地震だけではなく注意したい水害
教科書で習った関東大震災クラスの地震が、この20年で立て続けに日本で発生するとは、残念ながら誰一人として予測することはできずに、1995年の阪神・淡路大震災以降、中越地震、そして500年に1度といわれる大津波まで発生させる東日本大震災、また、地震はないと思われていた九州熊本での大地震など、予測もできないような災害が多発しています。
そして猛暑が続く2018年7月には、これまで台風や地震などの天災とは無縁のエリアと信じられていた中国地方の岡山県が、西日本を襲った豪雨により大水害を発生することとなりました。日本全国もはや何が起こっても不思議ではないという状況となっている感さえありますが、猛暑が続くことから特に水害には注意しておきたいところです。
多くのドライバーは、走行中に水害に巻き込まれるとは考えていいないと思われますが、東日本大震災での大津波はもとより、2018年の西日本豪雨による水害を目のあたりにすると、他人事とも思えない話であり、走行中に水害にあったらどうすればよいのか、基本的な知識は持っておきたいものです。
最近急増している普段は運転はそれほどしないカーシェアユーザーにしても同様で、短時間のカーシェア利用では災害に遭う可能性は低いとはいえ、もしもに備えて基本的なことは理解しておきましょう。
水害の避難の際に気を付けること
正確な情報収集と早目の避難
正確な情報収集と早目の避難の重要性は、東日本大震災時の大津波で再認識させられましたが、テレビ、ラジオ、インターネット等での情報収集とともに、危険だと感じたらとにかく早く安全な避難場所に避難することが重要です。水害では逃げ遅れることが命取りとなることも多く、まずは安全確保が重要となります。
氾濫した水は勢いが強い
氾濫した水の流れの勢いは強いので、大人でも水深が膝当たりまでになると歩くのが困難になります。緊急避難として、高い堅牢な建物に避難することも選択肢の一つです。東日本大震災による大津波では、5~6階以上の高いところに避難していれば助かった可能性は高くなりますが、想定される南海トラフ地震の場合、最悪のケースではそれ以上の高さも想定されています。
認識しておきたいのは、どの高さに避難すればよいのかということよりも、むしろ水の勢いは非常に強いということかもしれません。
氾濫した水は濁っている
テレビニュースの映像などで見ることもできますが、氾濫した場合の水は濁っていますので、道路の状態などが全く見えません。マンホールのふたがあいていたり、水路と道路の境目も判断することが難しくなります。クルマでの走行は危険ですし、やむを得ず歩く場合にも足元を確認しながら慎重に歩く必要があります。
水害時のクルマの走行について
洪水・津波などで浸水した際の水面から地面までの深さのことを浸水深といい、浸水深が大きくなるほど、歩行やクルマの走行に支障をきたすようになり避難が遅れることになります。
クルマと浸水深の関係
浸水深 | 自動車走行 |
0~10㎝ | 走行に関し問題はない |
10~30㎝ | ブレーキ性能が低下し、安全な場所にクルマを移動させる必要がある |
30~50㎝ | エンジンが停止し、クルマから脱出を図らなければならない |
50㎝~ | クルマが浮き、またパワーウィンドウが作動せず、クルマの中に閉じ込められてしまい、クルマとともに流されてしまい非常に危険な状態となる |
つまり、浸水深が10㎝を超えてくるとクルマは安全な場所に移動させなければなりません。
また、多くのドライバーは経験しているでしょうが、雨天時の水たまりは見た目では深さが判断できず、突っ込んでみたところ意外と深かったということはありがちです。最悪のケースでは、クルマの床面以上の浸水であっても直ちに浸水とはならないことも多く、そのため危険を感じるころには時すでに遅しとなり、クルマが浮いてしまったり、エンジンの吸気口が水を吸ったりとエンジンが停止し立ち往生するようなこともあります。
クルマが冠水・浸水した場合どうする
クルマが冠水し車内まで浸水してきた場合には、すぐにクルマを停止させ落ち着いてエンジンを停止させます。そこから避難経路を考えますが、足を浸け水深を測りながら避難します。
クルマは水が引くまでは放置しておき、その旨をJAFのロードサービスなどに連絡します。水が引いたからといって、すぐにエンジンをかけると破損や感電の恐れがありますので絶対にやめましょう。
クルマが水没した際の対処と脱出方法
中古車マーケットでは、水没車といわれる中古車が一定数存在しており、人気薄のため非常に安い価格となっていますが、実は毎年冠水した道路を突き進んだために道路外に飛び出してしまい池などに水没するクルマが数十台存在します。
万が一冠水して水没した場合には、前方に思いエンジンが搭載されている乗用車は、前部が最初に沈み込み前傾姿勢となります。万が一このような状況に遭遇しても慌てずに、まずシートベルトを外して、ウィンドウガラスが水面よりも高い位置にあるなら、天井の上るようにしながら脱出します。
ただし、困ったことに便利なパワーウィンドウは電気系統のトラブルやガラスが水圧を受けることで開かなくなることも考えられます。この場合には、先のとがった緊急脱出用のハンマーがあれば簡単にガラスを割ることができ容易に脱出ができます。保険として、ダッシュボードに入れておきたいグッズです。
さらに最悪のケースでガラスを割れない場合には、次第に車内が浸水して水が入ってきますが、外の水面との差が小さくなった時がチャンスとなり、外と内の水による圧力の差が縮まるためドアにかかる圧力も小さくなりドアが開きやすくなるチャンスとなります。
車内に取り残されてしまうと、少しでも早く脱出したいと考えるのが普通ですが、意外とクルマは簡単には沈まないもので、ドアへの圧力が小さくなるまで待って一気に脱出を図ります。
まとめ
2018年7月に西日本を襲った豪雨は大水害を引き起こしています。走行中に万が一水害にあった場合には、落ち着いて対応し安全を確保します。短時間利用のカーシェアリングでは、災害に遭遇する可能性は小さいでしょうが、万が一に備えて、今後増えそうな水害対策の知識は持っておきたいところです。
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