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コネクティッドカーとは
トヨタ自動車は2018年6月26日、初代コネクティッドカー(トヨタの表記ではコネクテッドカー)と位置付ける「カローラ・スポーツ」と新型「クラウン」を発売しました。
先日のモバイル大手ソフトバンクとの提携発表の際にもトヨタ社長から盛んに聞かれた「コネクティッドカー」、トヨタがここまで入魂するコネクティッドカーとは一体何なのか、またこれにより私たちのモビリティライフはどう変わっていくのでしょうか。
コネクティッドカーとは、その名乗っ取り「つながるクルマ」のことですが、何に繋がるのかといえば「インターネット」に繋がるクルマのことです。
私たちの生活は、スマホやパソコン、タブレットなどを通してインターネットにつながることで成り立っているといっても言い過ぎではないでしょう。最近では、家電なども「IoT(モノのインターネット)」により進化をとげ、私たちの生活は非常に便利になっています。
コネクティッドカーとは、クルマとインターネットをつなげることで、来るべき完全自動運転時代などの次世代のモビリティライフ実現させるクルマということができるでしょう。
つなげるクルマを一躍表舞台に登場させることになった「Uber」
6月に発売されたカローラ・スポーツと新型クラウンは、初代コネクテッドカーという位置づけとなりますが、実は、トヨタはすでに国内自動車メーカーとしては17年前からテレマティクス「G-BOOK」を発表しています。
スマホが普及する前の話ですから、端末としてカーナビを利用して、通信機能や音声認識、データ読み上げ機能を搭載することで、ニュース、天気、株価、カーナビと連動した交通情報、地図、音楽、動画、メール送受信、ネットゲーム、ネットカラオケなどを多彩な機能の実現を目指していました。
当時、これらのニュースを聞いて、「クルマの中で誰が利用すんのよ!」とまゆをひそめた人も多いと思われますが、残念ながらこれらのサービスはさほど普及することはありませんでした。
ところが、コネクティッドカー=つなげるクルマは想定外のところから一躍ひのき舞台に登場することになります。首都圏では至る所で見かけるUber eatsでおなじみの「Uber」に代表されるライドシェアサービスの世界的な普及です。
ライドシェアサービスは、スマホで一般ドライバーが運転する車を呼び出し、タクシーよりも割安に好きなところに移動できるサービスですが、クルマが直接通信回線に繋がっているわけではなく、間接的につながることで新たな価値を生み出すことに成功しました。
ユーザーは、いつでも必要な時にUberのスマホアプリから簡単にライドシェアサービスを利用することが可能で、ユーザーとクルマはカーナビではなく、スマホアプリから繋がることになったのです。
コネクティッドカーで注目される3つの機能とは
緊急通報システム
最も期待されているのが緊急通報システムです。万が一交通事故が起きた時に、ドライバー自信が通報できない状況となることもありえます。そんな時に、エアバックの作動やクルマに搭載されているセンサーが事故を検知すると、自動で警察や消防に通報するするシステムが「eCall」と呼ばれています。
GPSと連動することでクルマの位置情報を自動で送信し、警察や救急車が迅速に事故現場に向かうことができるようになります。これは、クルマに通信システムを搭載することで可能となるテクノロジーです。
すでに欧州では、「eCall」の搭載義務化が進められています。
テレマティクス保険
テレマティクスとは、クルマに搭載されたカーナビなどの端末を使って、最新の道路情報などを受信することを指しますが、このデータを利用することで、ドライバーがどの道をどのくらいの速度で走ったかなどの情報がすべてわかります。
加速度の回数や急ブレーキの回数などかなり細かいところまでの情報を出すことができますので、ドライバーが安全運転をしているかどうかも分かります。このデータを活用して保険料金を個別に設定するというのがテレマティクス保険です。
ブレーキやアクセルのそうだが緩やかな人は、安全運転を心がけていると判断され保管料金が割安となります。また、交通量の多い時間に運転しない人や、夜間の走行が少ない人も事故のリスクが少ないと判断されて保険料金が安くなります。
評価基準や槍引き料率は保険会社各社によって異なりますが、これによりクルマをあまり運転しない人は保険料金をあまり払わなくてもよくなると期待されています。
カーシェアリングサービスの保険料金が非常に安く設定されていますが、考え方としては非常に似ているといえるでしょう。
盗難車両追跡システム
一部の上位機種にはすでに搭載されているサービスですが、盗難車両追跡システムとは、クルマに搭載されたセンサーがドアのこじ開けなどの異常を検知して、所有者のスマホなどにお知らせとして自動送信し、万が一盗難の場合には、その位置情報を自動で警備会社に送信します。
トヨタでは「T-Connect」というサービスで提供されていますが、レクサスなどの上位機種では遠隔で盗難車両のエンジンを停止したりすることができます。
コネクティッドカーと自動運転の違いとは!
現時点での自動運転とは、レベル2~3と呼ばれるもので、完全自動運転であるレベル5から言うと一つの機能として提供されているサービスとなります。そういう意味では、コネクティッドカーとは厳密には異なります。
しかし、2020年東京オリンピックに向けてわが国でも計画されているレベル4の自動運転や2025年目標の完全自動運転の世界では、ほぼ両者は統合されるような状況になると思われます。
つまり、トヨタをはじめとする自動車メーカー各社のコネクティッドカー戦略は、自動運転化戦略とは切り離せない間柄にあるということになるでしょう。
コネクティッドカーの普及でさらに拡大が予想されるカーシェアリングサービス
すでにこれほど利便性の高いサービスもないといえるほどのサービスとして認知されている感のあるカーシェアリングサービスですが、コネクティッドカーが普及することでさらに市場は拡大すると考えられます。
クルマは「所有する時代」から「利用して楽しむ時代」へと移行するといわれていますが、コネクティッドカーの普及により、さらに利便性の高まるカーシェアリングサービスはもはやなくてはならない必需品となる可能性があります。
さらに、コネクティッドカーではクルマの鍵も必要なくなることから、個人間カーシェアも今より拡大するのではと思われます。
まとめ
コネクティッドカーとは、私たちのモビリティライフを大きく変革してくれるものであり、また、来るべき完全自動運転の時代の必須のサービスとなっている可能性があります。
もはやクルマを所有しなくても、完全自動運転のコネクティッドカーを利用して楽しむことができる時代、そんな時代がすぐそこに迫っています。
急拡大しているカーシェアやライドシェアは、そんな時代を先取りしているサービスといえるのでしょうね。そんなカーシェアリングを、あなたのお近くのカーステーションを探したり、レンタカーや他のカーシェアリング会社との料金比較ができる『カーシェアリング・レンタカー比較のDRIVE go SEARCH』で探してみることをおすすめします!