彷彿させる名前であったわけです。スズキハスラーの場合には、国内専売の軽自動車ですから売り上げに響くということはありませんが、思わぬところから失笑されることになってしまいました。
同様の話は、ホンダのフィットにもあります。コンパクトカーとして売れ筋のフィットですが、本来はフィッタという車種名で発売される予定でした。ところが、フィッタという言葉には、スウェーデン語で女性器という意味があり、発売直前になって変更になったという噂もあります。
マツダのラピュタとは
マツダのラピュタというよりは、「天空のラピュタ」といったほうが知名度は抜群に上でしょうが、マツダのラピュタとは1999年から2005年までに発売されていた車種です。
欧州市場に強いマツダですが、このラピュタとはガリバー旅行記に登場する空飛ぶ島から名づけられているという、本来は非常に創造力をたくましくするような名前であるのですが、実は、スペイン語では売春婦という意味をもっているそうです。「天空のラピュタ」も英語圏では「Castle in the sky」という作品名になっています。
完全自動運転の時代にはクルマの名称に意味はあるのでしょうか
このように、国内と海外では同じクルマであっても名前が異なっていたり、あるいは、国内専売の軽自動車などには海外ではおかしな名前になっているようなケースもあるようですが、自動車メーカーとしては大切なことはクルマの名前ではなく、売れるクルマであるということです。
つまり、車種名とは、クルマを売りやすくするためにネーミングされるもので、その考えには「クルマは所有するもの」という発想があります。しかし、次世代のモビリティライフでは、クルマは「所有する」ものではなく「利用して楽しむ」ものに変わっていくといわれています。
ということは、来るべく完全自動運転時代には、プリウスであろうがアクアであろうが、またはノートe-powerであろうがあまり意味をなさないのかもしれませんね。
例えば、急成長しているカーシェアリングサービスでも、通常利用で大切なことは車種名ではなく、空いているかどうかということであり、それ以前の問題としてはカーステーションがどこにあるのかという点が重要となります。
「クルマを利用して楽しむ時代」には、ドライバーのクルマに対するプライオリティも変わっていくことになりそうです。
まとめ
アメリカでは、アクアはプリウスC、ノートはヴァーサというように日本とは異なる車種名で販売されていることが多くあります。これは、国によって文化や風習が異なるからであり、大切なおこは如何に売れるクルマとしてのネーミングをするかということです。
しかし、これらはクルマを所有する時代の考え方であるかもしれず、完全自動運転時代にはこのような考え方はなくなっているのかもしれません。
今どきのカーシェアリングサービスでも、利用するクルマの車種名にこだわって利用している人というのは少ないでしょうね。そんなカーシェアリングを、あなたのお近くのカーステーションを探したり、レンタカーや他のカーシェアリング会社との料金比較ができる『カーシェアリング・レンタカー比較のDRIVE go SEARCH』で探してみることをおすすめします!