自動運転時代がやってくる
SF映画で見ていた夢のような自動運転の時代がすぐそこまでやってきています。次世代テクノロジーの登場で、まだまだ先のお話しだと思っていた世界が数年後には実現しようとしています。
インターネットの発達とともに世界は大きな変革を迎えましたが、とどまるところを知らないITテクノロジーは、遂に20世紀最大の自動車産業をも飲み込もうとしており、私たちのカーライフは大きく変革することになりそうです。
自動運転関連のニュースでは、上記のような夢のような良いニュースばかりが報じられますが、自動運転化とはそう簡単に実現できるものではなく、いくつもの困難な問題を解決していく必要があります。
ここでは、今現在盛んにおこなわれている自動運転の実証実験段階による事故について取りまとめてみました。
自動運転化社会とは
日本では、東京オリンピックに向けたレベル4の自動運転、そして2025年を目標とするレベル5の完全自動運転化が予定されていますが、ざっくりというと世界的にも10年以内には技術的なメドはつくということになるのでしょう。
しかし、技術的なメドは立ったとしても、日本国内だけでも約8,000万台ともいわれるクルマが同時に自動運転車に代わるわけではありませんので、しばらくの間は共存していくことになります。
そこで、各社とも実際に公道をテスト走行させる実証実験を行っています。ところが、この実験ですでに多くの事故が報告されており、中には残念ながら死亡事故を引き起こしたものも出ています。
現状の認識では、クルマに交通事故はつきものですが、自動運転化社会とは交通事故ゼロを目指すものであり、多少は致し方ないにせよ、できるだけ事故を減少させることは重要となります。
これまでに発生した自動運転による主な交通事故
Googleの自動運転車が路線バスと衝突
2016年2月、米カリフォルニア州マウントビューの公道で、Googleが開発中の自動運転車が路線バスとの軽度の衝突事故を起こしました。同エリアにはGoogle本社もあり、まさにお膝元での事故となります。
これまでも、もらい事故やドライバーの判断ミスによる事故はありましたが、Google側が過失を認めた初の事故となりました。
報告書によると、自動運転仕様の「レクサスRX450h」が路面に置かれていた砂袋を避けようとした際にバスと衝突、事故時の走行速度はレクサスが時速2マイル以下、バスが時速15マイル程度で、双方ともケガ人は出ていません。
テスラ社による部分自動運転モード中の死亡事故
2016年5月7日、自動車関係者には衝撃的なニュースが飛びこんできました。電気自動車(EV)メーカーのテスラ社の「モデルS」が、自動運転モードで米フロリダ州のハイウェイを走行していた大型トレーラーに衝突し、運転していたドライバーが死亡しました。
アメリカ国家運輸安全委員会(NTSB)の調査では、信号のない交差点で大型トレーラーの下に潜りこむような状態で車両が衝突したという。テスラ社では、日差しやトレーラーが白色だったことから、自動運転システムがトレーラーをものとして認識できなかったと結論付けています。
この事故は、部分的な自動運転システムで走行しており、ドライバーは実際に37分手を添えていなければならなかったのに、25秒間しかハンドルに手を添えていなかったことが明らかになっています。
システム側は、ドライバーに対して7回の「ハンドルを握るように」という警告を出していました。
結論として、テスラ社は2016年9月に、ドライバーがこのような警告に反応しない場合には自動運転システムを使用不可にするなどの仕様変更を発表し、NTSBはクルマ(モデルS)には欠陥はなかったとしました。
Uber社の自動運転車が歩行者と死亡事故
2018年3月18日、ライドシェア最大手のUber社の自動運転車が、自転車を押しながら車道を渡っていた49歳の歩行者を時速約64kmではねて死亡させるという事故が米アリゾナ州で発生しました。
この事故は、自動運転車が初めて歩行者を死亡させた事故として位置づけられることになり、後日、Uberテクノロジーズ社と死亡した女性の遺族は和解したものの、自動運転に対する安全性に世間から厳しい目が向けられることとなりました。
この事故を受けて、Uberテクノロジーズ社は北米4都市の公道での走行試験を中断しました。
ただし、現地の報道によると、警察などの捜査機関は事故の原因を歩行者の飛び出しによるものとの見方をしているようです。
テスラEVが2件目の自動運転モード中の死亡事故
2018年3月23日、Uberテクノロジーズ社の死亡事故からわずか数日後に、テスラの電気自動車「モデルX」が米カリフォルニア州の高速道路で衝突事故を起こしました。
事故は車両が高速道路の中央分離帯に衝突し、自動運転車を運転していた男性が死亡しました。事故当時には部分的な自動運転システムが作動しており、車線の逸脱や車間距離の保持はシステムによって行われていました。
テスラの自動運転モード中の死亡事故は2016年5月に次いで2度目であり、Uberとテスラの立て続けに発生した死亡事故は、他のメーカー等の自動運転車の実証実験などにも大きな影響を及ぼすことになりました。
アップルの自動運転車が事故に巻き込まれる
2018年10月、アップルが自動運転のテスト走行中に接触事故に巻き込まれていたことが、米カリフォルニア州車両管理局(DMV)のwebサイトで公表されました。
この事故は、手動モードでの走行中(8kmで走行)の左折時に、24kmで走行していた相手の車両が方向指示器を付けない状態で車線を横切って接触事故を起こしたというものです。
自動運転車の事故の特徴とは
試験走行中での事故は、紹介した事故以外にも実は結構な数の事故が発生しています。ニュースにならないのは、軽微な事故であり、かつ、自動運転車のほうに過失がないケースがほとんどだからです。
日常的に発生する交通事故でも、歩行者とクルマの事故の場合には過失の如何にかかわらずクルマの責任が重大であると問われることになり、自動運転車の事故の場合には技術面という観点からはそこは差し引いて考えなければならないでしょう。
ただでさえ、自動運転車が事故を起こしたとなるとニュースとなりますし、死亡事故なら過失の如何にかかわらず大ニュースとなってしまいます。
もちろん、走行試験という側面からは、まだまだ事故ゼロ化社会というのには程遠いものであることはもちろんですが、今後も多くの問題解決をしていかなければならないでしょう。
しかしながら、自動運転システムが着実に向上していることもまた事実で、多くの問題を抱えながらも数年後には、私たちのカーライフをモビリティライフへと進化させてくれるのでしょう。
まとめ
次世代テクノロジーの主役とも考えられる自動運転車ですから、事故を起こすと内容如何にかかわらずそれだけでニュースとなってしまいます。いいように考えれば、それが社会の監視の目となって、より素晴らしい自動運転車が開発されることになるのでしょう。
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