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多様化するモビリティライフ
車は所有することがステータスであった時代から、賢く利用することがステータスとなる時代になりつつあり、モビリティライフを支える多様化されたサービスが次々と誕生し、ディーラーから購入する以外にもレンタカー、カーシェア、個人間カーシェアなど選択肢が増えています。
どのサービスが最適なのかは、状況により異なりますが、サービスごとにどのくらいのコストが発生するのか、あるいは、どのような状況で利用するのがメリットが多いのかなどを検証してみました。
検証では、なるべく均等な条件になるように人気車種でもあり多くのサービスでの提供されているトヨタプリウスを例にして検証します。
プリウス新車購入のケース
一家に一台、あるいは一家に二台といわれたり、車も嫁入り道具の一つとしていたテレビCMが懐かしい感じもしますが、車を所有することがステータスであった時代には、購入する以外の選択肢はほとんどありませんでした。
しかし、時代は移り変わり、金持ち父さん風に言えば、負債を購入することはNGとなりますが、一般家庭の中で自宅に次いで購入する可能性のある2番目に大きな負債が自動車の購入となります。
負債とは、単純にローンで購入するというだけではなく、購入後にも維持費がかかってしまうもののことで、自動車産業としてはおいしいストックビジネスとなりますが、ユーザーにとっては重い負担となります。
プリウスを新車で購入した場合には、以下のコストが考えられます。
車両代:250万円を7年払い(適用金利3%)で購入した場合の月額支払額は約33,000円
自動車税:(減税無し)39,500円
重量税(2年・減税無し):24,600円
自賠責保険(12か月):16,350円
任意保険(車両保険あり):53,780円
ガソリン代(実燃費25kmで年間1万km・130円のケース):52,000円
車検費用(2年):30,240円
駐車場代:20,000円
上記のコストのうち、駐車場代は首都圏なのか地方なのかによって大きく異なり、首都圏の場合には安くても1万円以上、通常は2~3万円以上となりますが、地方では2,000円あたりから高くても1万円以上というところです。
また、プリウスの場合にはエコカー減税対象車種となりますが、上記は減税無しでの試算となり、任意保険は車両保険付きで駐車場は首都圏を想定しています。
上記試算で、年間維持費が約20万円、毎月のローン返済額が396,000円となり、年間トータルで約60万円ほどで毎月のコストは5万円となり、これに駐車場代が加算されます。
減税分や任意保険代を抑えても、結構なコストがかかることになります。
カーシェアリングでのプリウス利用のケース
首都圏を中心として、爆発的な勢いで成長するカーシェアリングの場合ではどのくらいのコストがかかるのか、断トツのシェアを誇るタイムズカープラスと三井不動産グループのカレコの場合で試算してみます。
カーシェアでは多くの車種が提供されており、プリウスも多く提供されています。
タイムズカープラス | カレコ | |
初期費用 | 1,550円(実質0円) | 0円 |
月額料金 | 1,030円 | 980円 |
ショート | 15分206円(ガス代込) | 10分130円(ガス代込) |
6時間 | 4,020円(ガス代込み) | 3,800円(ガス代込み) |
12時間 | 6,690円 | 5,300円 |
24時間 | 8,230円 | 6,800円 |
夜間 | 2,580円(18時~9時) | 2,500円(18時~9時) |
夜間 | 2,060円(18時~24時) | – |
夜間 | 2,060円(0時~9時) | – |
距離料金 | 16円/km | 15円/km |
2017年12月にカーシェア事業に参入したモバイル最大手のドコモの調査では、カーシェアサービスの利用者の約20%が1時間以内の利用、約60%が3時間以内の利用となっており、合わせると約80%が3時間以内の利用という短時間利用者が大半であると報告しています。
週1回1時間、月に4回利用した場合でも利用料金はタイムズの場合で3,296円
週1回3時間、月に4回利用した場合でも利用料金はカレコの場合で9,360円
つまり、車を所有していたけれども、子供の成長などの理由で運転頻度が低くなったケースでは、カーシェアに切り替えることで大きなコスト削減効果が期待できるということになります。
実際には、カーシェア利用者で毎月1万円以上を利用する人というのはヘビーユーザーと考えられますので、他の利用者とシェアするということに抵抗がなければ、コスト的には非常に魅力あるサービスとなります。
レンタカーでプリウスを利用するケース
レンタカーでプリウスを借りた場合のコストはどうでしょう、ここでは、カーシェア大手のタイムズカープラスの会員が利用できるタイムズレンタカーでプリウスを借りたケースで試算します。
プリウス(会員料金)
6時間まで:7,257円
12時間まで:8,812円
24時間まで:10,368円(追加1日ごとに8,812円、追加1時間ごとに1,123円)
レンタカーの場合には、営業所まで車を取りに行く必要がありますので、多くのケースでは長時間での利用となります。
タイムズのケースでは、短時間利用はカーシェアで、旅行などの長期利用の場合にはレンタカーでの利用をすすめています。
カルモやNORELでのプリウス利用のケース
カルモやNORELとは、月額利用サービスという新しいタイプのモビリティサービスとなりますが、中古車買取大手のガリバーが提供するNPRELは中古車でのサービスとなりますので、ここでは新車月額制利用サービスのカルモで試算してみます。
108か月(9年)利用の場合 月額 37,692円(オプションでナビ、ETC、マット込み)
12か月(1年)利用の場合 月額 118,800円(オプションでナビ、ETC、マット込み)
カルモを利用する場合には、別途で任意保険料金や税金は発生しますし、駐車場代やガソリン代ももちろん発生します。
ガリバーが提供するNORELの場合には、ガリバーで在庫となっている中古車でのサービスとなりますので、カルモよりも割安価格になり最低利用期間も90日以上となっています。
購入するケースと比べた場合のメリットとしては、短期間に乗りたい車に乗れるということですが、コスト的なメリットは現時点ではそれほど大きくはありません。
Anycaでプリウスを利用するケース
Anycaとは、DeNAグループが提供する個人間カーシェアサービスで、首都圏を中心に成長する新しいモビリティサービスです。
日本ではあまりな馴染みのない個人間カーシェアですが、海外では当たり前のサービスで多くの利用者がいます。
Anyca利用で、首都圏でプリウスを借りるケースでは、1日(24時間)当たり5,000円前後で借りることが可能で、保険については、Anycaより1日自動車保険(車両保証付き)が1人利用の場合で1,800円、複数人利用の場合で2,700円で提供されています。
車によっては距離制限がついているものもあり、例えば、300kmを超えると10円/1km加算されるなどとなっています。
料金的には、格安レンタカークラスというところで、大手レンタカーや大手カーシェアサービスよりもお得感があります。
ただし、一般的なカーシェアのように無人のステーションでICカードをかざすだけというわけにはいかず、オーナーさんとの受け渡し等が必要となります。
まとめ
一家で同じプリウスを利用する場合でも圧倒的にコスト面で有利なのはカーシェアサービスで、長時間借りるケースでは個人間カーシェアという選択肢もありかもしれません。
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