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他人事ではなくなってきた迫りくる災害
阪神大震災が過去のものと思えるようになった頃に東日本大震災、そして、地震はないと思われていた九州熊本での大震災、そして先日の記録的豪雨による洪水、昭和初期に発生した関東大震災が歴史の一齣ではなく、私たちの身近な存在として感じられるような時代が迫りくる昨今、災害対策は非常に重要なものとして私たちの生活の一部に組み込まれようとしています。
もちろん、災害とは突然やってくるもので、準備万端に待ち構えていたところに発生したという話はあまり聞きません。しかし、生活の中で一工夫するだけで災害対策ができるようなことはたくさんあり、阪神大震災や東日本大震災から学んだ教訓を活かして、効率の良い災害対策をとることはそれほど難しくはなく、また非常に重要となります。
例えば、72時間の壁という問題がありますが、これは過去の災害時において72時間を過ぎると救助の際の生存率が一気に下落することが分かっています。これは、人間が生きていくためには水分補給が非常に重要であり、72時間を過ぎていくと水分を補給しないと生存していくことが非常に厳しくなるといわれているのです。
それでは保存用の水を準備しておけばよいという話になるのですが、実際の災害時には家屋が崩壊して閉じ込められたりしますので、水を保存するにしても分散しておくことが大切だということが分かっています。
このように、普段の生活の中から災害対策にも活かせられるようなものや技術、サービスなどが見直されるようになっています。
カーシェアリングは災害対策として有効なケースも
使いたいときだけ利用ができるというカーシェアリング最大のメリットは、そのまま災害時にも当てはまります。災害時に家族を迎えに行く必要がある場合などには、マイカーを所有していれば、マイカー所有で本当に良かったと感じる時でしょうが、カーシェアではマイカーのようにコストを掛けなくても同様の思いをすることができます。
また、首都圏のマンションの場合にはほとんどのマンションの駐車場が機械式となっていますので、地震が発生すると機械式駐車場は作動しなくなるということは、東日本大震災時にも多くのマンションで経験しています。
その点、時間貸し駐車場などに設置されているケースがほとんどのカーシェアでは、地震で利用できなくなるということはありません。
災害時のホテル代わりとしてのカーシェア
東日本大震災時には、都内のホテルはどこも満杯状態となり予約したくても予約できないという状況でしたが、近年急上昇している海外旅行者の影響で、現在では首都圏の宿泊施設不足問題は深刻度をましており、災害が発生するようなことがあれば宿泊施設は大混乱に陥ることが予想されています。
こんな時でもカーシェアリングサービスの会員であれば、空いているカーシェアのクルマを見つけることができるかもしれません。ただでさえ夜間に利用する人というのは少ないですから、同じように車内泊を検討する人と被りさえしなければ予約できる可能性は高くなります。
2017年12月からカーシェア事業に新規参入したモバイル最大手のドコモの調査によると、カーシェアの新しい利用用途として車内を仕事場、電話での利用、授乳場所、カラオケなどで使いたいというニーズが増えていますが、終電を逃した場合の車内泊として利用したいというニーズも非常に増えており、災害時には首都圏での宿泊施設としての役割を果たす可能性もあります。
タイムズカープラスの場合では、ダブルナイトパック(18:00~翌9:00)まで借りても2,580円という低料金で利用できるところもうれしいところで、金額だけ考えたら最初からホテルではなくカーシェアを予約したいという人も多いかもしれません。
問題点としては、熊本大震災では多くの避難民の方々が車内泊を長期にわたり強いられることとなりましたが、長期の場合にはエコノミー症候群となることも多いですから注意が必要です。
日産リーフが災害時に非常用電源として活用される
テスラとともに世界のEVを先導している日産リーフを利用した災害対策がスタートしています。
提供するのは、三井不動産レジデンシャル、日産自動車、株式会社フルタイムシステムズの3社で、三井不動産レジデンシャルが販売するマンションの災害用として日産リーフを活用します。この災害対策のシステムには、日産カーレンタルソリューションが運営するEVカーシェアリングで、利用されるのが電気自動車日産リーフです。
日産リーフが活用されるのは、災害時における非常用電源としてで日産リーフの駆動用バッテリーからマンションの共用部に電力供給します。マンションへの電力供給システムは、株式会社フルタイムシステムズが三井不動産レジデンシャル、日産自動車の協力のもとで開発しています。
EV充給電機を導入することで、外部からの電力供給がない場合でもEVからの電力供給により、様々な形で充電することが可能となります。
本システムは、2017年11月に開催された内閣府主催のぼうさいこくたい(防災推進国民大会)でも、災害時対応型EV(電気自動車)からの電力供給という形で披露されました。
この防災システムがはじめて使用されたのは平成24年ですが、その後にカーシェアリングは国内において首都圏を中心に急成長することになり、また電気自動車(EV)についても紆余曲折しながらも、次世代のデフォルトスタンダードとなると想定されるようになっています。
EVにおいては、給電方法やバッテリーなどの問題を抱えていましたが、これらの問題の解決はそのまま防災対策に繋がるような技術発展となる可能性が出てきました。
カーステーションの多さも災害時にはメリットとなる
現在、急成長している国内カーシェアで提供されているクルマはほとんどがガソリン車となっていますが、今後はガソリン車から電気自動車(EV)に切り替わっていくことが予想されています。既に、日産自動車ではリーフを中心としたカーシェアサービスを展開しています。
カーシェアのクルマがEV化していくと、カーステーションの多さは災害対策にとっては大きなメリットとなる可能性があります。最大手のタイムズカープラスの場合にはすでに2017年12月の時点で、カーステーションの数は1万拠点を突破しており、時間貸し駐車場を中心に至る所にカーステーションが設置されています。
まだまだ先の話ではありますが、とは言え、そう遠くない時期にはカーステーションでの電力給電システムが災害時に利用できるようになるのかもしれません。
まとめ
カーシェアリングとは、1台のクルマを複数のユーザーで利用するシステムですが、その発想には皆で協力してエコロジー化を進めるという意味もあります。この助け合いの精神こそ災害時には大切になりそうです。
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